「これはヤバかったな」という遅刻エピソード

子どもの頃、はじめて聞いたときから
「随分残酷な話だなあ」
等と考えていたのですが、日本の昔話に「かちかち山」と言うのがあります。
最近改めて物語を耳にしているうちに、ある疑問が生まれました。
もちろん登場する「狸」も「ウサギ」も動物なのですから、人間と同列で裁くのは不可能なのですが、人間の言葉を発する事も出来るので、もし両方とも罪に問う事が出来るとしたら、登場人物で誰が一番悪いのだろう?また、人間に置き換えると、どのくらいの量刑なのか?と考えました。

~考えた事~
・狸はおじいさんの手で、天上からぶら下げられ、残り数時間で殺され狸汁になるとわかっていたので、おばあさんを殺めたのも正当防衛になるのではないのか?
・だが、狸は最初に何の恨みもないはずのおじいさんの畑を荒らし続けた。おじいさんの生活の糧は農業だったのだから狸は間接的におじいさん夫婦への殺害を企てていた事になるのではないか?
・おばあさんが殺された事とは全く関係ない筈のウサギが、仇と称して狸に2回も傷害を負わせ、3度目には殺害してしまうのは問題ではないか?

等と、考えれば考えるほどわからなくなってしまいました。

「もともと昔話だし、登場するのが動物だし罪は問えない」
「当時の時代を考えると・・・」
という回答を書いてしまいたくなるとは思うのですが、そこを曲げて(笑)頂いて、この質問への皆さんの回答をよろしくお願いします。

A 回答 (6件)

>正当防衛になるのではないのか?


脱出時のおばあさんの行動に依存するように思えます
刑法 第三十六条  急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

1)単にそこにいるだけで、具体的な妨害行為を行わなかった
侵害自体が行われていないので、防衛しなければならない状況ではないため、正当防衛には全く該当しません。よって、第百九十九条(殺人)が相当でしょう。
2)再捕獲をしようと、追い掛け回した
身体の自由と言う権利が不正に侵害されそうであり、かつ具体的に急迫した危険があるので、正当防衛の条件は当てはまります。しかし、殺害行為が“やむを得ず”に該当するかどうかは議論の余地があるでしょう。もし該当しないのであれば、殺人ですし、過剰と判断されれば過剰防衛でしょう。
3)再捕獲をあきらめ、直ちに狸汁にしようと、包丁をもって追いかけた
これは、まさに正当防衛に当てはまるし、防衛の結果殺害にいたってもやむをえない状況かも知れません。

>畑を荒らし続けた
該当しそうな項目を列挙すると、
第二百三十五条(窃盗)
第二百六十一条(器物損壊等)
第二百三十四条(威力業務妨害)“農業の業務を力で妨害した”
が考えられると思います、殺害の意図をもって威力業務妨害を行ったと考えるのには少々無理があると思います。

>ウサギが、仇と称して
これは、(1)背負わした薪に火をつけた、(2)1で負った火傷に効くと称して、カラシミソを塗りつけた、(3)泥舟に乗せて沈めた、と記憶しています。そうすると、
(1)は、第百九十九条(殺人)の第二百三条(未遂)でしょうね、背中に薪を負わせて、火をつけることで死亡する結果を引き起こさないと考えていたと言うのには無理があるでしょう(もし、無理がなければ、障害の既遂でしょうね)
(2)は、第二百四条(障害)の既遂、目先の変わったところでは
医師法第十七条  医師でなければ、医業をなしてはならない。
が該当するでしょう。
(3)は第百九十九条(殺人)の既遂、ちょっとひねって
刑法 第百二十六条(汽車転覆等及び同致死)
現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。
3  前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。
は、どうでしょうか。

実は、第百二十六条、汽車転覆等致死罪は殺人罪より重い(選択が死刑か無期しかない)です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
実際の法律に照らし合わせて答えて頂くと
とても説得力がありますね。
それにしても殺人罪より重い罪があるとは知りませんでした。

お礼日時:2007/07/13 00:07

おじいさんについてですが、まず明白なのは



第二百二十条 (逮捕及び監禁)不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
第二百二十二条(脅迫)生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
“狸汁にして食う”と言っているので、まさしく“生命又は身体”への害の告知にあたるでしょう。

同様に、“生命若しくは身体に対する加害”=“食う”なら、以下も該当するでしょう。
第二百二十五条(営利目的等略取及び誘拐)  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
次に、“狸汁にされそうになった時”、狸が未成年であれば、

第二百二十四条(未成年者略取及び誘拐)未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

ちなみに、余談ですが、本一連の事件では、被害者にしか思われていないおばあさんですが、実は(例え、誘拐についておじいさんとの共謀が無かったとしても)、
第二百二十七条 (被略取者引渡し等)第二百二十四条、第二百二十五条又は前三条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
の犯罪を犯していると考えられます。

他には、狸を捕まえた方法ですね、
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則
十三  犬に咬みつかせることのみにより捕獲等をする方法
によると、犬に噛み付かせて捕獲することは禁止されていますよって、猫に噛み付かせてならOKです。
(熊に犬をけしかけて猟をするシーンをテレビで放映することがありますが、あれは法律違反であり、正しくは猫をけしかける必要があります)

結果としては、(誘拐関連は少々強引なので)最大でも懲役7年でしょうね。
別の考え方では、もし、例のウサギが“必殺何とか”という裏稼業を営業していたならば、殺人罪の共謀共同正犯となるでしょう。

余談ですが、実は“汽車転覆等致死罪”も、もっとも重い罪というわけではなく、現在の刑法では、

第八十一条(外患誘致)外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する

が、もっとも重い罪です、なにしろ本罪で有罪で減刑理由がなければ、刑の選択は死刑しかないのですから。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
おばあさんも犯罪を犯しているとは…
それにしても法律に関して非常に詳しいのですね。
とても参考になります。

お礼日時:2007/07/14 05:21

先ほどの投稿で結論を書き落としてしまいました。



刑法 第四十五条(併合罪)  確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

第四十七条  (有期の懲役及び禁錮の加重)併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

私の判断が正しければ、
狸の選択刑は
死刑、無期懲役又は7年6月以上の懲役
となります。
また、ウサギの選択刑は
死刑又は無期懲役

その結果(情状酌量などの減刑要件等を考慮に入れないとすると)
第九条(刑の種類)死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
第十条(刑の軽重) 主刑の軽重は、前条に規定する順序による。...
2  同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
により、ウサギが犯した罪のほうが、狸より重い結論になります。
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この回答へのお礼

更なる回答、ありがとうございます。
ウサギのほうが罪が重いのですね。
ところでおじいさんに罪はないのでしょうか?
もしお考えがありましたら教えていただきたいのですが…。

お礼日時:2007/07/13 00:14

>狸はおじいさんの手で、天上からぶら下げられ、残り数時間で殺され狸汁になるとわかっていたので、おばあさんを殺めたのも正当防衛になるのではないのか?



人間で言えば、殺さなくてもダメージを与えて
逃げるか警察に通報するのが方法としてあるので、
過剰防衛になる可能性が高いでしょうね。狸だから無理ですが。

>狸は最初に何の恨みもないはずのおじいさんの畑を荒らし続けた。おじいさんの生活の糧は農業だったのだから狸は間接的におじいさん夫婦への殺害を企てていた事になるのではないか?

人間が同じ事をした場合、殺意があるかといえば、無いですよね。
それがもとで亡くなったとすれば、死因は殺人ではなく、
餓死になると思います。ですので、狸の罪状は単なる窃盗になるかと。

> おばあさんが殺された事とは全く関係ない筈のウサギが、仇と称して狸に2回も傷害を負わせ、3度目には殺害してしまうのは問題ではないか?

現代では仇討ちや助太刀は許されていません。
当然、傷害罪・殺人罪に問われるでしょう。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
非常に理論だった内容で分かりやすいです。
タヌキを人間に置き換えて、同じことをした場合と考えればよかったのですね。

お礼日時:2007/07/13 00:01

おばあさんを騙して縄を解かせてそのまま逃げればよかったのに、


お婆さんを殺した、
そのあとおばあさんに化け殺したおばあさんの肉を「ばばあ汁」にし、
これを「たぬき汁」としておじいさんに食わせた、
そのための敵討ちで、
うさぎは助太刀をしたという事になりますよね、
昔の敵討ちには助太刀は認められたはずだし、
今の「かちかち山」のお話には「ばばあ汁」のくだりが抜けてしまってるので、
うさぎのたぬきに対する仕打ちが残酷と思ってしまうのでは?
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
そういえば昔に聞いた「かちかち山」とはどことなく話のニュアンスが違っているように感じましたが、原版(?)は更に残酷なシーンがあるのですね。

お礼日時:2007/07/12 23:59

>狸はおじいさんの手で、天上からぶら下げられ、残り数時間で殺され狸汁になるとわかっていたので、おばあさんを殺めたのも正当防衛になるのではないのか?



それなら「おじいさんを殺すべきでしょう」

・ だが、狸は最初に何の恨みもないはずのおじいさんの畑を荒らし続けた。おじいさんの生活の糧は農業だったのだから狸は間接的におじいさん夫婦への殺害を企てていた事になるのではないか?

殺意までは立証できないと思います。

・ おばあさんが殺された事とは全く関係ない筈のウサギが、仇と称して狸に2回も傷害を負わせ、3度目には殺害してしまうのは問題ではないか?

おじいさんが狸を殺しにいったら、ちょっと殺伐としすぎてる
気がしませんか?(笑)
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
確かにおじいさんの復讐の物語なら、怪談の様になってしまいますね(笑)。

お礼日時:2007/07/12 23:57

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