
多くのテキスト、またググっても多くのサイトが書いてる事として、
「水平的公平性は間接税で実現しやすく、直接税では実現しにくい」
「垂直的公平性は直接税で実現しやすく、間接税では実現しにくい」
とありますが、これは完全な間違いではないのでしょうか?どう考えても最終負担者と納税者の同一性と、公平性は完全に別の問題だと思うのです。
(1)「水平的公平性は間接税で実現しやすいかどうか」について。
「消費は所得に比例し、同所得層の人間の消費量は等しい」という仮定を置けば、消費税については正しいです。しかし、たばこ税や酒税の場合は、明らかにこれらを好む人間の税負担が高くなります。また、宝石などの上級財に高い税を課した場合は、明らかにこれらを買う人の税負担が高くなります。つまり、間接税だからといって水平的公平性が実現しやすいというのは間違いです。消費税については正しいですけどね。
(2)「水平的公平性は直接税では実現しにくいかどうか」について。
水平的公平性が直接税で実現しにくい根拠に、所得税では捕捉所得に違いが出ることが挙げられてますが、これは我が国の立法制度の問題でもあり、所得税の本質ではありません。同じ所得を申告した人間には基本的に同じ所得税を課すのですから、所得税でも水平的公平性は実現できます。所得税以外の直接税もそうです。よってこれも間違い。
(3)「垂直的公平性は直接税で実現しやすいかどうか」について。
これは累進所得税を考えれば、理論的にはその通りですので疑いの余地はありません。しかし、一般的には(2)を否定する根拠に「捕捉所得に差があるから所得税では水平的公平性は達成できない」というのが挙げられてますが、その場合、高収入の農家より、低収入のリーマンのほうが多く税金を納める事になってしまいますよね? その場合はもちろん実現できてません。所得税の水平的公平性を捕捉所得を理由に否定することは、垂直的公平性の否定です。その意味では、我が国の捕捉所得の違いを考えると、これも間違いです。
(4)「垂直的公平性は間接税では実現しにくい」かどうかについて。
(1)を見てください。消費税の水平的公平性の根拠に「消費は所得に比例し、同所得層の人間の消費量は等しい」というのが挙げられるようですが、それならば、仮に2倍の所得を持つ人がいたら、2倍の消費をして、2倍の消費税を払うわけですから、垂直的じゃないんでしょうか?また、宝石などの財に対して高い課税をすれば、垂直的公平性を保てる事になりますよね。よってこれも間違いです。
このように、垂直的公平性と水平的公平性には、直接税と間接税は全く関係ないと思うんですが、どうなのでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
概ね、permirさんのご意見は大きく間違ってはいませんが、
下記3点ご確認してください。
1.
まず、
「水平的公平性は間接税で実現しやすく、直接税では実現しにくい」
「垂直的公平性は直接税で実現しやすく、間接税では実現しにくい」
はあくまでも「しやすい」というだけで、当然ですが100%実現できることではありません。
この「しやすい」は、現在の制度を考慮した上で、「可能」という意味があります。なので、我が国の立法制度の問題であり、所得税の本質ではない部分も、考慮しないといけません。わが国というより、どこの国でも同様の問題はあります。
まぁ、「しやすい」という言葉は紛らわしいので、やめて頂きたいですよね。
2.
『水平的公平』は(所得源を異にする)同じ所得水準の人が同じ支出をしたときに同負担納税する
ということなので、「たばこを吸う人」と「吸わない人」を比べると、同じ支出ではないため、間接税でも水平的公平は保障されません。
3.
『垂直的公平』は(所得源が同じで)所得水準を異にする人が、
(同じ内容の支出で)水準が異なる支出をしたとき、所得が高い人が担税力があるのでより多く納税しなかればいけない
ということです。なので農家とサラリーマンを所得源が異なるので、「垂直的公平」の議論で、両者を比べることはできません。
なお、
>仮に2倍の所得を持つ人がいたら、2倍の消費をして、2倍の消費税を払うわけですから、垂直的じゃないんでしょうか?
上記は垂直的な公平ではありません。2倍の所得であれば、2倍以上の税金を払うのが垂直的公平です。
ご不明な点があれば、ご質問下さい。
お返事が遅れてすいません。本当にありがとうございました。
私は頭がかなり混乱していたのですが、そんな中で書きなぐったものに細かく指摘をいれてくれて助かりました。
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