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 金庫株が解禁になりました。(・・・と言っても、内容は殆ど理解していませんが。)

 零細の同族会社ですが、お陰様で業績は良く、当期で17期目になりますが、15年間赤字決算をした事が無く、自己資本比率85%で、株価の約16倍の資産があり、今期の配当は15%を実施しています。

 上記の会社に問題の株主が居まして、本人から会社が、額面の3~4倍で購入(売価の合意自体は可能と考えます)し、次に売却先が見つかるまで長期に保有すると言うようなことが可能でしょうか。

 売買価格などに制限がありますでしょうか、また税法上はどうなるでしょうか。 一概には判断が出来ないと思いますが、お知恵を貸して戴きたいとおもいます。

A 回答 (1件)

 以下、一般論として申し上げます。


 結論的には、ご質問のような自己株式の買受けは可能ですが、売買価格に一定の制限がありますので、ご留意いただくことが必要です。

1 金庫株とは
 金庫株とは、株式会社が自己株式の保有を継続することをいいます。

 平成13年改正前の商法211条は、株式会社が自己株式を取得した場合には、相当の時期に処分することを義務づけていましたが、今次の改正により、その規整がなくなりました。
 このことを、「金庫株の解禁」と表現しています。

2 自己株式取得の規整について
(1) 買受けの手続
ア 定時総会の決議(商法210条1項)
 臨時総会の決議によることはできません。
 決議事項は、以下のとおりです(同条2項)。
・ 買い受けることができる株式の種類、総数、取得価額の総額
・ 特定の者から買い受ける場合は、その売主を誰にするか(この場合、上記の事項も含め、特別決議(同法343条)によらなければなりません(同法210条5項)。)

イ 買受けの実行
 買受けをなし得るのは、決議後最初の決算期に関する定時総会の終結の時まで(決算期間を1年とする株式会社であれば、翌年の定時総会の終結の時まで)です(商法210条2項1号)。
 定時総会決議による授権がないのに自己株式の買受けがなされた場合には、関与した取締役等は、5年以下の懲役に処せられます(同法489条2号、486条1項)。

(2) 取得財源等の規整
ア 取得財源の規整
 取得価額の総額(上記(1)ア)をT、利益配当限度額(商法290条)をL、当該定時総会で定めた利益配当額をR、当該定時総会で定めた資本組入額をSとおきますと、
     T≦L-(R+S)
でなければなりません(商法210条3項)。

イ 期末の財産状態の予測からの規整
 買受けがなされる営業年度の期末において利益配当限度額がマイナスになるおそれがあるときは、取締役は、買受けをすることができません(商法210条の2第1項)。

3 譲渡制限株式の売渡請求との対比
 定款により株式譲渡制限(商法204条1項但書)をした株式会社においては、取締役会は、株式の買受者として会社を指定することができます(同法204条の3の2第1項)。
 この場合、総会(臨時総会も可)の特別決議(同法343条)を経て買い受けることになります。

 取得価額をP、当該営業年度の中間配当限度額(同法293条の5第3項)をL'、売渡請求時点までになされた中間配当額をR'とおきますと、
      P≦L'-R'
でなければなりません(同法204条の3の2第7項。同法204条の3第2項による供託額をPとおいたときにも、同じ不等式が成り立つ必要があります(同法204条の3の2第5項)。)。

 御社が定時総会を近々予定されているのであれば、買受者指定請求や供託などの煩瑣な手続がない点で、上記2の手続をお勧めします。

4 税務・会計上の問題
 金庫株は、貸借対照表上、資産から控除すべきと考えられています。
 その他の税務上の問題は、自己株式以外の財産を会社が購入する場合と同様であろうと思われますが、念のため、税理士にご相談になることをお勧めします。

 ご参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

 ありがとうございました。
 かなり詳しく答えて戴き感謝しておりますが、如何せん直ぐに理解出来る様な知識がありません。 プリントアウトしてじっくり読ませて戴きます。

お礼日時:2002/05/23 08:56

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