No.2ベストアンサー
- 回答日時:
バイオエタノールで最も進んでいるのはブラジルです。
自分の国でサトウキビが取れるので、昔からサトウキビを原料にしてエタノールを作っていました。これを自動車に入れ始めたのは1920年代からです。当時、ブラジルの財政は破綻状態にあり、外国から原油を買うお金がなかったからです。当初は、自動車のエンジンがかからないとか、砂糖の値段が上がると農家が砂糖を出荷してエタノールを作らないので、自動車燃料がなくなってしまうとか問題があったようですが、その後、自動車も改良され、政府の強い指導もあって、問題がなくなってきました。
今は、ガソリンに20%から25%のエタノールを混合することが義務付けられていて、ガソリンはすべてエタノール入りになっています。100%エタノールで走れる車も普及しつつあります。
米国は1970年代のオイルショック時にエタノールを入れ始めました。これは米国がイスラエルを支持していたので、敵対するアラブ諸国から原油を輸入できなくなったためです。その後、エタノールやMTBEに大気汚染防止効果のあることが分かって、一部の地域ではエタノールやMTBEの混合が義務付けられました。ところが近年になってからガソリンスタンドからもれ出たMTBE(日本で使われているETBEとは違います)が地下水を汚染するという事故があり事実上MTBEの使用が禁止されたため、その代わりとしてエタノールの使用が増えてきています。さらに、今年ブッシュ大統領がガソリンの20%をエタノールなどに置き換えていくことを宣言しており、今後もエタノールの使用は増えていくものと思われます。米国ではエタノールは10%まで混合することが許されていて、E10と呼ばれています。全米のガソリンの40%くらいがE10になっています。
欧州ではスウェーデンが1970年代からエタノール85%の燃料を試験的に使い始めましたが、現在はE5になっているようです。最近になってスペインやフランスが余剰農作物対策としてエタノールからETBEを製造して使っています。ドイツは当初、エタノールで始めましたが、いろいろ問題があるためETBEに変更しました。欧州ではエタノールなら5%、ETBEなら15%までの混合が許されていて、EU全体で自動車燃料に1.4%程度のバイオ燃料が添加されています。(自動車燃料の約30%がバイオ燃料入りになっています)。2010年までにこれを5.75%まで増やしてゆく予定です。
そのほか、中国やインドなどでもエタノールを使い始めています。
なお、日本ではエタノールやETBEを地球温暖化対策として使っていますが、海外では農業振興(欧州、米国)やエネルギー源の確保(米国、中国)が主な目的となっています。
細かく説明していただいて助かります。これだったら、このまま原稿として使えそうですね(笑)(自分の言葉に直します)本当にわかりやすいです。貴重なお時間を割いていただいてまで本当にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
ネットで調べれば数限りない話が出て来ますので、使用に限定して大づかみで纏めます。
現在世界中で約4000万Klのバイオエタノールが消費され、その内2700万Klが燃料として使われています。
京都議定書の目標達成の為にはバイオ燃料の使用が必須とされていますが、バイオ燃料にはガソリンの代替えとしてバイオエタノール、軽油に対しては植物油系メチルエステルが対応品となっています。
京都議定書で目標が定められたEUでは、全域平均で自動車燃料へのバイオ導入率2010年に5.75%としていますが、そのためには当然両方の使用が前提です。一般的に通常車に対するバイオ燃料の直接混合は、5%までなら悪影響なしとされているので、EUの全平均は対応車の流通が前提となっています。バイオ導入目標は、京都議定書の対象先進国だけでなく、東南アジアなどの諸国も独自に定め発表されています。
バイオエタノール使用に話を限ると、直接混ぜる方法とETBEと言う加工物で混ぜる方法がありますが、後者は仏一部と独・スペインのみでしか行われていません。
ブラジルを初めとする農業大国は、京都議定書以前よりエタノール混合ガソリン(ガソール)を使用していましたが、議定書を批准しなかった米国も、MTBEという添加剤使用が禁止された時点で、大半の州がエタノール混合を進めて行きました。ETBEは豪州で使用禁止されている他、米国でMTBEをETBEに切り替えた一部の州(加・ミネソタ州)でも、エタノールへ切り替えられています。
アメリカは京都議定書に加入してないからそういうことにも全然取り組んでないとおもっていましたが、そうでもないんですね。とても助かりました。ありがとうございました。
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