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- 回答日時:
墨染めの衣を着るのは遺族も同じで、僧侶の服は、たとえば「紫衣事件」に見られるように、位によって衣の色が決まっていて、そのなかに黒があるということになります。
この場合の黒は、ご存知のように今はかなり濃い黒になっています。仏教がインドから中国へ渡ってきた時点では、僧侶は袈裟を着るものだったのですが、インドに比べて中国は寒いので、さらに衣も着ることにして、なるべく質素なものをということで、泥染めの衣を着ていたようです。それが手近にあって染めやすい材料として墨を使うようになり、僧侶の服の基本になったのです。
そのうち、日本では絹糸を黒で染めると、七色に光ることから、僧侶の尊貴さを表すともとられるようになったようです。
一方、遺族の着る墨染めの喪服ですが、唐の習慣に倣ったもので、奈良時代の令で規定されたそうです。本来の唐での規定は「錫」で、これは灰汁処理した目の細かい麻布だったのが、日本では錫色(ねずみ色)と解釈され、薄墨の服を着ることのなります。
これが、平安時代くらいには、色の濃さの濃淡で、死んだ人との血縁の親疎を表現するという習慣までできてきます。源氏物語にも、血縁のことがあるので自分は薄墨の衣を着ているが、他の人が着ている濃い黒の衣を自分も着たいくらいだという内容が記述されていたりします。
なんだか、ばらばらとまとまりのない記述になってしまいましたが、私の知る範囲では以上です。ご参考までに。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/05/08 00:15
大変詳しいご説明ありがとうございました。服飾関係の中でも、僧侶の服装はあまりまとまった本が見つからず(きっと専門書はあるのでしょうけど・・)、ネットで検索してもこれだけ詳しい情報は出てこなかったです。ありがとうございいました。
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