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人や動物は「いる」、その他のものは「ある」を使うのがよいと聞きました。
そうすると、昔話の「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが『ありました』」という文は、おかしいということになります。

おかしいのですか?

A 回答 (8件)

「人が“ある”」という表現は、現代人には違和感があるかもしれません。


しかし、おかしくはありません。

昔話のおじいさんやおばあさんは、生きている間、居間に居たり、かわやで用を足したり、川へ洗濯に行ったり、山で柴刈りをしていたりしたことでしょうが、

居間や、厠や、山や川に、一時的に存在していた、ということなら
「いた」「いました」で、

場所はどこと細かく表現する気分はないが、世の中のどこかで、人の一生分の時間の間、生活を営んでいた、ということなら、
「あった」「ありました」
ということになるのです。

「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがありました。ある朝、おじいさんは市場にいました。おばあさんは茶飲み友だちの家にいました。」
存在のマクロさとミクロさ、「ある」ことと「する(どこかに“いる”ということも含める)」ということは別のことなのだ、ということを区別できていて、昔の人の感覚は鋭かったのだと思います。

現在での話題についても、「私には90歳になる母がありますが、その母が先日私の家に居た時の事です。」という言い方ができると思います。
「ある」という言葉は物体について言っているような感じがし、この表現を忌避している人が使ってみると、最初はちょっと違和感があるかもしれません。
しかし、もし、「私には90歳になる母がいますが、」と言ってしまうと、「母」は一時的にしか存在していないものでもあるかのようで、これはまたこれで、少し薄っぺらい感じがしないでしょうか?

「私には90歳になる母がいますが、その母が先日私の家に居た時の事です。」
――同じ言葉の繰り返しはスマートでないということもありますし、“います”では元から家に同居していたような印象をもちます。

「ある」という言葉自体は、物体の存在を表現するためだけに成立した言葉ではないはずですが、現代の世間一般に、もっぱら物体の存在についての表現にのみ使われる言葉だという感覚があるなら、文学者や、ものごとを真剣に伝えたいという人は、それを逆手に取って、敢えてこの表現を使うと、文芸上での猫だましの効果を上げることができるかもしれません。

私個人としては、この「ある」に何か風格のようなものを感じています。表向きのいかめしさと内側からにじみでてくる優しさを感じます。

人も物も、時に適って生み出される時があり、人に役立つように用いられる時期があり、やがてはその役目を終えてこの世を去って行く、という、“温もりのある唯物論”が感じられるようで、私はできるだけこの「ある」を使いたい気がしています。
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この回答へのお礼

御回答有難うございます。
「ある」「いる」の差がよく理解できました。
有難うございました。

お礼日時:2008/07/18 22:01

>おかしいのですか?


おかしくないです。

>「十年ほど前のことですが、あるところにおじいさんとおばあさんがありました。」
これも、おかしくないです。

「ある」と「いる」の言葉から受ける感触は、ANo.6さんのおっしゃる通りです。

質問者さんの教わった
>人や動物は「いる」、その他のものは「ある」を使うのがよい
・・・外国人に日本語を教える場合はそれでもいいと思いますが、大人の日本人の場合は、次の基準で使い分けたらいかがでしょうか。

(1)【いる】は、自分の意志で動くものが(あたかもそのように見えるものも含む)、一時的に存在している場合をいいます。
(2)【ある】は、自分の意志を持たないものが存在している場合をいいます。
(3)【ある】は、また、自分の意志で動くものであっても、漠然とあるなしを問題にする場合にも使われます。

例1.「大きなトラックがそこにいた。」・・・基準(1)
例2.「猫の死骸がそこにあった。」・・・基準(2)
例3・「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが『ありました』」・・・基準(3)

以上の基準で大体いけると思いますので、試してみてください。

「いる【ゐる】」を古語辞典で引いて見ましたら、最初に「坐る」と出てきました。これは、いつか将来、立つということを含んでいます。すなわち、「いる」は「坐る」と同じように一時的なものなんです。
もちろん、現代文に古語辞典は必要ないですが、単語の根っこの意味を探るのに役立ちます。

おじいさんとおばあさんは、一時的にそこに存在しているのではありません。
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この回答へのお礼

御回答有難うございました。
歴とした大人の日本人ですので、教えていただいた基準でやらせていただきます。

お礼日時:2008/07/18 22:05

昔話の「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが『ありました』」という文は、現在使われている日本語としては、おかしいと思います。



昔話の文では、「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが『おりました』」となっていると思います。『ありました』ではなく『おりました』です。動詞「おる」は漢字では「居る」と書き、「いる」の古風な言い方になります。以下のURLを参考にしてみてください。

 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%8 …

「ある」はモノについて使います。以下のURLを参考にしてみてください。

 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%8 …

古くは、人に関しても用いたが、現在ではふつう人間・動物以外の事物についていい、人間・動物については「いる」を用いる。しかし、「予想外の参加者があった」「強い味方がある」など、人に関しても「ある」が用いられることがあり、この場合は人が概念化・抽象化した立場でとらえられていたり、所有の意識が認められていたりする。

ですから、人について「ある」を使う場合もなくはありません。しかし、用例としては「人が概念化・抽象化した立場でとらえられていたり、所有の意識が認められていたりする」場合に限られます。

なお、古文などでは、「男ありけり(男がいた)」とか「翁ありけり(おじいさんがいた)」といった表現は普通です。時代が変れば言葉づかいも変りますので、現在では上記のような例外を除いては、残ってないのです。
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この回答へのお礼

御回答有難うございました。

お礼日時:2008/07/18 22:02

こんにちは。



違和感を覚えましたが、辞書に載ってますね。正しいんですね。
( まる2の(1) )
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%A2 …

#2様がおっしゃる「生き物で「ある」と言う(言える)場合」に
(4)生きている(死んでいない) 例:師の在りし日の姿
を追加させてください。



ちなみに、補助動詞だと、
・人や動物は「いる」、
・その他のものは「ある」
に当てはまらないケースは、非常に多いですね。

花が咲いている
壁が黒く塗られている

我輩は猫である
料理を作ったのは母である
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この回答へのお礼

ご提示URLの辞書に次のように出ていましたね。

>人が存在する。
>(1)(誰が存在するかが問題の場合)いる。
>「昔々、ある所におじいさんとおばあさんが―・りました」

そのまま出ていたのにはびっくりしました。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/07/18 21:58

私も「むかしむかし、或るところに、おじいさんとおばあさんが『ありました』」という文に違和感を覚えます。



「むかしむかし、或るところに、おじいさんとおばあさんが『おりました』」のほうがふさわしいです。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/07/18 21:54

専門的ではないですが


「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが『ありました』」
は、すごく違和感があります。
『』の中が「住んでいました」とか「仲良く暮らしていました」の方がいいです
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この回答へのお礼

御回答有難うございます。

お礼日時:2008/07/18 21:53

日本語文法論


http://homepage3.nifty.com/taketoki/sub04.html

ここに詳しく載っていますが、その用法は正しいです。

○生き物で「ある」と言う(言える)場合
  (1)昔話の冒頭
  (2)連体修飾の場合  「~という人もある」
  (3)所有  「A氏には 子どもがある/おとうとがある」 血縁的存在
 ただし 「秘書がある いる」 社会的存在

おかしくありません。
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この回答へのお礼

御回答有難うございます。
 (1)昔話の冒頭は「ある」でよいとのことですが、「昔話の冒頭以外」ではダメなんでしょうか?
たとえば次の文章はダメなんでしょうか?
「十年ほど前のことですが、あるところにおじいさんとおばあさんがありました。」

お礼日時:2008/07/17 11:42

おかしくありません。



また、有無そのものを問題にするときには、
「~する人があります。」
と言ってもかまいません。
「父は書斎にあります。」
のように言うのが現代日本語としては適切でないのです。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/07/17 11:42

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