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現在のHPLCは順相より逆相のほうが主流であるということを本で読んだのですが、これはなぜなのでしょうか?

A 回答 (2件)

液クロの基本原理は、吸着相(シリカゲルなど)と移動相間での分析物質の分配によります。

移動溶媒に溶けにくいものは、吸着相側に強く引き寄せられ、なかなか出てきません。
吸着相に用いられてきたシリカゲルやアルミナなどは、ご存知のように水などに溶けます。つまり、従来のタイプ(順相)とは、移動相に用いられる溶媒がヘキサン~酢酸エチル程度の低極性溶媒に限られていました。分析したい化合物がこれら低極性溶媒に溶けにくい/難溶性などの場合、カラム内に捕捉されたまま出てこず、分析出来ません。
逆相カラムとは、吸着剤の表面を色々な化合物で装飾することで、移動相に水やアルコールなど極性の高い溶媒を用いることが出来るようにしたものです。アセトニトリルやメタノール、水などが用いれる時点で、多くの化合物を溶解させられる事がおわかりでしょう。移動相の極性で分類するならば、順相:無極性~低極性、逆相:中極性~高極性、となるのですが、実質的に網羅する極性の範囲としては、逆相のほうがずっと広いのです。また、分析対象が低極性物質だったとしても、移動相の溶媒に少しでも溶解するならば、逆相で分析可能です。移動相(溶媒)と吸着相(充填剤)の双方に追い出されながら、カラム内を進んでくるとイメージすれば、考えやすいのでは。
極性等の効果をさらに増幅する為、塩(イオン)の添加などもよく行われます。順相では、当然無理ですね。
なかなかに良い事が多いのですが、順相で分析可能な化合物は、なるべく順相で分析するのを好む人が多数います。それは、逆相の場合
(1)移動相が混合溶媒になる場合が多く、調合の誤差による影響が大きい。(つまりは、多用な極性に調整出来る事の裏返しです。)
(2)液の粘度が高くなるので、流せる溶媒の量が少なくなる。(圧力が高くなってしまうため。) また元々は順相で用いられる充填剤を修飾により(無理やり)逆相で用いれるようにしている為、強度は低めである。カラムの価格は高めである。
(3)TLC板などで予備的に検討が出来ない(順相なら可)。
(4)分析に要する時間が長くなる。
等の理由によります。技術的に優位なのは明白なのですがね。
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順相:脂溶性化合物の分離


逆相:水溶性化合物の分離
私の研究分野からの観点:
合成、天然ともに面白い生理活性(薬理活性)を示す化合物には水溶性の物が非常に多くあります。
昔の技法では、分離できなかった化合物が逆相カラムの開発で可能になり、今後ますます自然界や生体内活性成分は水溶性の化合物が主流となっていく物と考えております。
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