
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
回答が遅れました。
こういうのは図があると分かりやすいので、いろいろと探してみますと、例えば参考URLの2章の一番最後の図が参考になります。これを使って説明します。
揚力は風の向きと垂直に発生するので、進行方向から風が当たっていると何も問題ありません。しかし、吹き降ろしがあると揚力の発生方向がやや後ろ向きになってしまいます(参考URLの図で言うと傾いた揚力L'です。)この力を流れに垂直な方向と並行な方向に分解すると、流れに対して後ろ向きの力が出てしまいます。これが、誘導抵抗と呼ばれるもので、翼の揚力により発生した抵抗です。翼のおかげで揚力が発生して飛行機は飛べるのですが、残念ながら抵抗も発生してしまうわけです。
ここでもし吹き降ろしを小さくするとどうなるでしょうか?吹き降ろしが小さくなると、図の機体が受けているはずのVと誘導速度によって下向きの方向を持つV'が近づいて最後は一致することに気がつくと思います。この時、傾いた揚力L'の傾きはどんどん小さくなり、流れに対して最後は垂直になります。つまり、誘導抵抗はだんだんと小さくなり最後はゼロになるわけです。
現実には吹き降ろしを完全にゼロにはできませんが、地面に近づくことで吹き降ろしが小さくなります。つまり誘導抵抗が小さくなります。
抗力は誘導抵抗ばかりではなく、機体表面と空気の間の摩擦によるものとか他にもあるのでゼロにはなりませんが、地面に近づくことで誘導抵抗の分は減ります。一方、地面に近づくと(これは先に回答しましたが)揚力も増加します。揚力が増加し、抗力が減少しているので、揚抗比はダブルで大きくなります。ですので、どちらも影響しているというのが答えです。もっとも、どっちがどれぐらい効くのかと言われれば、それはそれぞれの翼の特性の問題もあってケースバイケースです。
参考URL:http://www.aero.kyushu-u.ac.jp/birdman/introduct …

No.4
- 回答日時:
「地面効果」は、揚力を発生させた空気の跳ね返りと考える方がわかり易いかと思います。
簡単に書くと、翼に揚力が発生すると言うことは、その反作用を受けて空気は下向きに圧縮又は、同等のエネルギーを持った下向きの流れを作ります。
ところが地面近くでは、この圧縮された空気や、下向きに流れようとするエネルギーを持った空気の流れが、地面があるために周りの空気に分散することができない。従って圧縮された空気の伝播の波は地面に当たると跳ね返り、そこで上空、つまり上向きに分散しようとする。そこに翼があると、平衡状態に戻ろうと分散するエネルギーが、あたかも上へ押し上げる力のように振舞うわけです。
ちょうど壁に向かってボールを蹴ったとき、跳ね返ってきたボールが自分に当たると、壁と反対方向に倒れるでしょ。あれと同じ。
翼にかかる抗力の要因は「渦」です。特に翼端渦による抵抗は大きく、昔から翼端に燃料タンク付けたり、フロート付けたりして、発生を抑えようとしていた。
しかしこの渦も、地面が近いとうまく渦を巻かないために、ある程度の抵抗は抑えられるようです。
揚抗比の増加の要因は、抗力の低下ではなく、揚力の増加が著しいからだと思います。
上記説明で、圧縮空気の伝播の波は、決して1回で終わりではありません。
翼が地面に近ければ近いほど、伝播の波は翼と地面を何回も往復してエネルギーを分散します。
伝播の波が当たる回数が増えれば、つまり翼が地面に近ければ近いほど当然揚力は加速度的に増加します。
最終的には地面効果と言われる世界を通り抜け、「トライボロジー」の世界へ入っていきます。
「地面効果」、「地上効果」とも言いますが、空気のような圧縮性流体だけではなく、水などの液体の「非圧縮性流体」でも同じような現象が起こります。
「動圧軸受」と呼んでいますが、HDDのディスクの回転軸にも使われていて、以前よりも回転寿命が延びています。
個体同士が触れることなく受けることができるので、最近では超寿命の「軸受」に応用されています。
No.3
- 回答日時:
端的に言うと、地面に近くなると、翼の受ける風の向きが、進行方向のやや上側から、ほぼ進行方向からへと変ります。
これにより、機体の姿勢を変更することなく、(風の向きが変ることで)翼の迎角が大きくなり、揚力が大きくなります。十分な高度を持った飛行機の場合、翼が作る誘導速度(吹き降ろし)により、流れに下向きの速度が加わり、翼に当たる風は進行方向から下向きにずれます。これにより、進行方向を基準とした場合の迎角よりも、実際の迎角は小さくなっています。ちなみに、吹き降ろしができる理由は、翼のスパン方向の長さが有限なために、翼の下から上に向けて回り込むような流れが生じるからで、誘導抵抗、馬蹄形渦などのキーワードを入れて検索すると他にも色々と分かるかと思います。
地面に近くなると吹き降ろしは地面でブロックされるので、翼は進行方向からほぼそのまま風を受けることができます。これは十分な高度を持った場合と比べて迎角が増加した状態にあたります。
この角度の違いが、地面効果により揚力が増加する理由です。通常は機体の姿勢を変えて迎角を変えるのに対し、地面効果では風の向きが変るのです。
蛇足ですが、衝撃波は音速(高度、温度により変りますが、約340m/s)を超えなければ発生しません。音速を超えて地面をすれすれに飛ぶのであればNo.2さんの言うことは物理的に分からないでもないですが、そんな危ないこと誰もしないでしょうし、地面効果による揚力増加は上で説明した理由によります。
回答ありがとうございます。
揚力の増加は風と翼との角度が増えるため起こるということですね!
自分なりにも調べてみたところ新たに疑問が浮かんだためこの場を借りて質問させていただきます。
抗力の減少は吹き降ろしや翼端渦の抑制がおもな原因と考えてよいのでしょうか?
下記のサイト
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/kohama-lab/wig.html
のグラフのように揚抗比が地面に近づくにつれて急激に増加している要因としては揚力の増加よりも抗力の減少のが影響しているのでしょうか?
よろしくおねがいします。
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