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8世紀はじめにアラブ軍がアム・ダリヤ以東に進出してイスラムの
支配権を確立すると、多くのトルコ人が戦争捕虜や購入奴隷として
イスラム世界にもたらされた。
という記述がある本にあります。アラブの軍隊がこれらのマムルークを
奴隷商人から購入していたようですが、なぜわざわざ購入する必要があるのでしょうか?自分たちで強制的に連れてくる、というようなことはしなかったのでしょうか。その方が経済的にも都合がよいのではないかと思うのですが・・
。ウィキペディアを見ても詳しいところは説明されていないので、ここで質問させてもらいます。

A 回答 (1件)

>自分たちで強制的に連れてくる、というようなことはしなかったのでしょうか。

その方が経済的にも都合がよいのではないかと思うのですが・・

自分達で強制的に連れて来るほうが、コストがかかり、奴隷の忠誠心が見込められないからです。
イスラム世界において奴隷は、近世の西欧やアメリカなどでの奴隷とは全く異なる環境にありました。
イスラム世界で、コネが無い人物が出世しようとすると奴隷になるのが最も手っ取り早い方法でした。
そのため、奴隷とされた者のほとんどが、自ら奴隷となっています。
最も有名なのが、イスラムの英雄として称えられるバイバルスです。
バイバルスは、自ら奴隷となり、アイユーブ朝のスルタンに買われ、そこから才能を見出され、マムルーク朝の設立に貢献し、後にマムルーク朝のスルタンとなっています。

イスラム社会では、一族の結束が強く、外部の者がその輪の中に入るには、主人の奴隷となるしかありませんでした。
主人にしても、同じ一族であっても、いつ裏切られるか分からない状況においては、親族よりも奴隷を信頼しました。
そのため、王侯であれば総督や大臣、商家であれば番頭や支店長、キャラバンの隊長などは、基本的に奴隷にまかせました。
また、イスラムの奴隷は、私有財産を持つ事ができましたので、出世して自分を買い戻す事も行われました。
主人を出世させる事が、自分の出世にもつながるる一方、一度でも主人を裏切った奴隷は、誰からも相手にされませんでしたので、基本的に主人を裏切る事はありませんでした。
また、飢饉などの場合、一般住民よりも有力者の奴隷のほうが、生き残る確立が高かった事も、理由のひとつです。

嫌がる奴隷を使うよりも、自ら奴隷志願者を使うほうが、よっぽど効率的です。
(アラブ人は奴隷にできないため、トルコ人やエチオピア人が好んで使われました)
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この回答へのお礼

なるほど、そういう事実があったんですね。
興味深く読ませてもらいました。ありがとうございました。

お礼日時:2008/02/11 19:21

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