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「2-クロロブタンのラセミ混合物を塩素化すると2,3-ジクロロブタンが生成する。これはメソ体71%とラセミ体29%からなっている。なぜ50:50のメソ体とラセミ体が生成しないのか説明せよ。」と言う問題です。全く理由がわからないのでお願いします。

A 回答 (2件)

反応前の状態がラセミ混合物なので、等量ずつの2(R)Cl-Buと2(S)Cl-Buがあるわけです。



ここから3-位にもう一つClが入るわけですが、単純に等量ずつ3(R)体、
3(S)体ができるなら

2(R)3(R)di-Cl-Bu 25%
2(R)3(S)di-Cl-Bu 25%
2(S)3(R)di-Cl-Bu 25%
2(S)3(S)di-Cl-Bu 25%

となり、2(R)3(S)+2(S)3(R)でメソ体が50%、2(R)3(R)+2(S)3(S)で
ラセミ体が50%でめでたしめでたし・・・、となるのですが、

実際の反応では塩素原子がなるべく離れた距離の位置に入りたがる
(エントロピー的にエネルギーバランスが分散されて安定)ため、
2-位と3-位の(R)、(S)が逆になる組み合わせの方が優先的に反応が
進みます。この差が、メソ体71%、ラセミ体29%という結果を生む
わけです。

こういった傾向は、アルケンの反応で大きい基が二重結合の両側で
なるべく互い違いの方向に分かれたトランス体が優先的に生成する
事にも見られます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。(R)と(S)が逆になる組み合わせが塩素原子同士の距離が離れて反発が少なくなり安定になるということなんですね。勉強になりました。

お礼日時:2008/10/31 06:21

そもそも反応機構を特定せずに議論することに無理があると思います。


常識的な判断としてラジカル塩素化ということになるのでしょうか。
そうすれば3位のHが引き抜かれることから反応が始まることになりますが、その場合、生じたラジカルが隣接炭素上の塩素と相互作用をすることは予想されます。つまり、アルケンへの臭素の付加の時に出て来るブロモニウムイオンのような3員環構造に近い構造になると考えられます。
そうすると、その3員環には2個のメチル置換基がついていることになり、当然、シス体とトランス体が存在します。立体的な要因を考えればトランス体の方が安定です。
そのトランス体に対して、C-Cl結合の後方から塩素分子への攻撃が起こって置換反応が進むと考えられます。ちょうど、ブロモニウムイオンと臭化物イオンの反応と同様のイメージでOKです。その時の生成物はメソ体になります。
逆に3員環がシスであればラセミ体が生成することになります。
前述のように、3員環構造においてトランスの方がシスより安定で、そちらを生成する方が優位であると考えればメソ体が多く生成することを説明出来ます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2008/12/07 17:02

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