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「QNo.2159293 これは著作権違法でしょうか?」を見ていて,ふと疑問に思ったのですが・・・

 【1】試験等のの答案とか解答は著作物ですか?
 【2】それは「著作権法」をどう解釈して?
 【3】判例等があれば教えて下さい。

 一応,「著作権法」は読みましたが,「著作物」の定義の『思想又は感情を創作的に表現したもの』に答案とか解答が該当するかどうかで引っ掛かりました。

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(目的)
第1条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
1.著作物
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
**************************

 なお,「QNo.857890 入試の再現答案と著作権」に類似質問がありますが,こちらの場合は『後で,わざわざ,答案を再現している。』点で,著作物になる様な気はします。

 本質問の答案・解答はそういったものではなく,試験会場や通信教育の練習問題の答案・解答といったものを考えています。

A 回答 (3件)

質問1:


試験の種類によりますが、まずたいていの場合に著作物ではないでしょう。
(ミニ小説や詩などを書かせる試験は別)

質問2:
ご自分で引用されているとおり、著作物の定義は著作権法2条1号によりますが、
これを分析すると
 (1) 内容が自己の思想、感情であること
 (2) 創作的であること(「個性的」と言い換えてOK)
 (3) 表現であること(=アイディアの類は著作物ではない)
 (4) 文芸、学術、美術又は音楽に属すること
の4要件が要求されます。

で、答えが決まっているような試験であれば、たいてい(1)の要件を満たさないですし、
自分で作文させるような試験であっても、ほとんどの場合(2)を満たさないでしょう(これについては後述)
また、小論文のような試験でない限り(4)もたいていの場合満たさないと思います。

質問3:
試験問題に関する判例ではありませんが、
著作物かどうかの判断基準としてよく出てくるのが平成8年4月26日高松高裁判決です。

これは、ある人がある人の活動について
「立場上手伝えないけど応援しているよ」という内容の手紙を送ったものですが、
こういう内容の手紙ですら上記(2)の「創作性」を満たさず、著作物ではないと判示されました。

この基準からすれば、試験の答案はほとんどの場合著作物とはならないと思います。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

 ほぼ御説明いただいたもので納得できるのですが,こういった点はどうでしょうか。

 マークシート方式は別として,記述式の解答の場合です。たとえ数学や物理の様な,決った解答がある様に思えるものであっても,その解答の過程は1つだけではないと思います。となると,どんな内容(過程)で解答を作成するかは各自それぞれの考え方(思想)の結果といえるのでは。もちろん,書かれる内容は「学術」に関する結果ですよね。

 そうなると,「内容は自己の思想である」,「創作的(「個性的」)である」,「表現である」,「学術に属する」となって,(1)-(4) の条件を満たすともとれるのですが,如何でしょうか?

補足日時:2006/05/20 10:47
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一概には言えない、というのが回答になると思います。



平成17年10月6日知財高裁判決は、新聞の記事見出しについて、次のような判断を示しています。
「しかし、ニュース報道における記事見出しであるからといって、直ちにすべてが著作権法10条2項に該当して著作物性が否定されるものと即断すべきもので はなく、その表現いかんでは、創作性を肯定し得る余地もないではないのであって、結局は、各記事見出しの表現を個別具体的に検討して、創作的表現であると いえるか否かを判断すべきものである。」

まして、著作権法10条2項のような規定のない答案・解答においては、「著作物性が否定されるものと即断すべきものでは」ないということが言えるかと思います。
ほとんどが著作物と言えないものであるとしても、答案・解答であることだけをもって、著作物性がないとは言えないと考えます。ある程度の字数を与える論述式の試験解答などは、著作物性を認められるケースも考えられるかと思います。

思いつきで架空の事例ですが、小説家が書いた、高校の国語の試験答案などという場合には(もちろん、場合によりますが)、著作物性を認める場合もありうるのではないでしょうか。

この回答への補足

お二方ともありがとうございました。

 これで締切る事に致します。内容に関しては甲乙付け難いですので,ポイントは回答数と回答の早さから#1,#2さんに20P,#3さんに10Pとさせて頂きます。

改めてお礼申し上げますとともに,今後とも宜しくお願い申し上げます。

補足日時:2006/05/27 17:00
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

 多くのものが著作物に該当しないが,すべてではないので該当するものもある可能性は否定できない。どんなものが著作物になるかは個々の表現を検討して決める必要がある。

・・・・という事で宜しいでしょうか。

 確かに,小論文等では著作物性が認められる場合もあるでしょうね。

 それに,今気付きましたが,著作物性と答案として正解かどうかは関係ないんですよね。なら,小論文で小説みたいな答案を書いたら・・・・,「0点だけど著作物として認める」って事もありうるかも。

今後とも宜しくお願いします。

お礼日時:2006/05/23 10:12

>マークシート方式は別として,記述式の解答の場合です。



私が
「自分で作文させるような試験であっても、ほとんどの場合(2)を満たさないでしょう」
と書き、平成8年4月26日高松高裁判決を引き合いにしたのは、
まさにそういうケースを想定してのものです。

著作権法2条に言う「創作」性とは、
書いている内容ではなく『表現(そのもの)』の個性を指します。

この「創作的」は、
誰も考えたことすらない…というほどの独創性は不要だが、
少なくとも「その著作者ならでは」という個性があること…
とよく説明されます。

そして、くだんの判例は、
単に人まねをしていないと言う程度では創作的とはいえない、
という基準を示しているわけです。

その基準に照らせば、数学や物理の解答は
(内容に独創性がある場合はあるでしょうが)
表現が著作権法2条1号に言う「創作的」といえるほど個性的になることはないでしょう。
だいたい説明の方法に一定の規則があるでしょうし。
…表現が個性的な数学や物理の解答なんて読みたくない…(笑)
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この回答へのお礼

再度の回答ありがとうございます。

> >マークシート方式は別として,記述式の解答の場合です。
> 私が
> 「自分で作文させるような試験であっても、ほとんどの場合(2)を満たさないでしょう」
> と書き、平成8年4月26日高松高裁判決を引き合いにしたのは、
> まさにそういうケースを想定してのものです。

 あ,表現が悪かったかな。他の方(おられるかどうか不明ですが)にその点をハッキリさせておこうとの意図での言葉です。回答が『まさにそういうケースを想定してのもの』である事は充分理解していました。

 誤解させたとしたら申し訳ありませんでした。

> この「創作的」は、
> 誰も考えたことすらない…というほどの独創性は不要だが、
> 少なくとも「その著作者ならでは」という個性があること…

> 単に人まねをしていないと言う程度では創作的とはいえない、
> という基準を示しているわけです。

 なるほど。解答等では,個性は出るし,解答を書く上での工夫は現われるが,『表現が著作権法2条1号に言う「創作的」といえるほど個性的になることはない』という事ですね。

 納得です。これでほぼ疑問も解決しましたが,念の為後数日空けておきます。締切りとポイントはそれまでお待ち下さい。

> …表現が個性的な数学や物理の解答なんて読みたくない…(笑)

 私の高校の同級生に「数学の問題を国語で解く」と言われた文系の人間がいました。彼の答案を見る数学の先生はどんな思いだったのか・・・

2度の回答ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

お礼日時:2006/05/22 13:55

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