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金解禁(1930、浜口内閣)
金の輸出入を自由にすると、外国為替(円と外貨の交換比率)が安定するので、外国との貿易や投資が盛んになるはずでした。

と読みました。二つの疑問があります。

(1)金の輸出入を自由にすると本当に外国為替が安定しますか?
(2)外国為替が安定すると本当に対外貿易や投資が活発化しますか?

A 回答 (2件)

(1)金の輸出入を自由にすると本当に外国為替が安定しますか?


原理的には安定します。
各国家の経済よりもさらに大きな経済単位によって保証されるからです。つまり、金の交換を通じて世界経済が一つになるので大きな世界経済の中の(相対的に)小さな一国の経済は安定します。
第二次世界大戦後で言えば、圧倒的に巨大なアメリカ経済が、いくらでもドルと交換しますよ(=ドルでアメリカが買ってあげますよ、んで、ドルは金にいつでも交換します)という体制があったので、戦後の経済は歴史上例を見ないような成長を果たしました。

(2)外国為替が安定すると本当に対外貿易や投資が活発化しますか?
ということで、金に替わるドルによって、外国為替の安定による世界経済の発展は実証されています。
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この回答へのお礼

わかりやすい解説、とてもうれしいです。ためになります。
驚きなのは、ドル=金の交換無制限、はドル以外は普通ではなかったのか、ということです。そのほかの通貨では、金を買いたくても通貨では変えない、ということなんですよね(誤解していますか?)

お礼日時:2007/11/07 15:56

通貨で金は買えます。


個人の売買と、政府の売買(というか交換)では位置づけが違います。

金解禁=国家間の金売買解禁
これによって、日本の紙幣は兌換紙幣に復帰します。
金本位制でない(=管理通貨制)では、10円(まぁ戦前なのでこんな感じの単位)は日本政府が日本国内において強制的に10円の価値を保証します。
金本位制においては、10円の兌換紙幣は、10円の価値のある金と関係づけられます、つまり政府がいつでも10円の金と交換することを保証します。これによって、世界の金相場によって国内の紙幣価値が保証されるので、外国為替が安定します(と、昭和初期の金解禁の時には思った)

浜口内閣のスタンスでは
経済の安定のためには、世界経済とリンケージする必要がある。
リンケージの仕方は、金という世界共通の価値しかない。
解禁の前は、管理通貨で、紙幣を刷り過ぎちゃった
じゃ、国内の紙幣を減らしましょう
減らすと、デフレになった。<昭和初期の不況はこれが原因
今はデフレ不況で辛くても、立ち直れるぞ!

ところが、すでに経済規模と通貨量との関係は破綻が来ていました。通貨量よりも経済規模がでかくなっていたのに、世界中の人間が気づいていなかった。血液量(=通貨量)が増えないのに体ばかりでかくなって、貧血を起こしているようなものです。
→ ケインズは気づいていたようですが。
結局 日本の経済は、金禁輸して、管理貨幣制度に戻り、満州事変で軍事物資を生産させるために、紙幣をジャンジャンすることによって回復します。
→ ケインズで言うところの有効需要の創出です。
→ ナチスドイツも、ヒトラーが軍事物資の生産やアウトバーンの建造など有効需要の創出で経済回復
→ アメリカも、ニューデールという生半可な有効需要の創出では、不景気はなくならず、戦争が始まり武器貸与法により、連合国側に武器を輸出するようになってから回復します。

ということでもとの質問に戻ると

(1)金の輸出入を自由にすると本当に外国為替が安定しますか?
安定するけど、国家経済が貧血でぶっ倒れた。

(2)外国為替が安定すると本当に対外貿易や投資が活発化しますか?
ぶっ倒れた経済には投資が来ない。

ということになりました<第二次世界大戦前の日本の経済政策としては。
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