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酸や塩基のpKaはどのように測定されているのでしょうか?
また、溶媒(DMSO,CH3CN,H2O)による値の違いは
何が影響しているのでしょうか?

簡単にでもいいので、
ご存知の方がいましたら、よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

電気化学的にも測定はできますが、私専門外なもので、詳しく説明できません。

物理化学教科書の電気化学の章や分析化学の教科書に簡単な原理は載っていますが、実際の実験の細かいところについては無知なもので。
UV-visスペクトルなどの分光法で測定する方法について説明します。
酸AHの解離平衡
AH<>A- + H+ (<>は平衡の矢印のつもりで)
について、KA = [A-][H+]/[AH]ですが、AHの初期濃度が分かっていれば、後は発生したA-(あるいはH+)の量を求めてやればよいわけです。
ここでA-が色素分子だった場合は、UV-visスペクトルから[A-]が分かります。
別の方法としては、KAの値が既知である別の酸(の共役塩基)と混合させて変化を観測する手もあります。
AH + B- <> A- + BH
のとき、K = [A-][BH]/[AH][B-] = KA/KBとなります(KBは酸BHの酸解離定数)。
AHとB-の初期濃度が分かっていて、どれかの化学種が色素として機能してくれれば、あとはUV-visでその化学種の濃度を求めてやれば終了します。
基本的には分光分析での濃度測定ができれば、適用できますね。
同様にして、蛍光分子なら蛍光分析といった手法も展開できるかと思います。
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アミンの塩基性ですが、トリメチルアミンの塩基性が水溶液中で変な値を示す理由は、二つの相反する効果によるものです。


まず、回答にも記したとおりアルキル基が増えるほど塩基性は高まります。このことは気相中での塩基性の序列に表れています。
同時に、水中だと、アンモニウムイオン(R3NH+)に対して水が強力に溶媒和するため、R3N + AH <> R3N+ + A-の平衡は右に偏ることになります。
アルキル基が増えるほど、立体的な効果と疎水的な効果によって水の溶媒和は弱くなりますので、溶媒和によってアンモニウムイオンが安定化される効果は NH3 > MeNH2 > Me2NH > Me3Nだと考えられます。
これらの効果の兼ね合いの結果、回答に記したような塩基性の序列となります。
ですので、補足質問にあります立体的な影響というのは正しいのですが、”プロトンを引き抜きにくくなる”という解釈ですと、速度論を問題にしていることになってしまいます。速度論的な塩基性(=活性化エネルギーの問題)と、熱力学的な塩基性(=反応物、生成物のエネルギー差)は異なる概念です。

また塩基性の測定ですが、補足に記してあるとおり、原理的には酸のpKaの測定と同じです。
pKaが既知の酸(AH)と塩基(B)を混合して、反応系中の濃度変化をなんらかの方法で見積もればよいことになります。

ただし、酸や塩基があまりに強力すぎると、pKaの正確な測定は非常に難しくなります。例えば、酸(AH)があまりに強すぎると、
AH <> A+ + H+の平衡はほぼ完全に右によってしまいます。このとき平衡定数を求めようとしても、Ka = [A+][H+]/[AH]は分母がほぼ0、実験的には無限大に発散して測定不能です。ここまできてしまうと、私が回答したような手法では測定困難なケースが多いかと思います。
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この回答へのお礼

三度のご回答ありがとうございます。

質問に対するご回答だけでなく、かゆいところに手の届いた、補足的な説明もして頂き、とても助かりました。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/08/09 23:13

あと溶媒による差ですが、AH <> A- + H+という反応において、基質のAHも、生成物のA-やH+も周囲の溶媒分子の溶媒和を受けます。

例えば、溶媒和がH+に対して非常に強く働けば、この反応は右側に進んで、結果としてpKaは小さくなります。逆なら、pKaは大きくなりますね。
極端な場合だと、水と非プロトン性有機溶媒(DMFやアセトニトリル、DMSO)では、いくつかの酸を比べたときにpKaの値の序列が逆転したりすることも珍しくはありません。一例としては、水中ではHBrはピクリン酸より強酸ですが、DMF中では逆です。
他にも、酸ではなくて塩基の話で恐縮ですが、水中では塩基性が
NH3 < Me3N < MeNH2 < Me2NHとなるのに対し、気相では
NH3 < MeNH2 < Me2NH < Me3Nとなります。
水中では水の溶媒和の効果が働いて塩基性が変化するのに対し、気相ではこの効果が無くなるため、電子供与性のメチル基がたくさんついた方が塩基性が高くなる、という直感的な序列が実現するのです。

有機屋なもので、たとえが全て有機物質ですいませんでした。
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この回答へのお礼

#3,#4 でのご回答ありがとうございます。
丁寧なご解説でとても分かりやすかったです。
酸に関しては理解できたように思えます。

塩基について、追加で質問があります。
NH3 < Me3N < MeNH2 < Me2NH

水中でこうなるのは、NMe3は溶媒和されることによりかさ高くなり、
プロトンを引き抜きにくくなるという理解で合ってますでしょうか?

それから、
非プロトン性溶媒で塩基のpKa値の測定を行う場合、
プロトン源は何になるのでしょうか?

酸を加えるとしますと、
「B + AH ⇔ BH + A-」のような平衡?

       H+
初めに B → BH+ として
「BH+ ⇔ B + H+」のような平衡?

よろしくお願いします。

お礼日時:2006/08/08 02:30

解離平衡定数の値、測定の難しいものが多いと思います。

電気化学的に求めているというのを読んだ記憶があります。うろ覚えです。詳しい人、どうぞ。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
電気化学的にですか、なるほど。
そのような感じも致します。


ご存知の方がいましたら、
引き続きご回答よろしくお願いします。

お礼日時:2006/08/07 14:13

pKaに関してはpHを測定しながら正確に滴定を行うことで実験化学的に算出が可能です。



溶媒を加えた場合に関しては正確な解答を持っておりません、すみません。
(経験的には大きく変化しないと思いますが)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
滴定ですか、なるほど~。
中和滴定ということでいいんですよね。

gori8063さんのおっしゃる測定方法は
溶媒は用いないらしいのですが、濃い酸塩基のまま、
滴定を行っているのでしょうか?

お礼日時:2006/08/07 14:07

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