No.8ベストアンサー
- 回答日時:
素粒子は、粒子のように振る舞うことも、波動のように振る舞うこともありません。
それは、位置や運動量、あるいは、振動数や波長という物理量をもつことで、粒子性や波動性もつのです。粒子像や波動像は、素粒子の一面に過ぎません。素粒子は、これらの性質を持ち合わせている”何か”なのです。>波が収縮すれば本当に粒子のように振舞うのか?
波が収縮するということ自体が、位置が確定するということであって、これが粒子性の表れなのです。
遅くなってしまいましたが、ご回答ありがとうございます。
やはり、腑に落ちない点が残ります。
もう少し自分で勉強してから、まだ腑に落ちなければ質問させていただこうと思います。
No.7
- 回答日時:
コンプトン散乱を受けた光子をダブルスリットに通せば、やはり干渉模様が浮かび上がってきます。
具体的な実験設定は難しいと思いますが、これは何回繰り返しても結果は変わりません。量子力学的な粒子の振る舞いは、波動関数によって規定されます。粒子は空間を波として伝わりますが、位置を測定すれば波の収縮が起こります。そして、この一点からまた波として空間を伝わるのです。この回答への補足
よく本などにはそのように書いてあるのですが、波が収縮すれば本当に粒子のように振舞うのか?粒子のように振舞うと言うとそれはやはり波の一形態?
それとも粒子と言うものは波が収縮したものなのでしょうか?
なぜ、再び波に戻るのか?
疑問は絶えません。
No.6
- 回答日時:
>たぶん、そんな実験は無理だと思いますが。
波動性と粒子性を示す実験を交互に行うというのは、具体的にはどういうことでしょうか?
>勉強すればするほど不思議なのですが…。
量子力学の創立者の一人、デンマークの物理学者ボーア(Neils Henrik David Bohr, 1885~1962)は、「もし、量子力学を一度も奇妙だと思ったことがないのなら、その人は、量子力学を本当に理解してはいないのだ」という言葉を述べています。また、量子力学のもうひとつの定式化である経歴総和法の創始者、アメリカの物理学者ファインマン(Richard P. Feynman, 1918~1988)は、「量子力学を本当に理解している人などいないのだ」と述べています。
所謂、ダブルスリットの実験について、ファインマンは、これを「全ての量子力学な効果を理解するカギ」と述べています。ダブルスリットの実験は、理論的には、全ての量子力学的な粒子(イギリスの天文学者エディントン(Arthur Stanley Eddington, 1882-1944)は、これを波粒(wavicle, ウェーヴィクル)と名付けました。)で行うことができます。実験的には、原子、小さな分子、最近ではフラーレンC60で成功しているそうです。オーストリアの物理学者ザイリンガー(Anton Zeilinger)は、ウィルスでも実験できる、と言っています。(参照、日経サイエンス2001年5月号)
ボーアは、量子力学の哲学的基礎として、相補性原理を提唱しました。波と粒子というような互いに排他的な描像が補い合って一つの像を描くというわけです。ダブルスリットの実験では、どちらのスリットを通ったか、すなわち、経路という粒子の観点は、干渉模様という波の観点と互いに排他的です。
>ANo.#4
ボーア自身は、量子力学を単なる計算手段と考えたかったようです。つまり、量子力学は、物理的な実在を記述しているわけではないというわけです。観測問題とは、波動関数の収縮がいつおこるか?ということですが、この物理的なプロセスは、明らかにされていません。また、波動関数の収縮が現実に起こっているのか?ということにも疑問があります。
この回答への補足
例えば、コンプトン効果(粒子)によって散乱した電磁波をダブルスリットの実験(波動)において干渉を観測する・・・
どうやったら、何回も続けられるのでしょう・・・?
でも、これだけでも散乱した電磁波をうまく二つのスリットに通し続けられるのかなどの問題が生じてくると思うので無理だと思ったのですが。
No.5
- 回答日時:
こういう問題を「観測問題」といいます。
町田茂さんと並木美喜雄さんの「多ヒルベルト空間理論」は、観測問題の決定版だと彼らは主張していますす。
私もなるほど~と納得したので、一度読んでみるのもいいかもしれません。
もっともその後の発展は私は知りませんけど。
>たぶん、そんな実験は無理だと思いますが。
いや、恐ろしいことに(!)、そういう実験はすでに行われています。
光子が光源から発射された後、スリットに光子を投入する前に、
スリットを2つにするか、1つにするかを
実験者が決めるとします。
すると、スリットが2つの時はちゃんと干渉縞が観測されるのに、1つのときは観測されません。
以下の参考文献は、並木美喜雄さんのものですが、
非常に読みやすい(つまり、数式があまり出てこない)観測問題の解説になっています。
参考文献:1991年6月「数学セミナー」
p.38 「はかれる?量子世界の観測と測定」
そんな実験が行なえるとは・・・?
と言うことは、やはり粒子性と波動性を持っているということですね。
僕としては「何か不安定な状態があって、その実験によってその状態が確定されるとかだったら面白いかな。」とか考えてました。
でも、その実験自分でやってみたいなぁ・・・・。
ご回答ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
状態の概念と状態の確定についての質問だと思います。
私も前から不思議に思っていたので
回答ではなく便乗質問なのですが(おいおい!)、
kusakabe66さんのシュレーディンガーの猫の説明で
>この放射線を検出するカウンタに放射線が届いた時点で波束は収縮しており
は一番常識的な解釈だと思います。しかしながら、
マクロに波動関数の位相が拡散して状態が確定するというような考え方は
現象論的に説明を与えるとは思いますが、
物理法則とまではいえないような気がします。
なぜなら、ある意味、何も説明していない。
というかマクロな波動関数の確定に関する
解釈が明確でないため検証する実験が無い
、と私は思います。
たとえば、上の例であればカウンタ自体の波動関数を考えると
何をもってカウンタの状態が確定したというのでしょうか?
標準的な考え方がもしあればどなたかご教授くだされば幸いです。
No.3
- 回答日時:
kusakabe66です。
>縞模様が出来たからと言いなぜそれが干渉した結果だと言えるのでしょう?
一つのスリットでは発生しませんが、スリットを二つにすると縞模様は発生しますね。この現象を干渉と呼んでいるだけですが。
>水の波なら、干渉している過程が見れます。しかし、光のその過程は観測すると結果が変わるのでしょう?
その通りですね。光に限らずミクロな対象を扱うときはそうなります。水と違って過程が見えないことが不安ですか? 流れている電流を見ることが出来ないのとどこか違いますか?
>それは干渉という現象を知っているものからの帰結なだけで、他の可能性を疑うことは出来ないのでしょうか?
疑ってももちろんかまいませんが、干渉以外に妥当な考えをお持ちですか?
古典論と量子論は、“あらゆる物質がミクロな粒子から出来ている”という立場から、ある程度関連が無ければいけません。古典論の時代から行なわれてきた干渉という現象と極めて類似した現象があり、古典論の波と同様に重ね合わせて計算できる以上、この量子論での現象を古典論と同様に「干渉」と呼んでも差し支えないと思いますよ。
No.2
- 回答日時:
それには2スリット実験が適しています。
電子銃から電子を打ち出し、平行に並んだ二つのスリットを通過したあとフィルムに点が現れます。この点が電子が届いた場所です。ここでは粒子性が現れています。
これを、打ち出す電子の数をどんどん増やしてやると、もちろんフィルム上にたくさん点が増えていくのですが、これが徐々に、光についてヤングの干渉実験をしたときのように縞状に集まっていきます。これは光のような波動性に他ならず、量子論以前の理論では説明できませんでした。
これは、光を干渉させる実験(波動性)から一度に出す光子をどんどん減らしていき、一つずつ打ち出すようにした場合にも電子銃のときと同様の結果が得られます(光の粒子性)。
ところで、これをスリットの片方を塞いで一つにすると、今度は電子銃-スリットの延長上にだけ点が存在すると言う結果が得られます。これは穴に向かってボールをたくさん落とす結果と一致しており、ここでは波動性は完全に消えています。つまり、干渉縞を得るためには、例え一度に打ち出す粒子が1つでも、スリットは2つ必要なのです。
すなわち、波動性と粒子性は同時に現れます。
この2スリット実験で明らかですが、量子力学はこのような古典論のみでは説明のつかない現象を説明するためにうまれたものです。2スリット実験で“どこの位置に粒子がくるか”というものを確率であらわし、この確率自体を波動関数の絶対値の2乗すなわち|ψ|^2であらわします(ですからψは本質的に複素数が許されます!)。また、観測にかかる部分は常に|ψ|^2で実数しか出てきません。
こういった基礎からの理解には町田茂の「基礎量子力学」をおすすめします。
ところでntaさんが仰っているシュレーディンガーの猫ですが、「箱の中の猫は生きていると言う状態と死んでいると言う状態の重ね合わせである」という、シュレーディンガー自身による批判は、今はもう、単なる誤解であると言ったほうがよいでしょう。t秒ごとに1/2の確率で崩壊する放射性物質で、この放射線を検出するカウンタに放射線が届いた時点で波束は収縮しており、ここから先は「毒を発生させる装置へ電流を流す」というマクロな範囲の話になります。
ですから、重ね合わせ状態が保たれるのはカウンタで検出するまでになり、箱の中の猫は「単に生きているか死んでいるかわからない」にすぎません。
この回答への補足
ヤングの干渉実験ですが、それはファインマン物理学などにも書いてあり有名ですが縞模様が出来たからと言いなぜそれが干渉した結果だと言えるのでしょう?
水の波なら、干渉している過程が見れます。しかし、光のその過程は観測すると結果が変わるのでしょう?
それは干渉という現象を知っているものからの帰結なだけで、他の可能性を疑うことは出来ないのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
「ヤングの干渉実験」と呼ばれる実験があなたが考えている実験に近いのではないかと思います。
2つの小さい穴を通過する前は中性子は波であったはず。ところが通過後は干渉縞がなくなってしまい、粒子像が現れるという結果ですが、その粒子はどちらの穴を通過したのか確定できるのか?物理学者はこれを確率論で議論し、波動関数の収縮という議論をして最後にはマクロ系での観測問題に帰着させているわけです。
私は常識的には不可思議な事実をどういうふうに理解するかという「提案」のひとつが量子力学の解釈だと理解しています。それを受け入れるのか、それとも新しい解釈を求めて研究するのかはあなたの哲学的なスタンスに関わる問題だと思います。量子力学には「シュレーディンガーの猫」のような困難な解釈問題も残されており新しい発展が必要なのです。
参考URL:http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/rel …
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