留置権は、物権だから誰に対してでも主張できますよね。
その具体的場面がわからないので、次のような例を考えました。
Aさん所有の時計が壊れたため、AさんはBさんに時計を渡して修理を頼みました。
Bさんは時計の修理をしましたが、Aさんは修理代金を支払うのを拒みました。Aさんは所有権に基づいて時計の返還を要求しましたが、Bさんは留置権に基づいて、引渡しを拒みました。
時計の所有者であるAさんは、Cさんに時計を売りました。(Aさんは手元に時計を持っていませんが、売買自体は可能ですよね。)
Cさんは自己の所有権に基づいて、Bさんに時計の引渡しを求めました。
この場合、Bさんは留置権に基づいて、時計の引渡しを拒めますよね?
この設例で、法律的に間違っている記述はありますか?
ただ、この設例では、時計はBさんのところにあるため、そもそもCさんはBさんに所有権を主張できないという気がします(民法178条)。
この考えは正しいですか。
もしもそうなら、留置権を持ち出さなくてもBさんはCさんに時計を渡す必要がなくなりますよね。
なお、商法のことはわからないので、商法は適用ないものとして下さい。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>この設例で、法律的に間違っている記述はありますか?
正しいと思います。
>留置権を持ち出さなくてもBさんはCさんに時計を渡す必要がなくなりますよね。
いいえ、Bは178条の「第三者」に含まれません。
Bは単に留置権を主張している第三者に過ぎず、物権の譲渡についてはCと争っているわけでも利害関係があるわけでもありません。
誰が所有者であるかはBには関係がありません。
動産の受寄者は、民法178条の「第三者」に当たらない、という判例がありますが、それと同じことです。
かりにAが修理代金を払い、AがBに「その時計はCに売ったよ」と告げた場合、
それでもBがCに「時計を引き渡さないよ」と言えるというのは明らかにおかしいですよね。
この回答への補足
質問からだいぶ経ちましたが、まとめておきます。
#2の「蛇足」以降の回答では、質問と直接関係ないようなことが論争になっているような気がします。
質問に関してまとめると、次のようになると思います。
質問の前半部分(この設例で、法律的に間違っている記述はありますか?)に関しては、間違っていないということですね。
質問の後半
>時計はBさんのところにあるため、そもそもCさんはBさんに所有権を主張できないという気がします(民法178条)。
については、「CさんはBさんに所有権を主張できる」が答えですね。
176条によると、どこに時計があるかに関係なく、A・C間の売買によって、Cが所有権を取得します。
178条では「引渡しを受けなければ第三者に対抗できない」というのですが、
・Bは第三者か
・引渡し
の2点が問題になるわけですね?
「Bは第三者か」については、
「Bは第三者ではない」が答えだということですね。
この時点で、もう、「CはBに所有権を主張できる」という結論になります。
引渡しについては、
指図による占有移転(184条)というのがあって、
AがBに対して「Cに時計を売ったよ」と言って、Cがそれを承諾したら、Cが占有者になる、
ということですね。
ただ、この話は、第三者Bが所有権を主張する場合に問題になることということですよね。
No.5
- 回答日時:
No.1です。
いやいや、回答だけして、後を見てなかったら変な方向に行ってますね。
No.1で書いた末尾の例の「引き渡さないよ」というのは、「物理的に」渡さないということであって、
指図による占有移転もできないなんて言ってるんじゃないんですけどね。
質問者さんの質問で、「指図による占有移転はできる」なんて答えたって何の意味もないですし。
No.2の回答でも、「指図による占有移転で引渡しが可能」とありますが、
その後に、「留置権があるからこそ、Bは引渡しを拒めるわけです」とも書いてますね。
おかしいですね。AはCに「引渡し」ができる、だけどBは「引渡し」を拒める・・・。
前者の「引渡し」と後者の「引渡し」を違う意味の言葉として使ってるんでしょうね。
もちろん、後者は「物理的な」引渡しの意味ですね。
No.1で書いたのは、質問者さんの「留置権を持ち出さなくてもBさんはCさんに時計を渡す必要がなくなりますよね」
という質問に答えるもので、(質問の真意を考えれば明らかだと思いますが)後者の意味です。
結局、同じことを違う言い方で説明しているだけですね。
蛇足部分は別ですが。
No.4
- 回答日時:
#3様
確かに、私の個人的な考えなどを書いてもしかたありませんでしたね。
そんなことを書いても、判例が変わるわけではありませんから(苦笑)。
ですが、きちんと蛇足と書いた上での部分ですから、本論とは関係がないという旨は伝わったと思います。それに、判例上は#1の回答が正しいとも記載しています。まるで出鱈目な回答をしているわけではないですし、本論(蛇足以外の部分)についてはきちんと法律・判例に基いて回答していますので、そんなに目くじら立てないでくださいな。
No.3
- 回答日時:
ANo.2へ
"私は、この区別には疑問を感じます"
あなたが疑問だと思ったら、判決が変わる?
何様のつもりなのか分からんが
持論はいらないからちゃんと法律でどう解釈されるか真面目に回答しなよ。
"受寄者にだって、誰に返還すればよいのかについては利害関係にあると思うからです"
法的関係から判断すれば利害は争う余地無し!
出鱈目持ち出すのはやめて欲しいものだ。
No.2
- 回答日時:
#1の回答のとおり、質問者の前半部分の記述は正しいです。
後半部分は間違っています。時計が第三者(B)の手元にあると、引渡しを受けることはできないのか?・・・そんなことはありません。指図による占有移転で引渡しを受けることが可能です。
>もしもそうなら・・・
この部分も間違っています。留置権を持ち出さないと、Bは無権利者ですよね。178条の「第三者」には、無権利者は含まれないことはご存知のことと思います。Cが所有権を取得し、Bが無権利者であれば、そもそも対抗要件なんて問題とならずに、Cの権利主張が認められます。留置権があるからこそ、Bは引渡しを拒めるわけです。ですから、Cが対抗要件を備えたか否かに関わらず、Bは留置権を持ち出す必要があります。
蛇足:判例上は、#1の回答のとおりです。もっとも、判例は、賃借人については「第三者」にあたるとし、受寄者については「第三者」にあたらないとします。私は、この区別には疑問を感じます。受寄者にだって、誰に返還すればよいのかについては利害関係にあると思うからです。
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