ここの質問とその回答を見て、
例えば、
水とメタノールの混合による発熱のメカニズムはわかりました。たぶん。
混合すると、その物質だけの時より安定になるから、
その分のあまったエネルギーが熱が放出される。
という事でいいでしょうか?まちがってるかな?

ここから本題。
例えばヘキサンとシクロヘキサンの混合は吸熱です。
これはどうゆうメカニズムで起きるのでしょうか?
もし発熱の逆だったら、
混合すると、その物質だけのときより不安定になるから、
その分の必要なエネルギーとして熱が吸収される。
ということでしょうか?
でも「より不安定になる」だったら、
水と油みたく2層に分かれてしまいそうな気がします。
実際混ぜてみたら混じってました。なんででしょうか?
回答をお願いします。

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A 回答 (1件)

溶解熱というのは,きわめて難しい問題です.


実際には,液相図や混合自由エネルギー,化学ポテンシャル,溶解性パラメーターなど,あらゆる物理化学的要素を煮詰めた上で,吸熱や発熱の機構とその状態は判断されます.
といっても,そんなムヅカシイお話は僕にもできないので,それが知りたいのであれば,Atkinsの物理化学でも精読してください.
そこで,私は「混ざるってことはどういうこと?」というのを説明します.

◆発熱と吸熱は何によって決まる?
その混合液が発熱か吸熱かを決める要素は,ズバリ「混ざりやすさ」です.
ここで,男女が15人ずついる小学校を想定しましょう.
このお年頃だと,だいたい男子は男子で,女子は女子で固まってしまい,お互いに打ち解けようとしませんよね.ここに,先生が「あんたたち,仲良くしなさい!」っていうと,お互いにギクシャクしながらもまあ見かけ上仲良く混ざりますね.つまり,本来だったら別々のほうがよいのに,あえて混ぜられてしまう,これが吸熱過程です.で,先生の「喝」こそ,溶解に与えられる熱量です.だから,吸熱反応は,周りから熱を奪いながら混ざるのです.

しかしながら,時は10数年経ち,場所は合コン.男女が本能と欲望赴くままに(!?)隣同士に座って,お互いに語り合いたくなりますよね.これは非常に自然体です(ある意味自然体じゃないカモ!?).こうやって,自然に混ざるのが発熱過程です.

じゃあ,この「仲のよさ」はどうやって決まるのか.それは,基本的には極性の近いもの同士が混ざり合います.たいてい,性格の合うもの同士が仲良くなるのとおんなじです.例えば,水とメタノールは極性が極めて近いので,発熱になります.
しかし,ヘキサンとシクロヘキサンはともに無極性だから,混ざりやすくなるはずです.が,実はこれは混ざりにくいのです.それは例外的なパターンで,溶解性パラメーターという難しいお話になるので省略しましょう.要するに,「性格が合うからといって,仲良くなるとは限らない」という,人間関係と似ていますね.


◆溶解するか分離するかを決める重大な要素~エントロピー
ところで,ここまでの話なら,「吸熱過程において,混ざっている状態が不安定なら,お互いに分離したままのほうがいいじゃないか」ということになりますよね.実は,混ざるかどうかを決めるもうひとつの要素があります.それは,「エントロピー=乱雑さ」です.

例えば,先ほどの小学校の教室で,席替え(=混合)をしたとしましょう.席順はくじで決めるとします.そうすると,たいていの確率で男女バラバラの席になり,男子だけ,女子だけで固まることはあまりないですよね.つまり,さきほどいった男女の仲に関係なく,バラバラになってしまうのです.これが「混合によるエントロピーの増大」です.要するに,たとえ吸熱反応であっても,ゴシャゴシャに混ぜると混ざってしまうこともあるのです.


◆まとめ
さて,ここまでの話をまとめると,
・仲がよい溶媒同士はよくなじむが,一概にはそうは言い切れない.
・よくなじむ溶媒系は発熱,なじみにくい溶媒系は吸熱である
・2つの溶媒が存在するときは,その混合エントロピーは増大するので,たとえなじみにくい溶媒系であっても,エントロピーの増加分が大きければお互いに混ざる.

こういう背景があるので,ヘキサン-シクロヘキサン系の溶解熱と溶解状況が判断されるのです.

ちなみに,これらの溶解状況は,温度や混合比率によっても変化します.
例えば,男子が27人,女子が3人のとある理工学部のクラスを想定します(この比率は実話です).そうすると,仮に男女は仲良くなくても,席替えする(=混ぜる)ことで,女子3人が固まる確率は低いですよね.
つまり,もしも2溶媒系の比率をどちらかを過剰にすれば,溶解することもあります.
水と油もそうで,油小さじ1杯を水に溶かすためには,水槽何10杯分もの水が必要といわれています.

---------------------------------------------------------------

もしも以上の現象を熱力学的に解釈したいのであれば,それは
ΔGmix = ΔHmix - TΔSmix
で説明できます.ΔGmixは自由エネルギーで,これが負であれば安定に混ざり合います.混ぜることでエントロピーは増加するのでΔSmix>0です.発熱機構ではΔHmix<0(熱が外に出て行く=マイナスとなる)なので,ΔGmix<0となり,溶解します.
一方,吸熱とはΔHmix>0なので,ΔHmixとΔSmixの大小関係によって,ΔGmixが正負に変化し,溶解するかどうかが決まります.だから,混合温度Tが大きいときは,たいていΔGmix<0となりやすくなります.
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この回答へのお礼

とてもわかりやすかったです。
どうもありがとうございました。

混合には、
よく混じる、混じる、混ざらない、があるんですね。
混じりづらいけど混じる。
というのははじめて知りました。
Atkinsの物理化学も見てみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2002/02/01 13:36

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>よく分かりません
よく分からなくて大丈夫ですよ。
発展の話、発熱反応と吸熱反応の進む理由というのがどういう話なのか質問に説明がないので、私も説明のしようがないです。

ただ、中学や高校で出てくる発熱反応や吸熱反応は、実は上っ面の現象だけを説明していることが多いです。
発熱反応でエネルギーが放出される、吸熱反応でエネルギーが吸収される、
物質の中のエネルギーが反応でどうなるのか、その時に他の尺度はあるのか?等、を理解しようとすると、
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