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時代劇などで、物事を了承したときに
「合点承知之介」って答えることがありますが(字は違うかも)、
なんで「合点承知」のあとに「のすけ」ってつけるんですか?

「のすけ」っていうからには、人の名前ですよね。
「しょうちのすけ」とか「ちのすけ」とかいう人がいたんでしょうか?
それとも何となく語感がいいからとか...。

ご存知の方、ぜひよろしくお願いします。

A 回答 (2件)

誰かの名前というのではなく、語呂合わせとか、リズムを取るための


言葉遊びのようなものだと思われます。
たとえば、「~~どこにあるか知らない?」と聞いたときに
「知らぬ知らぬの存ざえ門」って、亡くなった祖母が笑いながら言っていました。
私が子供の頃、藤田まことさんがやっていた「てなもんや三度笠」の決まり文句
「あたり前田のクラッカー」みたいなもんではないでしょうか?

ウチに配信してもらっているメルマガに、そういう特集がありました。
「付け足し言葉」というらしいですよ。
↓にその一例をあげておきますね・・・

驚き桃の木山椒の木(おどろきもものきさんしょのき)
あたりき車力よ車引き(あたりきしゃりきよくるまひき)
蟻が鯛なら芋虫や鯨(ありがたいならいもむしゃくじら)
嘘を築地の御門跡(うそをつきじのごもんせき)
恐れ入谷の鬼子母人(おそれいりやのきしぼじん)
おっと合点承知之助(おっとがってんしょうちのすけ)
その手は桑名の焼蛤(そのてはくわなのやきはまぐり)
何か用か九日十日(なにかようかここのかとうか)
何がなんきん唐茄子かぼちゃ(なにがなんきんとうなすかぼちゃ)
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この回答へのお礼

そうですか、付け足し言葉というんですね。
納得しました。
一例もとても参考になりました。いろいろあるんですね。
私、3つしか知りませんでした。

回答、どうもありがとうございました。

お礼日時:2002/07/12 14:10

 


これは、広い云い方では「地口」と言い、江戸時代に非常に流行しました。「合点承知之介」というのに似たものは、「冗談は由之介」というようなものがあります。

「合点承知」の場合は、前の表現に関係なく、付け足しているようですが(ただ、「承知した、俺は、合点承知之介だ」というような意味で地口になっているのでしょう)、「冗談は」の場合は、「冗談はよしてくれ」と続く所を、「よしてくれ」の代わりに、「由之介(よしのすけ)」となっているのです。

「その手は桑名の焼く蛤」というのは、桑名の名産が、江戸時代は蛤で、東海道の旅行をすると、桑名の焼き蛤を食べるのが有名だったのです。「その手は食わない」という処を、「食わない」を「くわな(桑名)→の焼き蛤」と続けて、地口にしたものです。

「恐れ入りやの鬼子母神(きしぼじん)」というのも、「恐れ入った」というのを、「恐れ入りま(や)した」から、「恐れ入りや→いりや(入谷)」と「や」を付けて展開し、江戸の入谷には、有名な鬼子母神を祭った像があったので、「恐れ入り→入谷の鬼子母神」と冗談を言っています。

ふうてんの寅さんが、論理的には支離滅裂だが、連想の仕方が面白い言葉を、戸板に水と語呂良く並べたてるのも地口の一種で、江戸時代は、庶民も相当な言葉の教養を持ち、俳諧、狂歌、川柳などで、遊んだのであり、たくさんの地口や面白い表現が作られ、それが、現在まで残っているのです。

「東海道中膝栗毛」などには、こういう地口が一杯載っているようです。しかし、言葉遊び的な要素は、昔からの文学の技巧にあったとも云えます。和歌で、「松」と「待つ」をかけるなどは、常套の技法でした。「そういうことも有馬山」というのは、江戸時代ですが、これも、「そういうこともあります」の最後を、「有馬山」にかけているのです。

枕詞というのも、一種の地口かも知れません。滑稽さというようなものではありませんが。「山鳥の尾のながながし夜をひとりかもねむ」などは、付け言葉が後に付くのと反対に、前に付いているとも云えます。

語呂合わせではありませんが、美人を、「何々小町」と、何々に地名などを付けて呼ぶのは、小野小町から来ていますが、「土左衛門」が水死体というのは、江戸時代にそういう名の力士がいて、よく似ていたので、そうなったのだという話があります。

明治時代に作られた、教育目的の話のなかで、登場人物の名が、その職業を表すというようなものもありました。例えば、商人の名が、金尾貯蔵(かねおためぞう)とかいうような類です。

日本だけでなく、中国にも、西欧にも、こういう言葉の冗談・洒落・地口の類はありました。

ディッケンズの「クリスマス・カロル」の主人公はスクルージと言いますが、あの名は、英語の動詞に、強欲に奪うとか何かそういう意味の言葉があり、それに音が類似しているのです。また、「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」に出てくる、狂った天才、ハンニバル・レクター博士を、「カンニバル・ハンニバル」というように呼びます。

ハンニバルは、Hannibal で、紀元前にローマと戦ったカルタゴの将軍の名前から来ていますが、カンニバルは、cannibal で、これは「食人種」という意味です。ハンニバルという人の悪い綽名で、カンニバルと呼ぶことはあるのですが、レクターの場合、文字通り、「人食いハンニバル」です。

その他、語呂合せの類とか、もっと複雑な言葉の洒落や地口が、世界中の文化であります。

>二升五合
http://village.infoweb.ne.jp/~tkoikawa/zatsugaku …
 

参考URL:http://village.infoweb.ne.jp/~tkoikawa/zatsugaku …
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この回答へのお礼

とても楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。
「よしてくれ」が「よしのすけ」になったのとは違い、「しょうちのすけ」への
展開が唐突な気がしたので、特定の人物がいる気がしていたのですが、
だいぶ納得できました。
地口、面白いですね。

回答、どうもありがとうございました。

お礼日時:2002/07/13 07:26

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