
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
区別できないから、確率振幅が干渉します。
実際に個性があったとしても、区別する術はないと思います。
それは、個性がないということと同等です。
手持ちの本にこんな記述があります。
「そこで自然界に実現されている状態は、粒子数のいかんにかかわらず、そのうちの任意の2個の同種粒子のいれかえに対して対称か反対称な関数で表される状態だけであると仮定する。この仮定が正しいか否かは、この仮定から導かれる結論が経験と矛盾するか否かによって決まる。現在までのすべての経験事実は、この仮定が正しいことを示しているのである。」
ありがとうございます。
お手持ちの本の深遠な内容、今の自分のお悩みを解決するとてもいいヒントになりそうです。
任意の同種粒子2つを入れ替えても関数の符号以外その状況は何も変わらない、もし関数の符合さえ変わらなければ状況は何も変わらない。
とすると、符号の変化しない入れ替えでは何も変わらないのだから、逆に言えば本質的にその2つは普段の何の変哲もない状況下で常に入れ替わっているのと同じことになるのでしょうか。
入れ替わりまくっているのに等しいのだから、こちらの粒子!と名指しをしても入れ替わりまくっている。だから区別がない、
と、これが区別が無いの意味でしょうか。
ある2つの同種粒子がフェルミ粒子ならば、入れ替えても関数(状況)は変化しない。逆に言えば変化しない状況でも常に入れ替わっているのと同じである。よって区別ができない。
ある2つの同種粒子A、Bがボース粒子ならば、もうひとつボース粒子Cを持ってきて、AとCをいれかえ、AとBをいれかえ、CとBを入れ替えれば、AはB、BはAの座標に入れ替わりますが、
各2回ずつ入れ替わっているのですべて関数の符合は元に戻って同じになる。関数(状況)は変化しない。逆に言えば変化しない状況でも常に入れ替わっているのと同じである。よって区別ができない。
・・・と、いうことでしょうか。
No.6
- 回答日時:
回答者の皆様は、区別が付かないことを当たり前としているようですが、量子力学にはもっと深刻な問題が潜んでいます。
励起状態にある物理系は基底状態に自然崩壊します。所謂ボーアの原子模型です。この過程は、荷電粒子と電磁場の相互作用からの帰結としてシュレーディンガー方程式の解として記述できます。ところが、この宇宙の物理系では、エネルギーが連続固有値を持つ場合、そのエネルギーには必ず下限があります。そこでシュレーディンガー方程式を解いてみると、励起状態に見い出される確率は指数減衰する項だけではなくて、このエネルギーの下限の点から来るベキ減衰の寄与が必ず出てきます。
指数減衰だけの場合は、励起状態の減衰は所謂マルコフ過程に従い、その励起状態がどのように準備されたかの初期条件の記憶を持っていません。ところが、ベキ減衰の項は非マルコフ過程で、初期条件の記憶を持っています。
ですから、もしシュレーディンガー方程式が正しいとすると、不安定粒子は全て、過去に何時自分が励起されたかの記憶を持っていることになります。別な言い方をすると、不安定粒子には若い粒子と年を取った粒子があることになり、ほかの全ての性質では区別できなくても、年齢で区別がつくことになってしまいます。現在の認識では、陽子以外の粒子は全て不安定粒子として寿命があることが分かっています。陽子の寿命はまだ確認されていませんが、陽子だけが寿命が無いというのも変な話で、きっと途轍なく長い寿命を持っているのかもしれません。
ここで、深刻な問題が起こります。もし不安定粒子がその年齢で区別を付けることが出来るとなると、パウリの禁制率が成り立たなくってしまい、我々のみならず、この宇宙が基底状態に潰れてしまいます。
この宇宙は存在しているのですから、パウリの禁制率は正しいと思います。もしそうだとすると、はたしてシュレーディンガー方程式は正しいのかという問題になってしまいます。
ところで、不安定粒子は我々の未来に向かって崩壊します。すなわち、不安定粒子は時間には向きがあることを、従って、時間の向きの対称性が破れていることを知っているのです。ところが、シュレーディンガー方程式のレベルでは時間の向きの対称性が破れてはいません。ですから、上に述べた粒子の非区別性は、この時間の対称性の破れの問題を解決するまで、本当のところは理解できないというのが現状です。現在の物理学ではその問題をなんとか解決しようと多くの研究者達が本気で考えて居ります。
非常に難解な内容で理解し難いのですが、要するに、
おそらく「区別はない」けど、まだ現代の科学では解明しきれていない謎もあるから、実際にどうかはわからないよん。
と、アドバイスをくださったのですね。
ちゃんと物理学を学んでから、もう一度ぜひcyototuさんのご回答を読み返しその内容を理解してみたいと思います。ありがとうございます。
しばらく様子を見た後に締め切らせていただきますね。
No.5
- 回答日時:
>同じ状態・・・。
んっと、「同じ状態」の意味をご存知でないのかもしれませんが、どんな物理量についてもその測定値(の分布)が同じである、という意味です。波動関数(or状態ベクトル)の言葉で言えば、位相因子をかけるだけの違い、という事です。
>入れ替えても状況が一切変化しないという意味のようですね。
念のため。入れ替えるのは、電子ではなく、電子につける番号です。
>ある2つの同種粒子がボース粒子ならば、入れ替えても関数(状況)は変化しない。逆に言えば変化しない状況でも常に入れ替わっているのと同じである。よって区別ができない。
違います。古典的な描像で理解・イメージしようというのが間違いだと私は思います。
区別しようと思ったら、何らかの物理量を測定し、その測定値(の分布)の違いを見出さなければいけませんよね。今の場合は、
「同じ状態」=「どんな物理量を測定してもおなじ測定値(の分布)を得る」
のだから、区別できないんです。
ありがとうございます。
なんだか難しいですね。位相因子とはなんだろう。。。。
古典的なイメージで理解すること自体が間違いというのはそうかもしれません。区別という言葉も抽象的でなんだか使わないほうがいいかもしれませんね・・・。
要するに、少なくとも、
1.自然界に実現されている状態は、粒子数のいかんにかかわらず、そのうちの任意の2個の同種粒子のいれかえに対して対称か反対称な関数で表される
2.そして、関数が同じならば同じ状態であり、したがってもちろん、それに関するどんな物理量に関しても測定値は一致することとなる。
ってことですね。。
したがって2粒子を、互いに入れ替えてもどんな物理量に関しても測定値が入れ替え前と一致するように、入れ替えることができる。だからそれを「区別できない」と呼んでるんですね。。。
そろそろ自分の悩みも解消してきたので、しばらく様子を見て締め切ろうと思います。
ご回答くださった皆さん本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
No.4
- 回答日時:
まず、量子力学の基本的な部分を理解してください。
1つの粒子を確認した時点でその他の場所には存在しません。
また、粒子は存在できる可能性がある領域内で観測できますが領域外では見つけることはほとんどできません。
ですから、別の領域で2つ存在することが確認された粒子が1つしか存在しないと言うことは普通はありません。
区別はできないとしても複数存在できます。
膨大な数の同じウィルスが存在しますが1つをより分けたとしても混ぜあわせると同じ物を見分けることはできません。
ただ、ウィルスは干渉はしないでしょうが。
ありがとうございます。
此処で書いた「一つの個体」というのは、
もっと超越的な神の領域とも呼べる場所で其の粒子なるものがあって、それがさまざまな時空に複数個の粒子として発現でもしているのか、
という意味で書きました。判りにくくて申し訳ありません。
ひとつの粒子はあくまでひとつの粒子というのはわかっているつもりです。(^-^A)
No.3
- 回答日時:
電子が2個あったら、一方に1番、他方に2番と番号をつけて考えますよね。
「区別できない」というのは、こうやって番号をつける時に、番号の付け方を逆にしても(1番とつけた方を2番、2番とつけた方を1番と付け替えても)、逆にしなくても同じ状態であるという事です。
同じ状態・・・。
やはりNo.2の91091さんガ引用してくださった本の通り、区別ができないというのは抽象的な言葉による表現で、本当のところは、入れ替えても状況が一切変化しないという意味のようですね。
とするとやはり、91091さんへのお礼の欄に書かせていただいた考えが正解なのでしょうか。少し間違っていましたから訂正すると、
ある2つの同種粒子がボース粒子ならば、入れ替えても関数(状況)は変化しない。逆に言えば変化しない状況でも常に入れ替わっているのと同じである。よって区別ができない。
ある2つの同種粒子A、Bがフェルミ粒子ならば、例えばもう2つフェルミ粒子C、Dを持ってきて、AとBをいれかえ、CとDをいれかえれば、AはB、BはAの座標に入れ替わりますが、
全体として偶数回、2回入れ替わっているので全体の状況を表す関数の符合は元に戻って同じになる。関数(状況)は変化しない。逆に言えば変化しない状況でも常に入れ替わっているのと同じである。よって区別ができない。
見たいな感じですね。
ありがとうございます。
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