現在大学4年生です
社会人になる前に日本史・世界史を見直しておきたい
と思うようになりました。
よく、最近の大学生は知識が断片的で
体系的に歴史を理解していないと言われます。
自分もそれで、ゲームやTVのクイズ番組の歴史に関する問題は
受験の知識から短答でほぼ正解出来るのですが、(これも年々忘れていくばかり…)
歴史的意義とか歴史の流れなどの体系的な知識が
身についていません。歴史を体系的に理解するには
どのように勉強したらいいのでしょうか?
また、高校の教科書に載らない人物や文化史については
どのように習得されましたか?
なんでも鑑定団の解説とか初聞きなものが多く
聞いては忘れるで断片的になり困っています。
御回答ぜひよろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
歴史を体系的に勉強するには、「なぜ」という問いかけが必要です。
たとえば、日本史でいえば平安王朝(大和政権)が倒れて、鎌倉幕府が始まったのは、律令(平安時代の法律)が私田を原則認めず公田からの税収を当てにしていたのに、人口に比例して田畑が増えなかった為に私田を容認したことから始まります(もちろん結論は武家政権である必要はありませんが)
墾田永年私財法の制定により、力のある農民が私田を開発していきました。そして年貢を取られるのを嫌ったために、有力貴族や寺社に寄進して、自分たちの取り分を増やします。
そして力をつけた農民が自分たちの土地を守る為に武装し、それが寄進した貴族や寺社の過度の要求とぶつかって、自分たちの土地を自分たちで守る政府の創設につながっていきます。
鎌倉幕府は武家政権の始まりといわれますが、農民自治の始まりでもあります。
この話の大事な点は、現代にもその痕跡を残していることです。
日本はとても自分の土地を大事にして、飛行場を作るとか道路を作るなどの場合、すぐに反対運動が起きます。
成田空港と同時期に開発を始めたドイツの空港は長年に渡る交渉の結果、つい最近滑走路を4本持つ空港として誕生しました。
成田ではいつまでたっても正式な2本化ができません。
これは、日本の土地所有が墾田永年私財法の時代から、農民のものであるということにも遠因があるといわれています。
ドイツなどのヨーロッパ諸国では、土地(農作地)は原則貴族の持ち物で、土地の所有と税金の収入は同じ人に権利が与えられたのです。
しかし日本では、土地の権利と税金の収集権は別になっています。
ですので、日本では過去に一揆などが起こりやすかったのです。
現代でも先祖代々の土地に愛着を感じる意識は強いです。
このようにあるひとつの法律が、何十年の歳月をかけて国の仕組みを決めることにつながっていきます。
ヨーロッパ史でもカエサルがルビコン川を渡ることになった遠因は、(いくつもありますが)ローマが大きくなりすぎた上に、ローマ市民の権利が強すぎたことにも由来しているといえます。
同じ理由がカエサル暗殺につながったことも歴史の皮肉でしょうか。
なぜこういう結果になったのか、その条件は?と言う視点をもって、教科書や歴史書を読むと、体系的に歴史が見えてきます。
うーん、手に入れたい知識そのものの例を披露して頂き
うれしい限りなのですが・・・
まだ自分の歴史の知識は
この知識を得る段階には早すぎます。
今は教科書レベルから出てもいませんので。
「なぜ」という問いかけを持つことは
歴史に限らずあらゆることに必要な感覚だと
私も思います。
ご回答ありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
おもしろい質問ですし、こういうことに真剣に取り組もうとする人を尊敬しますので、私も参加してみたいと思います。
No.8さんのおっしゃることは、私には良く分るのですが、歴史学の素人には確かに「ヘヴィー」でしょう。もう少し分りやすく書きますね。
まず、「後世に真実の歴史を残そう」として記録を残す人はほとんどいません。すなわち、「史料」の殆どは何らかの意図によって書かれたものですから、真実を伝えているとは限らないのです。
次に、そうした史料に基づいて研究する歴史家の姿勢が問題です。自分に都合のよい史料だけで自説を語ったり、自分に都合よく解釈することが往々にしてあります。よって、「色々な説」が生まれるのです。例えば、「孝明天皇は暗殺されたのか病死なのか」について、全く同じ史料を用いて、暗殺説と暗殺否定説の対立があるのです。
さて、歴史の勉強についてですが。「疑問を持つこと」が大切だと思います。歴史は事実を「覚えること」ではありません。「通説」ではこう言われているが、「本当か?」と疑いを持ち、それについて調べてみよう、というのが、歴史を勉強するきっかけになると思うのです。
お礼遅くなってすみません。
無意識に歴史を覚えなおそうとしてしまっていた所
だったので覚えることではないと回答頂き
やり方を修正しました。
ご回答ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
まずは、「歴史とは何か?」「歴史と歴史学は違うのか?」というところを認識しないと、「歴史を体系的に理解する」なんて事は不可能です。
歴史というのは、あやふやなモノで、どの面から見るかで色々変わります。
そのことについて、以下に簡単に説明してみます。
歴史学というのは、基本的に誰かが書き残した文章記録から、「過去にあった出来事」を明らかにしようという学問なんです。
しかし、この「誰かが書き残した」というのがくせ者で、「誰かが書き残した=真実そのもの」とは限らないからです。
さらに、この「誰かが書き残した文章から、過去に○○という出来事があった」と解釈する人が居ます(これが主に歴史学者です)
これを分かりやすく言うと
1・誰かが書いたのだから、その時点で書いた人の主観が入る。(一次史料)
2・そして、その情報を読んだ人(研究者)の主観が入る。(二次史料)
3・最後に、その研究者の論文を読んだ人の主観が入る。(私)
「真実(出来事)→一次史料→二次史料→私」、という風に情報が加工されていくことになるんです。
言い換えると、この順番でそれを書いた人・読んだ人の「主観」が入る。
私は真実を知りたい、と望みます。
そうすると、「私→二次史料→一次史料→真実」、と遡ることになる。
もちろん、「私→一次史料→真実」、とする事も出来ます。
しかし、「私→真実」、という風には出来ないんです。(それをするには、現在進行形=今、まさに起こってることしか無理)
となると、どこまで一次史料や二次史料が真実を語っているかを見極める必要が出てくる。
その為には、第二、第三の一次史料・二次史料を参考に、それらの相違や正誤を精査していく事で、情報を真実に近づけていきます。
この過程で、考古学・古文書学・社会学・金石文学・民俗学etc,,,と歴史補助学と言われる学問の助けも借りて行われます。
こうして、出来るだけ「客観的」になるように努力がなされるのです。
はたして、これ(客観化すること)は可能なのか?という問いが何度も発せられ論争されています。
これは主に「歴史哲学」と言われる分野なのですが、悲しいかな日本ではあまりはやりません。
しかし、「歴史を見る目」を養うためには重要な学問であり、個人的にはまず「歴史の授業」をやる前に「歴史哲学の授業(あるいは歴史学の歴史)」をやるべきだと思っています。
ともあれ、歴史というのは「人間の主観」が入る余地が大きく、それ故に(「歴史教科書問題」に代表されるような)問題が多々起きる事になります。
「人間の主観が入る余地が大きい」というのは、同じ真実を語る場合でも、その人の「社会的・思想的・政治的な価値観」が(意識的であれ、無意識的であれ)入り、その結果余「歪曲・無視・捏造・偽造・誤謬etc,,,」が行われます。
なので、「社会的・思想的・政治的な価値観」に相違があるばあいに論争が起きることになります。
また、政治家や思想家、漫画家、作家、ジャーナリストなど、社会的影響力が大きいにも拘わらず、歴史学の訓練を受けたことのない人が発言した場合、それは「歴史の問題」ではなく「政治や思想の問題」にすり替わることが多いとも言えます。
この現状を現したのが、クロォチェの「すべての真の歴史とは、現在の歴史である」という言葉であるといえます。
また、M・ウェバーとグスタフ・フォン・シュモラーを中心に「価値判断論争」というのが争われたこともあります。
つまり、歴史学と「主観・客観」の問題は切っても切り離せない関係にあり、未だ答えを見ていません。
しかし、日本では「歴史は客観でなければならない!客観!!」と叫ばれるのに、この問題にはそっぽを向いていると言えます。
と、ながながと書きましたが、重要な観点であるのに見落とされている事なので、心の片隅にでもとどめておいてもらえると幸いです。
で、以下はお勧めの本です。
『岩波講座 世界歴史 』全29巻 岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/01/2/010821+.html
岩波版の世界通史の本です。
大学一般教養レベルの内容ですね。
大学の史学科に入るとまず薦められる全集の一つです。
『西洋の歴史 〔古代・中世編〕』『西洋の歴史〔近現代編〕』
ミネルヴァ書房
http://www.minervashobo.co.jp/find/details.php?i …
こちらも、岩波同様、大学一般レベルです。
こちらは、岩波よりもコンパクトに纏められています
『全集 日本の歴史』全16巻 小学館
http://www.shogakukan.co.jp/nrekishi/content/lin …
同じく、日本史の全集です。
大学一般レベルですね。
『歴史の哲学―現代の思想的状況』 (講談社学術文庫)
渡辺 二郎 (著)
ISBN-13: 978-4061594067
↓書評が載ってますので参考に
http://club.pep.ne.jp/~y.hosoya/booksreview/reki …
『歴史の理論と歴史 』(岩波文庫)
クロォチェ (著), 羽仁 五郎 (翻訳)
ISBN-13: 978-4003341810
『歴史とは何か 』(岩波新書) (新書)
E.H. カー (著), E.H. Carr (原著), 清水 幾太郎 (翻訳)
ISBN-13: 978-4004130017
上記三つは、歴史の見方が書かれた本です。
参考URL:http://okwave.jp/qa3794442.html
参考書籍のご紹介ありがとうございます。
内容がヘヴィーとしか言いようがないですが
ご紹介の書籍でガッツリ取り組んでみようと思います。
ご回答ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
ありきたりかもしれませんが、高校の世界史、日本史の教科書、参考書が、すべてを網羅していて、いいと思います。
もう、大学を卒業されるわけですから、高校時代とは違った読み方が、できると思います。
大学の受験参考書はたくさんありますが、なかには、内容の濃いものもあります。
写真も多く、年表もついているし、馬鹿にしたものではありません。
あと、興味を引いたもの(人、出来事)があれば、小説などで、読むといいと思います。
>>高校の世界史、日本史の教科書、参考書が、すべてを網羅していて、いいと思います
教科書読んでみました。知識の確認に役立ちました。
>>あと、興味を引いたもの(人、出来事)があれば、小説などで、読むといいと思います。
地道に行くのは・・・面倒そうですが仕方ないですね
ご回答ありがとう御座いました。
No.6
- 回答日時:
歴史は人が積み上げてきた事実を、ある人が解釈して積み上げられたものです。
まず、興味を持つ『人』から入ると、その周りの人物、事件を知ることとなり、
やがてその解釈であっているのか疑問を持つこととなり、自分で調べていくこととなります。
自分で調べだすと、流れからなにからしっかり理解することができますよ。
No.5
- 回答日時:
歴史の意義を明確に出来ていないのではないでしょうか?
問題を武家の力で解決した事件は何か?
将門、純友の乱は何を意味するのか?
肝心な所は無視して講釈されても困ります。
高校生でも書けるようなあらすじで講釈していませんか?
ここで、
あらすじと体系的を誤認しているので
体系的に歴史を理解していないとため息をつかれるのです。
律とは何か?
令とは何か?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8B%E4%BB%A4% …
いくつの律令が出たのか?
律令令と律令法の違い。
何が原因で崩壊したのかも必要ですが、体系的に理解していますか?
ご指摘される通りで耳が痛いです・・・。
まずはあらすじと体系的の違いをはっきり認識しないといけませんね。
ご回答ありがとう御座いました。
No.4
- 回答日時:
ドラゴン桜という漫画に紹介された「メモリーツリー」を応用してみてはいかがでしょうか?
http://www.tbs.co.jp/dragonzakura/study/index-j. …
この「メモリーツリー」はあるテーマに対して枝葉を伸ばしてゆき、
それぞれの枝葉にキーワードを書き込み、主たるテーマと関連するキーワードを、
ビジュアルで記憶する方法ですが、この枝葉のキーワードの近くに
テーマとキーワードの関連性を5W1Hで記入していけば、
体系的に理解する一助になると思います。
文章だけで覚えるよりも、このようにビジュアルを上手く活用して
キーワードを体系化することで、より理解しやすいと思います。
No.3
- 回答日時:
結構役に立つのが歴史を主題にした映画や小説、随筆などです
映画の舞台になっている時代に世界史でどのようなことが起こっていたか
この主役が活躍した時代にどのような政治家がいたか
このようなことを調べるといいです
また科学年表と歴史年表、日本史年表と世界史年表などを照らし合わせるのもいいです
アパッチの酋長ジェロニモの時代のアメリカどんな様子だったのか
これ調べてみると面白いですよ
学校で教えるのは個々の出来事についてしか教えません
科学年表は理科系で歴史年表は社会科系でというような独立したものではないのに学校では別個に扱っています
こういうものを有機的に結合してくれるのが映画、小説、ゲーム、歴史漫画だと思います
>>結構役に立つのが歴史を主題にした映画や小説、随筆などです
映画の舞台になっている時代に世界史でどのようなことが起こっていたかこの主役が活躍した時代にどのような政治家がいたか
このようなことを調べるといいです
時代背景に興味を持って調べていくのはいい方法ですね。
さっそくトライしてみようと思います。
No.2
- 回答日時:
Q、歴史を体系的に理解するには?
A、量と質の両面作戦がお勧め。
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=IS …
もう、40年も前のことになります。
岩波書店から刊行された「岩波講座世界歴史」全29巻を面白く読んだ記憶があります。
http://www16.ocn.ne.jp/~jinzou/jhistoryIwanami.htm
同時期に刊行された「岩波講座日本歴史」は、これは興味あるところだけで中途半端。
で、感じたことですが、「やはり、木と森とを相互に見ることだなー」です。
「歴史を体系的に理解」するには、まず、個々の木に関する情報の量の蓄積が不可欠です。
で、同時に、全体の流れをダイナミックに見るというステージも重要。
木々に関する詳細情報を流れとして蓄積した水準に応じて森のイメージをステージ転換。
そうして、歴史を体系的に理解はステップアップします。
で、個々の木々に関する詳細情報の認識に疑問も生まれ、再び、木々の情報へ。
まあ、この繰り返しが「歴史を体系的に理解する」に通じると思います。
本のご紹介ありがとうございました。
手っ取り早く理解したいと思っていた
自分の浅はかさを痛感しました。
>>木と森とを相互に見ること
これは分かってても出来ずに困ってきました。
残り半年ですがなんとかトライしてみたいと思います。
ご回答ありがとうございました。
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