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北朝鮮への、日本独自の経済制裁の内容が正式発表されました。
衆議院通過前からニュースなどでも大きく取り上げられていますが、
なぜか触れられていない点があって、疑問に思っています。

1.北朝鮮からの輸入は全品目禁止になりましたが、北朝鮮への輸出はOKなのですか?
(軍事目的に転用できるもの以外でも、以前から北朝鮮に輸出していたものはあったと思うのですが、まだ禁止になっていないのですか?それとも既に禁止になっているのですか?)

2.北朝鮮籍の船舶・航空機は日本への入港が禁止されましたが、(北朝鮮が許可するかどうかは別として)日本船籍の船舶・航空機が北朝鮮に入国することはOKなのですか?
(現在、韓国もしくは中国経由で行くしか方法がないから、触れないのでしょうか?)

3.例えばパナマ船籍や韓国船籍など、北朝鮮資本でありながら日朝以外の第三国船籍の船舶・航空機が日本に入港することは禁じていないようですが、それでは片手落ちだと思います。なぜ船籍を基準にしたのでしょうか?また、船籍以外に有効な基準は無いのでしょうか?

以上、3つの疑問点がありますが、根っこは1つの問題でそれぞれ密接に絡んでいると思いますので1つの質問にまとめさせていただきました。
推測でも結構ですので、いろんな方面からのご意見・ご回答をいただけるとありがたいです。
特に、この制裁内容を決定するに際して、国内経済・国際経済のこういう部分に配慮した結果、この部分はこうなった、というような話があれば、聞かせていただきたいと思いましたので、このカテゴリーでの質問とさせていただきました。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

1.北朝鮮向けの輸出は現時点では法で禁止されていないように思われます。

 

但し、輸出手続きを行なう時に税関当局による 「行政指導」 という形の事実上の禁止措置があるようです。 通関業者が北朝鮮への輸出申請をしようとした場合、別室に呼ばれ政府の対北政策を長々と説明され、「だから分かるでしょう?」 と圧力がかけられます。 業者とすれば税関当局に睨まれれば今後の業務に支障が出るし、やむなく申請取消しにするわけです。 これで北朝鮮向けの輸出は事実上不可能な事になりますね。 ただ昨日のテレビでも北朝鮮の船舶に中古家電や自転車を満載しているシーンがありましたので、地域や輸出品目によって当局の対応は異なると思われます。

2.日本船の北朝鮮への入港ですが、これも日本政府からの禁止措置はないようです。 ただ、今の状態で北朝鮮への配船を行なう船会社は現実には存在しないでしょうし、また仮にあったとしても輸出手続きが困難なので、やはり配船は無理でしょうね。

それと今までは日本から北朝鮮に直接行けましたよ。 クリアランスだけを切替えるため、第三国に一旦寄航するという必要はありません。 ただ今後どうなるか極めて不透明です。

3.北朝鮮の第三国便宜置籍船についてですが、これを入港禁止にするのは難しいです。 形式的には北朝鮮の影響下にはない船舶という事になるからですね。 ただもし公安当局によって北朝鮮の支配下にある船舶という認定がされた船舶があった場合、今回の政府の決定とは別に、海運代理店、荷役会社、通関業者などに内々に圧力をかけ、事実上入港が出来ないようにするはずです。

ただ、北朝鮮に便宜置籍船があるのかどうか不明です。 

また船籍についてですが、法律上はやはり人間と同じで国籍でしか区別する方法はありません。 従って疑わしい船舶の場合は、個別に対応する事になるでしょう。 いくらでも方法はありますからね。

参考URL:http://www.hyoki.co.jp/taiou.html
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この回答へのお礼

早速の詳細なご回答、ありがとうございます。
輸出に関して、明確な禁止はされていないけれども「指導」「自粛」という格好で実質的に不可能というお答え、非常に参考になりました。
とすると、北朝鮮の立場としては、もしどうしても必要な日本製品があれば、第三国を経由して輸入するか、チェックの薄い港から出港させるかのどちらかしか方法が無いわけですね?
そこまでして必要なもの、というと、軍事目的か将軍様の嗜好品ぐらいでしょうから、品目としては限られてくるわけで、充分チェックは可能でしょうね。安心しました。
便宜置籍船(この言い方もはじめて知りました)の問題と併せて、悪意を持って様々に偽装している船や輸出品を見抜かなければならないということは、実務段階での現場の対応が非常に重要になってくるのでしょうね。そう考えると「臨検」もやむなし、というのはもっともな事に思います。
また、(少なくとも今までは)日本から北朝鮮に直接入国できる、というご指摘ありがとうございます。不勉強でお恥ずかしいです。直接入国できるのは、いわゆる在日朝鮮人の方と、共産党の幹部くらいだと思っていました・・・。そういえば、報道でも平壌からレポートしてますもんね。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/13 15:18

No.1 です。



今回、教えて goo のスタイルが大幅に変更され、回答文字数も全角800字以内となったので、詳しく説明する上で大変不便になりましたね。

No.2 さんから便宜置籍船に関するご説明がありましたので、若干補足させて頂きます。

パナマやリベリアなどで便宜的に国籍を取得する、いわゆる便宜置籍船ですが、固定資産税の問題の他に船舶管理の問題もあります。

たとえば日本籍にした場合は乗組員は全員日本人を配乗させなければいけないという法律があるため、船主は大変な人件費を負担する事になり、経営を圧迫する事になります。

ただ1999年に船舶職員法が改正され、日本人船長と機関長を除けば、外国人船員も船舶職員として日本船籍に乗り組むことが可能にはなりましたが ・・・

また日本籍にした場合は日本国内の法令に基づく管理、すなわち船内の様々な機器類や外板の厚み、あるいは安全設備など厳しい条件をクリアしなければいけません。 これには多額のコストが発生します。

これらのデメリットから第三国で登録し、比較的緩やかな安全基準、安価な外国人船員というメリットを享受する船主が増えたわけです。

一方、北朝鮮籍の船舶の場合、そのようなデメリットはありません。

日本と違って厳しい安全基準や人件費の高い船員など存在しませんので、敢えて外国籍にする必要がないわけです。

従って一般の北朝鮮の船舶はほとんど全て北朝鮮籍になっており、船籍港も南甫や元山、あるいは海州などの主要港にしているわけです。

それと順序が逆になりましたが、質問1の軍事目的以外の商品の輸出ですが、私の知っている範囲で大きなシェアを占めていたのが中古自動車です。

自動車専用船などはないので、一般貨物船の船倉内に積めるだけの中古車を山積みしている北朝鮮船舶を見た経験があります。

先の回答でも説明したとおり、輸出関連業者の自粛、それに所轄官庁の強い行政指導もあるため、もう今ではそのような光景を見る事はありません。 
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この回答へのお礼

なるほどなるほど。詳細な補足説明ありがとうございます。
どうも、「日本人が北朝鮮に入国(=上陸)する場合」と、「日本の船が北朝鮮の港に入港する場合」とで、頭の中がごっちゃになっていたようです。分けて考えないといけませんね。
船舶管理の問題も、非常に参考になりました。No.2の方がおっしゃっていたように、テロに使用した船でさえ北朝鮮籍だったというのは、逆を返せば「北朝鮮政府が信頼する乗組員のみの手によって、北朝鮮仕様の船舶を航行させようとした場合、船籍も北朝鮮籍にせざるを得ない」という一面があったのだろうか、と想像します。自国の基準さえ守れば良いのなら、民間船には不自然な架装がついていようが、明らかに雑な作りであろうが、自沈装置がついていようが、関係ないですもんね。
ご自身の経験からの目撃談も、参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2006/10/13 15:56

 基本的にNo1のかたの回答で良いかと思いますので、二・三補足します。



1.
 医薬品や、食料など生命にかかわる必要物資の輸入もあり、一般的にこれらの物資は、過去の国連の経済制裁でも除外される場合が多いです。
 また、輸入をすれば代金として、北朝鮮に資金が流れますが、北朝鮮への輸出は、北朝鮮から資金を奪うことになる側面があります。(輸出には、第三国の船舶が利用されるでしょう。)

2.
 日本の経済制裁に対して対抗措置を取ると言っている北朝鮮に、日本の船舶・航空機で出かけたのでは、拿捕される可能性大です。
 そんなリスクのあるところに出かけることを、会社が乗組員に要求すれば、組合が黙っていないでしょう。

3.
 日本などの資本主義先進国では一般的な便宜置籍船ですが、これはほとんどの場合、船舶の税金が安いことがその理由です。
 民間企業にとって、どの国の政府に納めようと、お金が出て行くだけの話ですが、北朝鮮の場合は違います。
 船の所有者が結局は国営企業ですから、外国籍にすると北朝鮮政府がその名義を借りた外国に対してお金を支払うことになります。北朝鮮籍であれば、北朝鮮は全く損しません。
 元々、資金がなくて海外の(特に日本に住む)北朝鮮籍の人たちに献金させたり(献金しないと、北朝鮮に居るその人たちの親戚が、不当な扱いを受ける可能性がある。)、偽札・麻薬などに手を出すほどお金に困っているのですから、わざわざ外国籍にして税金を払う船があったとしても、最重要の情報収集船(スパイ船)くらいで、その数もごくわずかと思います。
 昔、ミヤンマーの首都ラングーンで北朝鮮が爆弾事件を起こしたとき(先に事件現場に到着し、その時の全斗煥大統領と背格好の良く似た韓国の駐ミヤンマー大使が爆死しました。)、爆薬の輸送には、北朝鮮籍の船が使われたと、ミヤンマー政府は断定しました。このようなテロでさえ、第三国の船籍のものを使っていません。



 
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
日本から見て、輸入は日本円を北朝鮮に流すことになるが、輸出は北朝鮮が抱える外資を奪うとのご指摘、もっともだと思います。言われて思ったのですが、北朝鮮の支払能力がどんどん低下しているのに、物を売ろうとする人はどんどん減っているんでしょうねぇ。今の時点で北朝鮮に物を売っている人は、北朝鮮にしか売れない品物を抱えてよほど困っている人か、北朝鮮に並々ならぬ思い入れがある人か、のどちらかなのでしょうね。
2.の件ですが、いわゆる在日朝鮮人の方、あるいは日本国籍を持つ工作員(の入り込んだ企業)の持ち船であれば、危険は無いのではないでしょうか?「こっちからは取りにいけないから、持って来てくれ。手段は任せる」くらいの連絡は、どうとでもなるのではないかと思うのです。
3.の「国有の船だから税金はかからない」というのは目からウロコでした。かといって、今からお金をかけて自由に動ける手駒を作る、というのもかなり難しいのでしょうね。きっと各国もその可能性を考えてチェックを厳しくしているでしょうから、手助けしてくれる国があったとしても、アメリカに敵対している国か、足元を見て法外な見返りを求めてくる国ぐらいしか無いですものね。
また、具体的な事例を教えていただいて非常に参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2006/10/13 15:38

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