
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
酸・塩基の強・弱の分類は微妙です。
強さは物質によって連続的に変わるからです。
また溶液の濃度についても仮定があります。普通酸、塩基の強さを比較するときにはあまり濃い溶液では考えていません。0.1mol/L程度で考えています。がんばっても1mol/L程度です。
水酸化ナトリウムは強い塩基の代表です。水酸化ナトリウムはこの濃度では溶けると完全に電離していると考えてかまいませんので
0.1mol/Lでは[OH-]=0.1mol/Lです。pH=13になります。0.1mol/Lの炭酸ナトリウムで考えるとpH=11.6です。この値を水酸化ナトリウムの値と比べると弱いということになります。でも少し弱いというレベルですね。でもアンモニアよりも強いです。アンモニアの場合はpH=11.1ほどです。
水酸化カルシウムも強塩基に入っていますね。
でも水酸化カルシウムは溶解度が小さくて0.1mol/Lの溶液を作ることができないのです。常温の飽和溶液で0.02mol/Lほどです。この濃度でpH=12.6です。これは水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの間です。水酸化カルシウムはぎりぎり強塩基ということにしていますが炭酸ナトリウムは弱塩基の方がいいと思います。弱塩基のなかでは強いという理解です。「弱い」というのにはものすごく大きな幅があるのです。金属の水酸化物で沈殿するもの(溶解度の小さいもの)は弱い塩基です。溶解度には大きな幅がありますから「弱い塩基」にも大きな幅があることになります。
酸のばあいも同じことが起こります。
塩酸は強酸、酢酸は弱酸とされていますが0.1mol/LでpH=1.0,pH=2.9です。でもシュウ酸や亜硫酸、蟻酸のpHはこの間の値です。シュウ酸の場合はpH=1.2と強酸と同じと見ていいぐらいになります。でも電離度が100%ではないということで弱酸に入れているのだと思います。(第一段階の電離平衡定数の値 K1=5.36×10^2)
>炭酸イオンが一部加水分解してOH-がちょっとでるから
「ちょっとでる」というところが「ちょっと『?』」です。炭酸の第2段階の電離がものすごく弱いということで炭酸イオンから炭酸水素イオンに戻る変化が「ちょっとでなく」起こるのです。
蛇足です。
水酸化ナトリウムは天然には存在しません。炭酸ナトリウムは存在します。「ソーダ」と呼ばれていました。産業革命の時代までは「ソーダ」が強い塩基の代表でした。でももっと強い塩基が欲しいという工業的な要請で作られたのが水酸化ナトリウムです。水酸化ナトリウムが「苛性ソーダ」という名前で呼ばれていたのはこういう事情からです。ソーダとはナトリウムの意味だと思っている人がいるようですが違います。Naのことを英語でsodiumと呼ぶのは「ソーダの元」という意味です。ソーダはsodiumの省略形ではありません。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/11/09 21:59
詳しい説明ありがとうございます。
Phの具体的な値でイメージがつかめました。
炭酸ナトリウムは弱塩基の中では強い方なのですね。
炭酸の第二段階の電離とは
HCO3- ⇔ H+ + CO3^2- のあれでしょうか
たしかに電離平衡の値が小さければ、左に傾きOH-がたくさん出ますね。(間違ってたらすいません。)
雑学も参考になりました ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
炭酸ナトリウムはNa2CO3であり、Na2Co3ではありません。
この指摘を「そんな細かいこと」と思わないように。
Na2Co3だと、ナトリウムとコバルトの化合物を意味します。
元素記号を書くルールをしっかりと確認しましょう。
たしかに、炭酸ナトリウムは強塩基と弱酸由来の塩です。
しかし、その弱酸といっても、強さはピンキリです。
さらに、炭酸ナトリウムは、水酸化ナトリウム2molと二酸化炭素1molからできる塩であり、炭酸水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの等モル混合物と実質的に同じものです。
水酸化ナトリウムの影響がそれだけ強いわけですから、塩基性が十分強いと考えて差し支えありません。
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