憲法・刑法でいまいち理解できないことがあります。
<憲法>
・法律の留保
2つの意味があり、それは良い意味と悪い意味
1.法律によれば国民の権利を制限しうる
2.行政権によって国民の権利を制限するには法律が必要
主権の意味
1統治権
2最高独立性
3最高決定権
この2点は、択一とかいまいち正答率が悪く、識別が出来ません。
誰がわかりやすい説明と識別法をお願いします。
<刑法>
惹起説を前提にした『正犯なき共犯』と『共犯なき正犯』の区別
1、自傷行為を教唆した場合のように正犯が構成要件該当性ないし違法性が無く処罰されないにもかかわらず共犯が処罰されるか?
2、被害者が重大な傷害を頼んだ場合のように、正犯が処罰されるのに共犯が不可罰か??
(1)純粋惹起説
(2)修正惹起説
(3)混合惹起説
全く理解が出来ません。どうか賢い方、分かりやすい説明お願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
#賢くもないし分りやすい説明かどうかも怪しいですが。
理論的な正確性はあえて目をつぶって大雑把な説明をしています。ですから厳密に言えば不正確です。しかし、概要を理解するにはこれで十分だと思いますし、この方が当座は理解しやすいと思います。
1.法律の留保について。
まず、「良い意味悪い意味」という発想は捨てましょう。解答の役に立たないばかりか先入観になるだけです。
法律の留保という用語は、「法律によって行政権を拘束する」「法律によって人権を制約する」という二つの意味、つまり「行政制約原理」と「人権制約原理」の二つの用法があります。
であれば、問題を見てそれがどちらの話をしているのかを考えれば答えは出るはずです。たまにどちらの話をしているのか分らん選択肢があるときがありますが、それはもはや選択肢の読解の問題であって法律の留保という用語の理解の問題ではありません。
2.主権の意味について。
統治権、最高独立性、最高決定権という三つを見ると、統治権は他の国家の存在を前提とした対外的な関係における用法、最高決定権は国内の権力構造における用法、最高独立性はその両方の意味を含んだ用法であることが分ります。そして、統治権は実体的な国家の権能であり、最高決定権もそれ自体は抽象的なものでも実体として国政における権力構造の最上位にある権力を示しています。一方で、最高独立性は「権」が付かないことからも分るとおり、実体的な権能などではなく、単に比較の問題として、国内的には最高であり対外的には独立しているという観念を述べるに過ぎないものです。
そう考えると、対外的な問題についてならば統治権か最高独立性のいずれかであり、そこで具体的な支配権能を述べているなら統治権、観念的な意味であるなら最高独立性ということになります。
国内的な問題なら、最高独立性か、最高決定権ということになりますが、権力構造における実体的な支配権能の話なら最高決定権、単なる観念的な話なら最高独立性ということになります。といってもこれは結構区別が微妙なこともあります。
なお、1同様にどの話をしているのか分らん選択肢というものがありますがこれも結局その選択肢の読解の問題であって主権の意義の理解の問題ではありません。
しかし、正直言えば、実際の問題を解くときにこんなことを一々考える時間はありません。最後は慣れです。直感的に解けるまで問題を解き続けるしかありません。
3.正犯なき共犯と共犯なき正犯について。
区別というか、誰が見たって別物なのは明らかでしょう。そもそも別の話をしているのですから。
問題なのは、共犯の処罰根拠は何かで、これを「正犯を介して法益侵害の危険を惹起したから」と考えるのが因果的共犯論=惹起説。
つまり、大雑把な言い方をすれば、正犯の行為を介して共犯「自身」もまた法益を侵害しているが故に共犯は処罰される(これは共犯独立性説につながりそうに思えるかも知れませんが、そうではありません。あくまでも正犯を介して法益を侵害する行為が問題なのであって、正犯の存在抜きには共犯による法益の侵害は存在しません)。
そこで、純粋惹起説、例えて言うなら「本家」惹起説。
純粋惹起説で重要なのは、(正犯の行為を介して)共犯「自身が」法益を侵害しているということ。つまり、因果的共犯論における共犯の処罰根拠に最も忠実(という意味で「本家」)な考え方です。ここを重視すれば、あくまでも違法かどうかは共犯者自身の問題であって、正犯者と共犯者との「違法の連帯性を否定」(ここ重要)することになります。正犯の違法性によって共犯の違法性が決まるのではなく共犯の違法性は共犯自身の問題として考えるということです(共犯独立性説と同じように思えるかもしれませんが、あくまでも正犯者が法益を侵害する行為をしない限りは共犯は違法になりません。単に、正犯者の違法性と共犯者の違法性はそれぞれ別々の違法性だというだけで、共犯者が違法となるために正犯者の法益侵害行為が必要ないということではありません)。
修正惹起説は正反対で、正犯を介した共犯の行為が違法であることが共犯の処罰根拠としても、共犯はあくまでも正犯による法益侵害に加担しているだけであって共犯の行為の違法性は正犯の行為の違法性によって支配されていると考えます。ですから、正犯と共犯の「違法の連帯性を肯定」(ここ重要)することになります。
混合惹起説はその中間。共犯は正犯による法益侵害に加担しているだけではなく自らも法益を侵害しているがそれはあくまでも間接的なものであると考えて、共犯自身の違法性を考えつつも正犯の違法性の影響を考慮します。
で、以上のような理解に則って正犯なき共犯と共犯なき正犯の問題を検討します。
まず正犯なき共犯は、正犯に違法性がありません。
しかし、純粋惹起説ではそれは関係ないので共犯の違法性を否定しないことになります。よって、正犯が違法であろうとなかろうと共犯は違法であるということができ、正犯なき共犯を肯定することになります。
修正惹起説では、正犯の違法性に共犯の違法性は影響を受けますから正犯が違法でない以上、共犯も違法ではなく、正犯なき共犯は否定することになります。
混合惹起説も正犯の違法性の影響を考慮するので、正犯なき共犯は否定することになります。
次に共犯なき正犯については、正犯に違法性があります。
しかし、純粋惹起説ではそれは関係ないので共犯自身の違法性だけを考えればいいことになります。よって、正犯が違法であってもなくても共犯が違法でないと言うことができ、共犯なき正犯を肯定します。
一方、修正惹起説では、共犯は正犯の違法性の影響を受けるので、正犯が違法なら共犯も違法となりますから、共犯なき正犯は否定することになります。しかし、実際にはこれでは結論に問題があるので別の理屈で共犯の違法性を否定する見解もあります。
混合惹起説では、正犯の違法性の影響を受けるのですから正犯が違法なら共犯も違法となりそうですが、そもそも共犯の違法性は正犯の違法性とは別であることを前提に影響を受けるだけなので、共犯自身の違法性を正犯とは別個に考えることは可能です。というかその為の理屈のようなものです。誤解を恐れずに言えば、正犯なき共犯を否定しつつ、共犯なき正犯を肯定するために都合のいい理屈を捻出したのが混合惹起説なのです。そうすると、この場合には、共犯の違法性を否定し、共犯なき正犯は肯定することになります。
これは裏側から理解するといいかもしれません。
正犯なき共犯を肯定すると処罰範囲は広がります。
共犯なき正犯を肯定すると処罰範囲は狭まります。
純粋惹起説では、いずれも肯定しますから+-0です。
修正惹起説では、いずれも否定しますからこれまた+-0です。ただ、後者を肯定して処罰範囲を狭くしようとする見解もあるのは既に述べました。
そして、混合惹起説は、前者につき否定し後者につき肯定することで処罰範囲を狭くしようとします。
つまり、処罰範囲は狭い方がいいという発想が根底にあると考えて、その合目的的な配慮の結果の混合惹起説であり、修正惹起説のさらに修正であるということです。
一方、純粋惹起説は単純に因果的共犯論から演繹的に導いた「純粋な」説であるということです。
No.3
- 回答日時:
あなたの状況がわかりません。
学生であれば先生に質問すればよいことです。
実務者であれば、資料を調べたり、士会に相談したり、法務省に聞けばよろしいのでは。
資格受験の独学者の場合は、独学を選んでいるわけですから、自力で解決方法を探すしかありません。
よいといわれる書籍なり、サイトもあります。活用しましょう。
以上
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