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ノルウエーから日本へ帰国のため、ノルウエーの銀行に預けているお金をどのように日本へ持ち帰るか悩んでいます。レートの良いときに送金をしようかと思っていましたが、こちらの銀行から日本の銀行に送金する場合、外貨建(US$)、円貨建のどちらかになると聞きました。この場合はノルウエークローネから日本円への交換レートは気にする必要はないという理解でよろしいのでしょうか。海外から日本へ帰国された方で外貨をどのように円に換金されたか、経験者の方アドバイスをお願いします。

A 回答 (1件)

特に経験者ではないのですが、どなたもお答えでないので出しゃばって参りました。

失礼はお許しを。

送金にせよ両替にせよその損得は、銀行間取引レートを基準にそこからどの程度のマージンを払うかで比較すると分かりやすいです。
銀行間取引レートとは外国為替市場において、その名の通り銀行間の取引に使われるレートです。ニュースなどで報じられるレートは特に断らない限りこの銀行間取引レートです。
ただし一般の顧客は銀行間取引レートでの取引きはできず、外貨(ご質問の場合はノルウェークローネから見た米ドルや日本円)を売るにしても買うにしても必ずいくらかのマージンを払うことになります。もちろんマージンが少ないほど有利ということです。

マージンの幅は主に取引の種類によって変わってきます。外貨現金への両替レート(CASH SELL)は一般にマージンが大きめに設定されています(*1)。外貨現金は手許に保有しているだけで為替リスクや死蔵コストを伴いますし、また発行国から持ってくる際の輸送コストもかかるためです。
これに対し外貨建て送金のレート(対顧客電信売レート、対顧客電信買レート)は、外貨現金への両替よりマージンが小さく設定されています。銀行側の処理としては単に数字の付け替えだけで、死蔵コストや輸送コストと無縁であるためです。為替リスクも基本的にありません(送金依頼を受けた時点で、外国為替市場でその外貨を調達すればよいので)。
もちろん上記のマージンの幅は、金融機関や相対通貨の種類でも異なります。経済が不安定な国の通貨、流通量が少ない通貨などに交換する場合のマージンは大きめに設定されます。

まず現金で持ち帰る場合から説明します。質問者さんの方がよくご存じかと思いますが、[1]はノルウェーで多くの店舗を持つ両替商の一つです。
ご自身でレートの数字を確認頂ければと思いますが、ノルウェークローネ(以下NOK)から日本円(以下JPY)現金に両替する場合、マージンは3.1%ほどかかっています(*2)。この他の手数料ですがPrisliste/Price listをご覧頂ければ分かるように、外貨の現金を買う場合はかからないようです。
両替の際のマージン(目減り)として3.1%という数字はそう悪いものではなく、人件費の高い北欧なら上等とすら言えます。数十万円以下ならこの方法で持ち帰ることを考えても良いと思います。安全を考えて日本円TCにして持ち帰ることも可能ですが、その場合は発行手数料が1.95%かかるようです。この両替商ではTCのレートは現金と同じです。
参考までにNOKから米ドル(以下USD)現金に両替する場合ですが、USDは日本円より流通量が多いこともありマージンは2.0%と小さくなります。しかしUSDにして日本に持ち帰るのは不利です。というのは日本でUSD現金を日本円に両替する際にマージンが2.5%程度引かれるからです。ユーロ(EUR)現金経由についても同様の結論です。(NOK→EURのFOREXでのマージンが約2.0%、EUR→JPYの日本の銀行でのマージンは2.6~5.0%)

次に送金の場合ですが「交換レートは気にする必要がある」が答えです。厳密に言うならば「交換レートに含まれるマージンについて気にする必要がある」ということです。
送金時に適用されるレートは対顧客電信売レート(TTS)や対顧客電信買レート(TTB)ですが、これには必ずマージンが含まれますので、送金したお金はいくらか目減りして到着します。もちろんこれと別に送金手数料も必要です。

USD建てで送金を選択した場合、まずノルウェーの銀行においてNOK→USDの変換が行われます。この際にはUSDのTTSレート(USDにとっての売りレート)が適用されます。送金が日本に到着すると、今度はUSD→JPYの変換が行われます。この際の適用レートはUSDのTTBレート(USDにとっての買いレート)です。
恐縮ながらノルウェー国内におけるUSDのTTSレートについては知見を持ち合わせません。他方、日本におけるUSDのTTBは銀行間レートから0.85%程度のマージンが引かれた数字になります(1 USDあたり1円引かれる)。
JPY建てでの送金を選択した場合、同様にノルウェーの銀行においてNOK→JPYの変換(JPYのTTSレートを適用)が行われ、その際に多少の目減りがあります。到着時は、通貨間の変換は生じないのでマージンで目減りすることはありません。

USD建て送金とJPY建て送金の選択ですがおそらくはJPY建てが有利でしょう。ノルウェーの銀行におけるUSD TTSレートのマージンがJPY TTSレートのマージンより0.85%以上小さい場合に限り、USD建てが有利ということになります。
またUSD建て/JPY建ていずれでも、送金手数料は別途かかりますからそれもマージンに合算してお考え下さい(*3)。具体的な送金手数料額については知見を持ち合わせませんが、おそらくは数千円程度だと思います。これも現地の銀行にて確認願います。

【結論】
(1)持ち帰る額が小さければ両替商などで日本円現金にして持ち帰るので十分。その場合の目減りはうまくすれば3%程度で済む。
(2)持ち帰る額が大きければ送金でもよい。送金にすべきか現金で持ち帰るべきかの分かれ目は、ノルウェーの銀行におけるTTSレートおよび送金手数料の設定いかんで変わってくるが、大雑把な目安としては数十万円。
(3)送金は円建ての方が有利と推測される。米ドル建てが得になるのはノルウェーの銀行において、USDのTTSレート(のマージン)がJPYのTTSレート(のマージン)より0.85%以上有利に設定されている場合のみ。

[1] http://www.forex.no/

*1 国や両替する場所によっては、TCより現金のレートの方がよい場合もある。
*2 現金買いレート(FOREX buys banknotes)と現金売りレート(FOREX sells banknotes)を足して2で割れば中間レート(仲値、TTM)またはそれに近い数字になる。それと現金売りレートの差を求め、中間レートの数字で割ればNOK→JPY(あるいはUSD)片道のマージンの割合が出る。
*3 さらに中継銀行や受取銀行が手数料を徴収することもある。

参考URL:http://www.forex.no/
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この回答へのお礼

Umada様
とてもわかりやすく丁寧なご回答をありがとうございます。
お礼が大変遅くなり申し訳ありません。
(アドバイスがないと思い諦めていました。)
日本へ持ち帰る額は日本円で80万円ほどです。
送金の際JPY建てだと日本で受けるときの手数料がとても高いと聞いていますが、Umada様のアドバイスを参考にし、いずれかの方法に
決めたいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/11/27 05:01

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