No.1
- 回答日時:
逆ですよ。
失敗のリスクがあるから「何度も練習」したんです。もし手元に「確実に動く道具」と「動かないかもしれない道具」の2つがあって、「絶対に失敗できない局面」で使う場合、普通は前者を使います。
それがプルトニウム型だったわけです。
1.パンプキン爆弾
わざわざ模擬爆弾を作ったのはファットマンの特異な形状のためです。
たとえ原爆でも外れたら効果は大幅に減るので、「狙った位置」に落とせる様に練習したわけです。
2.ウラン爆弾
どれだけの量でウランが爆発するかはあらかじめ計算で分かっています。
だから発電に使うことが出来るし、ウラン爆弾は爆発実験が不要なんです。
一方、プルトニウム爆弾は起爆システムが複雑で、動くか検証するには核実験が必要です。
トリニティ実験で実績はありましたが、不発のリスクはウラン爆弾より大きい訳です。
3.失敗のリスク
ところでこの作戦、期限が「ケツカッチン」だったことを思い出してください。
作戦発令が8月3日、でソ連が参戦する9日までに2発落として日本に降伏の電信を打たせる必要がありました。
日本の首脳に「手持ちは1発じゃないよ」と見せ付ける必要がありましたので。
で、もし1発目が「外れ」または「不発」だった場合、残り1発も再点検が必要になり、「納期」が大幅に遅れます。
その場合、日本の「半分」をソ連にとられてしまいます。
つまり、1発目は絶対に失敗できなかった訳です。
それが「ウラン型」だったわけですね。
実験が不要なほど爆発が確実であるが、量産ができない。
この場合、量産式を使うのが目的でなく、核爆弾というものを実戦に使うということ(ウランだろうとプルトニウムだろうとどうでもいい)というとき、ウラン型が確実だったということなんですね。改めて、そこのところを納得しました。
形状の違いというのは別に関係ない要素みたいですね。
しかし、パンプキンにはウラン型がなかったのがまたなぞです。もっともパンプキンではなく、キャロットとか言う俗称になったかもしれません。それがないなぞですね。
しかし、1発だけかもしれない(1発目を落とした時点)と1発でないということ(2発目を投下した)と、3発目はあるのかないのか分からない(2発だけかもしれない)というのとたいした差がないような気もします。2発目を落とすとそれが必然的に、次もあるよという話になっていくでしょうか。
No.2
- 回答日時:
アインシュタイン書簡により、
ドイツがウラニウムによる原子爆弾の開発の可能性が非常に高まっている情報からマンハッタン計画を立ち上げたのです。
速やかな開発と成功が必要でした。
紫電改が良い例です。
有終の美、日本の技術や高性能と自負しますが、
医学的には「手遅れ」です。
殆どの開発の基礎/構想/構造はドイツ軍が行った物です。
実験とは、特に失敗は原因(理論)を教えます。
そう、研究費の無償提供です。
ドイツの技術者の多くはアメリカとソ連が保護(拉致)しました。
ソ連は一体何を自力で開発したのか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC% …
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3% …
これがRPG-1、2、7へと発展します。
誘導弾、ICBMも全てそうです。
ドイツは取り合いになりました。
日本はあまり価値が無かった
(アジアの植民地化が終焉を迎えていたので)
商業価値/人種的価値/文化的価値が無かったのでしょう。
No.3
- 回答日時:
広島型の爆弾はガンバレル(砲身)型といって臨界量のウランの一部を分けておき、残りの大部分のウランめがけて大砲の砲弾のように火薬の力でぶっつけてやると連鎖反応が始まるというとても簡単な構造であったので、大砲を一発ぶっ放す技術が確実であれば原爆の爆発も確実という代物。
そのかわり高価な濃縮ウランがほぼ臨界量必要でコストが高い。長崎型原爆はインプロージョン(爆縮)型といって、プルトニウムは放射性物質としての性質の違いで広島型と同じ構造ではドカンといくまえに小爆発を起こして爆弾が壊れる可能性があるので、それを防ぐために臨界量以下の核燃料の周りに起爆用爆薬を配置し、これによって核物質を圧縮して臨界量相当の密度に達するようにするものですから,点火装置の同調や爆薬の適正配置に難しさがあります。(でも核燃料のコストが安く小型化への余地もあるたいぷです。)というわけで実験から本番というプロセス(トリニティ実験から長崎実戦投入)が必要だったんですね。
広島型は予行演習が無くてもほぼ確実に爆発するものでしたから
実験をかねていきなり実戦に投入ということができたわけです。
>しかし、1発だけかもしれない(1発目を落とした時点)と1発でないということ(2発目を投下した)と、3発目はあるのかないのか分からない(2発だけかもしれない)というのとたいした差がないような気もします。2発目を落とすとそれが必然的に、次もあるよという話になっていくでしょうか。
日本でも原爆開発は行われておりその困難も知られていましたから、
日本で開発困難であった原爆を無造作に2発も続けて実戦投入できるというアメリカの技術力を見れば、
とうぜんそれ以上に手持ちがある可能性が高いという判断になると思います。
つまり一発だけだと「開発困難な原爆だからさすがのアメリカも量産は無理だったか」と考える余地もありますが
立て続けに2発投入されれば「日本では無理だった原爆を無造作に2発も!これではいくつの原爆が手持ちにあってもおかしくない」と考えるようになるでしょう。
一種の心理的なトリックといえるかも知れませんね。
実際には3発目はなかったのでした(と記憶します)
お話納得できます。
やはりウラン型は確実なものという認識があるようです。
今回はこの回答で大変すっきりいたしました。
No.4
- 回答日時:
No.3です。
追加しておきます。
トルーマン大統領は広島原爆投下に関する8月6日の声明で次のようにいっています。
> 「一九四二年以来原子兵器の完成の競争が米、英とドイツの間に行われてきた。だがわれわれが勝った。廿億ドルの予算と十二万の人員でわれわれはこの史上最大の科学的冒険で勝利を得たのである。史上最初の原子爆弾が軍事基地である広島に落とされたのは非戦闘員の死傷を少なくするためであった。これは警告であり、日本が降伏しない限り引き続き原爆を使用する。不幸にも日本で多数の非戦闘員の生命が失われるだろう。日本の非戦闘員が即時工業都市を去ることを勧告する。私は原爆の悲劇的な意義を理解している。われわれがこれを使用したのは戦争の苦痛を短縮し、多数のアメリカ青年の生命を救うためである。」
http://www.max.hi-ho.ne.jp/nvcc/WA15.HTM
この声明とこの後長崎にも二つ目の原爆を立て続けに投下することで
No.3に書いたように貴重な原爆の手持ちが一発限りでないことをしめし、まだまだあるかもという疑念を日本側に持たせることができたのであろうと思います。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
#1です。
>それが「ウラン型」だったわけですね。
間違えたぁぁぁっ!ごめんなさい(^^)
>形状の違いというのは別に関係ない要素みたいですね。
関係ありますよ!
リトルボーイは通常の爆弾と同じく、細長い形をしています。
細長い物のケツに羽をつけるとまっすぐ飛ぶことは弓矢の時代から分かっています。
また、飛行機から落とした爆弾は慣性で「前進」しながら、放物線を描いて投下地点より前方に落下します。
B-29のノルデン式照準機は弾道計算により、爆弾が地表のどの位置に落ちるかを爆撃手に表示します。
通常の「細長い」爆弾は今までの実績から、正しい弾道が計算できますので、リトルボーイも重量やサイズのパラメータを照準機に入力すれば「狙った位置」に落とせます。
一方、ファットマンは球面に沿って配置した起爆装置をいっせいに動作させるという原理上、本体が球形をしています。
それに羽をつけているので、まるで野球ボールにサイコロを貼り付けたような形になります。
投げてみれば分かりますが、へんな回転をして、まっすぐ飛びませんね。
また、特異な形のため、計算の通りの弾道を描くかも確かめないと不安です。
高度10,000mから落とすので、弾道計算を間違ったり、軌道が変にカーブすれば1km以上落下点がずれる可能性があります。
まして「変な回転」をすれば信管の高度計が動作しませんし、爆撃機に載せる作業手順もも変わるので作業員が本番でまごつかない様、訓練する必要もあります。
この辺の検証をしておかないと球形の爆弾を落とすのは不安です。
だから「球形の爆弾」が「日本上空のジェット気流の影響下で」どういう挙動をするか、敵の本土上空を飛ぶという危険を冒しても検証する必要があったわけです。
ですので原理上、細長い爆弾を作れるガンバレル型ウラン弾をわざわざ球(パンプキン)形に作る理由がありません。
また、確実に「まっすぐ落ちる」ファットマン型の模擬爆弾を作って機体と人員を危険にさらすのも不合理です。
「1.パンプキン爆弾」で言いたかったのはそういうことです。
これは、本当に納得がいくご回答です。ありがとうございます。ウラン型は投弾実験もする必要なない。しかし、プルトニウムカボチャ型はおおいにある。それが、パンプキン模擬弾の趣旨だったわけですか。投弾技術というのは、ずいぶんと複雑なものですね。
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