10秒目をつむったら…

コンパレータのメーカ仕様書を読んでいると、電圧に対する制限は記載されているのですが、電流制限は記載されていません。コンパレータ(オペアンプ)では、入力・出力の電流制限が無いのは何故でしょうか?

A 回答 (6件)

> コンパレータ(オペアンプ)では、入力・出力の電流制限が無いのは何故でしょうか?


入力・出力の電流制限はあるんですが,電流を制限するのは面倒なんで,データシートでは電圧で制限していますね.

電流制限に関係するのは,データシートの「絶対最大定格」の項目で
「入力電圧」,「出力耐圧」ですね.
これを理解するには,uPC393Cの内部構造を理解する必要があります.
ここの31ページ「Q37:寄生ダイオードとは?」を見るとわかるように内部回路の絶縁が寄生ダイオードで行われています.
http://www.necel.com/nesdis/image/G12219JJ7V0IF0 …
寄生ダイオードの順方向電圧を超えると電流はジャンジャン流れますから,電流を制限するために寄生ダイオードの順方向電圧を超えない電圧(-0.3V)で制限しているわけです.
最大の+36Vは内部素子の耐圧から決まる電圧で,耐圧を超えるとブレークダウンを起こし,電流はジャンジャン流れます.
とゆうわけですから,ここの22ページ「4. 各種の保護回路」を参考にして保護することを勧めます.
http://www.necel.com/nesdis/image/G10147JJ6V0IF0 …
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。MOSFETなどと同様にオペアンプにも寄生ダイオードがあるのですね。定格電圧は、絶縁耐圧と寄生ダイオードで決まっているのですね、勉強になります。でも、アナログ回路は面白いですね。ちょっとずつでも理解していきたいと思います。

お礼日時:2008/09/18 23:20

ちょっと着眼点が違うような気がするのですが、本題に入る前にANo.1お礼欄への書き込みについてご回答しておきましょう。



>Max.Input bias currentが入力電流制限、OutPut currentが出力電流制限と考えるという事ですね。

後者はそう考えてもよいですが、前者は違います。
これは、入力に信号が入らないときに、入力段トランジスタに流れる電流(これをバイアス電流と言い、できるだけ少ないことが望ましい)のことで、「これ以上は流れない(最悪でもこれ以下である)」ことをメーカーが保証するものです。
(ただし温度のパラメータ。温度が上がれば増加する)

例えば、バイアス電流が25nAあるコンパレータの入力に1MΩの入力抵抗をつなぐと、利得1でも25mVのオフセットを生じます。
利得10なら250mVのオフセットを生じます。
オフセットを小さくするためには、入力抵抗を小さくすればよいのですが、小さい入力抵抗で使われることは、オペアンプの沽券に関わります。(^_^;)

このように、バイアス電流はコンパレータ(=オペアンプ)にとって重要な項目なので、メーカーは「これ以上にはなりませんよ」という値を保証するのです。
(スペックにはいろんなものがあって理解するのが大変ですね。(^_^;))

ところで、「後者はそう考えてもよい」と言いましたが、この「電流制限」には2通りの解釈があります。
ひとつは、質問者さんが心配している、「熱破壊の問題」です。
もう一つは、破壊にまでは至らないが、「十分な出力電圧が維持できなくなる限界値」です。
この後者の方を簡単に説明しましょう。

393のデータシートの中の「出力吸い込み電流」グラフ(5ページ)を見てください。
10mAくらいから急激に出力電圧が上昇しているでしょう?
これは、アンプが電流を吸い込む能力が限界に来たために、「必要なLレベル電圧値」を維持できなくなる現象を示しています。

逆に、吐き出し能力については、負荷抵抗が低くなり過ぎた場合など、能力が付いて行けなくなるため、「必要なHレベル電圧値」を維持できなくなって、目標よりも下がってしまうのです。
これらのスペックは、いずれも「最大電流」に関わるスペックですが、アンプの破壊とは一応無関係です。
(393には吐き出し能力がないことは、ANo.4に書いたとおりです。トーテムポール構成の出力段において、上側のトランジスタが吐き出し電流を受け持ちます)

さて、質問者さんが心配しておられる本題に入りましょう。
(質問者さんは、本当はコンパレータと抵抗の焼損の原因を調べたいのですね?最初からそのことを書いてほしかったと思います。わたしは単純に「コンパレータには電流制限が記載されていない」という質問かと思ったので、反例を挙げましたが、これは質問者さんが本当に知りたかったこととは違っていたのですね。(^_^;))

電圧が定格を越えたときに起きるデバイスの破壊は”絶縁破壊”の一種ですが、電流が定格を越えたときに起きる破壊は、電流そのものによる破壊ではなく、”電力損=ジュール熱”によるものです。
 P=EI=I^2 R
ですから、熱破壊の原因を調べるときは、データシートにある電流定格関係よりも、「最大電力(全損失):Pt」に注目する必要があります。
(393のデータシートには、Pt=350mW/440mW と記載されています)

質問者さんが、どのような条件下でコンパレータを使っておられるのかわかりませんが、もし本当に焼損の原因究明をしたいのなら、オシロを使って、各部の電圧・電流を観測することをお勧めします。
測定結果からコンパレータや抵抗の熱損失が計算できるでしょう。

配置も重要です。
近接配置した場合、お互いが暖め合って、設計上十分余裕があるはずのW数なのに焼損する、という事態が置き得るかもしれません。(^_^;)
                  以上ご回答終わり


inara1さん お久しぶりです。
IDが変ったので別の方かと思っていたのですが、相変わらずの見事な作図、そして懇切丁寧なご回答から、やはりあの方なのだな、と思いました。

コッククロフト回路では、お声掛け有難うございました。
ずっと関心を持って見ていたのですが、質問者さんの意図が見えないので、とうとうパスしました。
コンデンサのスペックを決めるのに、所望電流値を言ってくれなければ手の付けようがありません。
しかし的確な質問文を組み立てるのも結構大変なことでしょうね。
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この回答へのお礼

丁寧な御回答ありがとうございます。最大入力バイアス電流は、入力信号が無い場合に入力段トランジスタに流れる電流の最悪値、最大出力電流は、出力電圧を維持出来なくなる値(吸い込みの場合はLレベル電圧、吐き出しの場合はHレベル電圧)ですね。まだ完全な理解は出来ていませんが、まずは丸覚えをして、少しづつ本当の意味で理解していきたいと思います。

コンパレータの壊れた回路は、実績も有り、通常の使用では壊れるはずの無い回路です。雷サージなど何らかの特別な原因で破損したと思いますが、壊れた方と素子定格から原因を推定しようと試みていました。仕事と勉強を兼ねて。

お礼日時:2008/09/18 23:13

わかりました。

(^_^;)

393はオープンコレクタですね。
オープンコレクタは、吸い込み電流については定格がありますが、吐き出す能力はありませんから、定格はありません。
(吸い込み電流になぜ定格が必要かは、データシートの5ページのグラフを見ればわかる。)
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というか、入力に関して言えば、入力端での電圧が決まれば、コンパレータの入力インピーダンスから電流も決まるわけで、電圧の制限イコール電流の制限なわけですけど。

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この回答へのお礼

確かにそうですよね。御回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/18 23:14

入出力とも電流制限はあります。

データシートの「絶対最大定格」に出ています。どういうコンパレータでしょうか。型番を教えてください。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。私が見ていた仕様書はNECの型式μPC393Cのコンパレータのものです。ある電子回路の中でμPC393Cと周囲の抵抗素子が焼損していました。私は、「抵抗の焼損→過電流が原因」と考えたのですが、μPC393Cの仕様書では入力側・出力側の越えてはいけない電流値が分かりませんでした。

http://www.necel.com/nesdis/image/G10521JJCV0DS0 …

お礼日時:2008/09/15 21:01

そんなことはないでしょう。


→ Output Current (mA)
http://www.national.com/cat/index.cgi?i=i//299:n …

参考URL:http://www.national.com/cat/index.cgi?i=i//299:n …
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。Max.Input bias currentが入力電流制限、OutPut currentが出力電流制限と考えるという事ですね。

お礼日時:2008/09/15 21:19

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