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実際のディーゼルエンジンのサイクルは一般にサバテサイクルに置き換えられますが、実状ではなぜ定容変化が存在するんですか?ディーゼルサイクルでは、つまり吸熱過程は定圧変化のみでは実現しないのですか?教えてください、お願いします。

A 回答 (4件)

エンジンのシャフトには慣性負荷がつながっているので、クランクは一定の速度で回転しようとします。

 このときシリンダ容積の時間あたりの変化量は、死点付近で最低になります。 ディーゼルの燃料噴射は上死点で始まりますが、シリンダ容積の増大より燃焼熱量の増大のほうが遥かに速いので、定容変化で近似されます。
時間あたりのシリンダ容積の増大量と燃料の噴射量を比例させれば、定圧変化のみに近似できるでしょうが、制御が難しくなるだけであまりメリットがないでしょう。

この回答への補足

つまりはディーゼルなど実状エンジンでは点火遅れを施すため、TDC前の燃焼による圧力上昇が圧縮過程における容積の減少速度より遥かに大きいため定容変化に近似されるのですね?また、定圧変化にさせるため燃料の噴射量をどのように制御しているんですかね?定圧にすることで全体の仕事を増やそうとしているんですかね?すいません、返答ください!

補足日時:2002/06/20 23:58
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サバテサイクルに近似されるのは、点火遅れとは関係がありません。

 定容変化,定圧変化が起こっているのは、断熱圧縮完了後なので圧縮過程における容積変化とは関係がありません。 シリンダの容積がサイン曲線を描いて変化している時点で、サバテサイクルに近似されます。(厳密には定容,定圧の変化を曲線でつなぐべき)

No.1で「やってもメリットがないでしょう」と回答したとおり、燃料の時間あたりの噴射量の制御はしていません。 噴射バルブが開くだけで、スイッチのON/OFFと同じようなものです。 オットーサイクルでは点火以前に燃料が全部シリンダの中に入っているので一気に燃焼が進むのに対し、ディーゼル機関では燃料を徐々にシリンダに注入していくので、燃焼にかかる時間が長くなり、結果的に定圧変化に近似されるだけなのです。

「理論サイクル」というと「理想サイクル」と受けとられがちですが、あくまで近似です。 各々の変化過程を明確にすることにより、計算しやすくしているわけです。(計算しやすいといっても、難しいことは難しいですが)

この回答への補足

つまりピストンの動きであるサイン曲線を元に、計算しやすく近似するということですね?ですが、定容変化部分はサイン曲線の山部分ですよね?この部分がP(圧力)-T(時間)曲線においてP軸を通過するところに当たるわけで圧力変化が最も激しく起こるため、定容に近似されるわけですね?

補足日時:2002/06/24 20:49
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> ピストンの動きであるサイン曲線を元に、計算しやすく近似するということですね?


そのとおりです。

> 圧力変化が最も激しく起こるため、定容に近似されるわけですね?
確かに圧力の変化が最も激しく起こっていますが、定圧比熱/定容比熱の質問でも回答したとおり、外部に仕事をしたかどうかのほうが重要です。 単純にサイン曲線の山部分は、容積の変化が少ない(外部への仕事が少ない)から定容変化です。(基礎を見なおしたほうが良いと思いますが)

この回答への補足

まとめると、ピストンがサイン曲線を描いて断熱圧縮していき、TDC近くになると容積変化が小さくなり(この時点で定容近似)、それまでに噴射した燃料が着火することで急激な圧力上昇が発生し、TDCで完全定容、TDCを超えた直後も容積変化が小さく、かつ最大圧力を得るので結果、これまでを定容変化とみなせるということですね?その後は膨張、熱供給の減少により圧力が減少しないように燃料噴射量を徐々にあげて吸熱量を増やして定圧変化にすることで、最大圧力による仕事を増やすということですね。
 話は変わって、断熱圧縮をするという意図は、圧力をあげることによって酸素密度を増やすということなんですかね?または熱効率をあげるためですか?

補足日時:2002/06/25 23:38
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一般的に高速ディーゼル機関(乗用車用など)はサバテサイクルに近似でき、低速ディーゼル機関(舶用など)はディーゼルサイクルに近似できます。


高速ディーゼル機関に定容変化が存在する理由は、着火送れ期間に密接に関係があります。高速ディーゼル機関は1サイクル開始から終了までの期間が短い(2500rpmの機関なら48ms)ために必然的に噴射期間も短くなります。それに対して、着火遅れ期間(1~2msくらい?自信ありません)は、回転数によってそれほど変わらないため、着火遅れ期間中に噴射される燃料の割合が増えます。そうなると、着火と同時に着火遅れ期間中に噴射された燃料が一気に燃焼するため、シリンダ内の圧力が急激に上昇し、定容変化に近づくわけです。
それに対して低速ディーゼル機関では1サイクル開始から終了までの期間が長い(詳しくは分かりませんが2s以上?)ため、燃料噴射期間に対して相対的に着火遅れが短くなるため、それほど急激な圧力上昇はなく、噴射期間中は定圧変化に近づくのです。
定圧燃焼に近づけるための噴射量の制御についてですが、あまりやられていないのが現状ではないでしょうか。(出力制御の為の噴射量制御は当然やっています)理論サイクルに近づけて熱効率を上げるということは現在では二の次で、有害排気物質の低減などに照準を絞った噴射の制御が一般的ではないかと思います。
余談ですが、騒音の観点から、定容燃焼(急激な圧力上昇)も避けたいというのが、現在のディーゼルエンジンの流れです。
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この回答へのお礼

分かりやすく説明していただき感謝します。船舶などのエンジンは大型のため完全燃焼(実際は違う)するまでの時間が長いため急激な圧力上昇は起きない、すなわちTDC付近でも圧力上昇は穏やか。故にディーゼルサイクルに近似できるということですね。

お礼日時:2002/06/26 01:00

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