一回も披露したことのない豆知識

原子を構成する電子軌道のD軌道についての質問です。

D軌道には,Dxy,Dyz,Dzx,Dz^2,Dx^2-y^2の5つの配位の軌道が存在しますよね。
Dxy,Dyz,Dzxは「四つ葉状に」それぞれ
xy平面,yz平面,zx平面に対して平行ですし,
またDz^2は,「原点を中心に球が潰れたような形で,
残り2つの球がそれぞれz軸の+と-に伸びるような形」でz軸に対して平行ですよね。

で,Dx^2-y^2の形だけがどうにも想像出来ません。
図などを参照してもxy平面の第4象限よりやや上方から俯瞰しているようなものしかなく,
xy平面の第1・2・3象限が手前の図に重なって見えませんし,
z軸から俯瞰しているような図もなく細部がよくわかりません。
また名称から類推しようとしても「x^2-y^2・・・あそっか、z^2だ!」とまぁ,
自分の無能ぶりに苦笑してしまいますw

誰かわかる方がいらっしゃったら救いの手を差し伸べてやって下さい。

また,上に挙げているようにDz^2の原点を中心とした潰れた球は,
涙状(というかドラクエのスライム状というか)の4つの軌道のうち
2つが潰れて混成したというような解釈で正しいのでしょうか。
その解釈が一番しっくりくるのですがどうでしょう?

A 回答 (5件)

>Dz^2の原点を中心とした潰れた球は,涙状(というかドラクエのスライム状というか)の4つの軌道のうち2つが潰れて混成したというような解釈で正しいのでしょうか。



同じく俯瞰図ですが実際に計算したものがあります。ページの中程を見て下さい。
http://www2.neweb.ne.jp/wc/morikawa/iso.html
物理屋さんが明快に示してくれたものがその下の球です。
ご存知のようにd軌道には五つしか無くz^2にx^2とy^2を加えると、冗長なものが一つ出来ます。つまり一つは他の五つで表されなければならない。
sとp軌道までなら球対称と三次元に振り分けられて美しいのですが、空間を五つの同じ形の軌道で分ける訳にいかぬ為、苦し紛れの混成になっています。
上記ページの下の方に書いてあるように虚数部分が表れないように、かつ互いに垂直であるように線形結合を取って混成を作り何とか可視化シている訳ですが、
上記ページにあるように空間を位相を含めて分割するときれいに各軌道が見えるようになります。
この大本の表紙が下記URLですのでご覧下さい。化学屋には良い勉強です。

なおz^2については
>z軸に対して平行ですよね。
は正しくなく、「z軸を回転軸とし、xy平面がσ面であるD∞hの対称性である」と言うべきでしょう。
他の「…面に平行」というのもやはり回転軸と対称面で表すべきです。

>で,Dx^2-y^2の形だけがどうにも想像出来ません。
これは簡単でd^2に垂直で、dxyをz軸を中心に(1/4)π回転させただけだと思えばいいです。
これでもdxyと垂直なので驚きですが、位相を掛け合わせていくと確かにゼロになってしまいます。どのローブも隣り合う軌道の+と-の位相のローブと同じだけ重なるのでプラスマイナスゼロになります。
m(_ _)m

参考URL:http://www2.neweb.ne.jp/wc/morikawa/menu.html

この回答への補足

あ、あと外部リンク有り難うございます。
理科っ子の私としてはとても楽しめました。
早速いくつかDLして壁紙用にとっておきますw

補足日時:2006/05/03 16:51
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この回答へのお礼

早速、有り難うございます!

>> z軸に対して平行ですね。
なるほど、確かに軸(または面)に対して平行ではありませんね。
不正確でした・・・m(_ _)m
群論をもって表現されたご説明に納得です。

> d^2に垂直、dxyをz軸を軸に(1/4)π回転させただけ
おぉ、なるほど。その通りですね。
位相を掛け合わせていくと確かに±0になりますねェ。

では、同じようにdxyをz軸を軸に(1/2)πまたは(3/4)π回転させたり、
同様にdyz平面に対しても同様の操作をしたものがあってもいいように思えます。
これについてはどう思いますか?

お礼日時:2006/05/03 16:37

>1/2π回転はどうなりますか?


Dxyの1/2π回転したものはDxyの「逆対称」なのでDxy自身。
Dx^2-y^2の1/2π回転したものもDx^2-y^2の「逆対称」なのでDx^2-y^2自身。
お分かりでしょうか。w
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この回答へのお礼

あ、あぁー!
1/2π回転・・・ですもんねぇ~(^^;)

色々とお恥ずかしい問いにお付き合い頂き有難うございましたm(_ _)m

お礼日時:2006/05/05 08:16

>1/4π回転を破棄して3/4π回転の方を採用していても矛盾は出ないハズなのにぃ。



え、えー!
たとえばpz軌道の上が+で下が-のものと、上が-で下が+のものは符号が違っても位相が逆である同じものを表しています。
1/4π回転したものと3/4π回転したものは、「反対称」で「同じもの」の「別表現」です。「+」「-」を入れ替えれば同じものになるものは、「同じもの」なのです。

この回答への補足

あ、あと・・・(^^;)
1/2π回転はどうなりますか?

補足日時:2006/05/05 07:33
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この回答へのお礼

あ、なるほど!
ようやく理解出来ました♪
長々とお付き合い頂き有難うございました☆

お礼日時:2006/05/05 07:28

>むむむ、そもそもd軸には何故5つまでしか直交した独立軌道が許されないのでしょうか?(^^;)



1,2,3…の主量子数に対し「副量子数」というものがあり、これが
主量子数1(k殻…だったよね、汗)では0(ゼロ)
同2(l殻)では1、同3(m殻)では2、同3(n殻)では3、…。となります。
副量子数がiだと許される状態はi、i-1、…、0、…、-i+1、-iまでの2i+1個になります。
副量子数0がs軌道(1個)に、1がp軌道(3個)に、2がd軌道(5個)、に3がf軌道(7個)、に…
対応しています。たしか「角運動量の可能な値」だったはず。
つまり3dも(ほかのdも)-2,-1,0,1、2,の五つの状態しかとれない事になります。
此処まで来るとさすがに怪しくなりますね、教養の授業をちゃんと聞いておくのだった。(泣)
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この回答へのお礼

な、なるほど・・・。
d軌道が独立軌道を5つまでしか持てないのが、
何となくではありますがわかりました。
突っ込めばわからないことだらけではありますが・・・。
でもこれ以上突っ込んだ質問をするぐらいなら、
グライナーあたりの量子力学の本を一回自分で読んでみるべきですね♪

でも最後にどうしてもDx^2-y^2だけが理解できません・・・。
xy平面を回転させるなら、
1/4π回転を破棄して3/4π回転の方を採用していても矛盾は出ないハズなのにぃ。

お礼日時:2006/05/04 22:46

>では、同じようにdxyをz軸を軸に(1/2)πまたは(3/4)π回転させたり、同様にdyz平面に対しても同様の操作をしたものがあってもいいように思えます。



そら来た、w
ご指摘通りxy方向以外にxz方向やyz方向にも「あって良いはず」ですよね、何故なら三次元空間はxyzに対し「等価」な筈だから。
しかし#1に書いたように直交した独立軌道は五つまでしか存在しないのです。
だから最初からxy向きxz向きyz向きの三つを選んでしまったため、残りの(1/4)π回転させた三つは独立して直交させることが出来なくなりました。
六つめはないのです。同じ事がZ^2の方にも言えます
六つめがないため直交する五つの軌道を取ったときこういった「空間非対称」な分布になったのです。
もう一度繰り返すと「完全空間対称な五つ」は普通の人間にはとてもこれが対称だとは思えないような五つになるため、xy向きxz向きyz向きの三つを選びあとは残りの軌道を線形結合させてdz^2とdx^2-dy^2を作りました。
最後の二つはお好みの方向(x,y,zのうち1つ)に向けてくださって構わないのです。ただし二つは垂直、かつ共通するσ面を持っています。
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この回答へのお礼

迅速丁寧に有り難うございます♪

(1)
むむむ、そもそもd軸には何故5つまでしか直交した独立軌道が許されないのでしょうか?(^^;)

> 6つめがないため直交する5つの軌道を・・・「空間非対称」な分布になった
はその前提を飲めば理解出来ます。

>・・・軌道を線形結合させてdz^2とdx^2-y^2を作った
はdz^2に関して言えば何となくわかる気がします。
dz^2の中央のドーナツはy軸とx軸に伸びるはずだった軌道を重ね合わせた感じなのでしょう(^^;)
ただ、やはり上記(1)を理解していないせいか、
dx^2-y^2はどうも理解に苦しみます。
DyzとDzxを重ね合わせても先程のdz^2が出来てしまいまそうですし・・・うーむ。

結構いい説明されていると思うので申し訳ないです。

お礼日時:2006/05/03 19:13

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