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化学系の大学生です。
希土類の発光について勉強をしているのですが、項記号から電子がどの磁気量子数Mzの軌道に入っているのかがわかりません。

Pr3+:[Xe](4f)2の場合の1D2→3H4の遷移による発光なのですが
基底状態の3H4の場合はL=3+2=5、S=1/2+1/2=1、J=5-1=4となり
  (↑ ) (↑ ) (  ) (  ) (  ) (  ) (  )
Mz  3    2 1 0 -1 -2 -3
のように電子が入っていることがわかるのですが、
励起状態の1D2の場合はどのようになっているのでしょうか?

また、Eu3+の場合の発光、5D0→7F1、7F2の場合はどのように電子が入っているのでしょうか?

A 回答 (2件)

励起状態の1D2の場合は、ただ一つの電子配置では表すことができません。



項記号1D2で表される状態は2J+1=5なので、五重に縮退しています(Jz=2,1,0,-1,-2)。そのうちの一つである、L=2, S=0, J=L=2, Jz=Mz=2 の状態は
mz   3    2    1    0   -1   -2   -3
  (↑ ) (  ) (  ) (  ) ( ↓) (  ) (  ) および
  ( ↓) (  ) (  ) (  ) (↑ ) (  ) (  ) で表される
Mz=3+(-1)の電子配置と
  (  ) (↑ ) (  ) ( ↓) (  ) (  ) (  ) および
  (  ) ( ↓) (  ) (↑ ) (  ) (  ) (  ) で表される
Mz=2+0の電子配置と
  (  ) (  ) (↑↓) (  ) (  ) (  ) (  ) で表される
Mz=1+1の電子配置の重ね合わせで表される状態です。項記号3H4で表される状態のうちの一つである、L=5, S=1, J=L-S=4, Jz=Mz-Sz=4 の状態とは違って、ただ一つの電子配置では表すことができません。

なお、L=5, S=1, J=4, Jz=4 の状態を表す電子配置は
mz   3    2    1    0   -1   -2   -3
  (↑ ) (↑ ) (  ) (  ) (  ) (  ) (  )
ではなくて
  ( ↓) ( ↓) (  ) (  ) (  ) (  ) (  )
です(3H4では軌道角運動量とスピンは逆向きでなければならないので)。
  (↑ ) (↑ ) (  ) (  ) (  ) (  ) (  )
で表される状態は、項記号3H6で表される状態のうちのひとつ(L=5, S=1, J=L+S=6, Jz=Mz+Sz=6)です。

項記号1I6で表される状態(のうちの一つ)が
mz   3    2    1    0   -1   -2   -3
  (↑↓) (  ) (  ) (  ) (  ) (  ) (  )
というただ一つの電子配置で表すことができるので、それにつられて
項記号1G4を
  (  ) (↑↓) (  ) (  ) (  ) (  ) (  )
で、項記号1D2を
  (  ) (  ) (↑↓) (  ) (  ) (  ) (  )
で表してもいいんじゃないか、とついつい思ってしまうのですけど、そのように表すメリットはほとんどないので止めたほうがいいでしょう。
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うーん、かなり昔にはあったのですが、今もあるかどうか不明です、米国標準局(NIST)のサイトにありとあらゆる元素の励起・緩和に関する項数の一覧表がありました、気の狂う様な莫大なデータで、禁制遷移さえ書いてありましたが、私は引退したので探す気力がありません。

m(__)m
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