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アルドール反応(ジベンザルアセトンの合成)

ベンズアルデヒドとアセトン、エタノールを溶解させ、水酸化ナトリウムを加え、次に塩酸を加え、抽出作業をして、精製を行いました。

この実験でベンズアルデヒドとアセトンは1.9:1.0のモルで反応するとわかったのですが、この実験の際、どちらかがが多いほうが合成するのに不都合になると聞きました。反応機構を考える上で、不都合なことろはあるのか、もしよろしければ教えていただけませんか?

A 回答 (1件)

反応式における化学量論を考えれば、2:1であるべきです。


実際に1.9:1.0で混合したということであれば、ベンズアルデヒドが不足、あるいは見方を変えればアセトンが過剰になっています。
この合成において、どちらの物質を多めにするかというのは微妙な問題であり、今回のようにアセトンが多いと、副生成物として、ベンザルアセトン(C6H5CH=CHC(=O)CH3)が生じることになります。それに対して、ベンズアルデヒドを過剰にすると、未反応のベンズアルデヒドが残ることになります。
結局は、両者のうちのどちらを選択するかということです。

ご質問の場合には、ベンズアルデヒドが残る方を選択したということで、ベンザルアセトンの方が精製の際に除去しやすいと判断したのでしょう。
その選択が良いか悪いかに関しては議論が分かれるでしょうが、その実験を計画した人は、ベンズアルデヒドが過剰になると精製の際に都合が悪いと判断したのでしょう。

なお、これは反応機構上の問題ではありません。
強いて言うならば、この反応は2段階(下式)で進んでおり、仮に2段階目が1段階目よりも圧倒的に速い反応であるならば、副生成物としてのベンザルアセトンの量はわずかになり、水によく溶ける上に揮発性で除去の容易なアセトンが残ることになります。仮にこのようになるのであれば、アセトンが過剰の方が明らかに精製が簡単になります。
C6H5CHO + CH3C(=O)CH3 → C6H5CH=CHC(=O)CH3
C6H5CH=CHC(=O)CH3 + C6H5CHO → C6H5CH=CHC(=O)CH=CHC6H5
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この回答へのお礼

大変わかり易く説明して頂きありがとうございました。副生成物とし出てくるものを考えていませんでした。もう一度しっかり復習していきたいと思います。ほんとにありがとうございました

お礼日時:2006/05/01 18:41

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