
昔の言葉と、いまの言葉との違いに、疑問を持ちました。
第2次大戦中のゲームなどで、
「ワガ艦隊ハ敵機ヲ発見セリ」
みたいな言葉遣いがありますよね?
これは、現代語で言えば
「私たちの艦隊は敵機を発見した」
となります。
そこで、疑問点が3つ出てきました。
1.どうして、カタカナがひらがなになったのでしょうか?
別にカタカナのままでもよかったような気がするのですが、
外来語との区別をしやすくするためでしょうか?
2.どうして「セリ」が「ます」になっちゃったのでしょうか?
ひらがな表記の「せり」でもよさそうな気がするのに、
なぜわざわざ新しい言葉「ます」にしちゃったのでしょうか?
3.ほかの似たような言葉である、「です」「ます」といった言葉は、
いったいどこから湧き出てきたのでしょうか?
(そんな言葉は、昔はなかったのではないかと思うのですが?)
以上、よろしくお願いします。

No.3ベストアンサー
- 回答日時:
1
改めて聞かれると、そういえばいつを境にきっかり変わったのか、習いませんでしたね。
1945年の終戦のあと、1946年に「現代かなづかい」が答申されているので、そのあたりからじゃないかと思います。
ただ、漢字平仮名混じり文の歴史はもっと古くからあります。
始めは日本には文字というものがなく、中国から漢字が伝わって初めて文字というものを得ました。でも漢字だけでは日本文を表せないので、だんだん
・漢字+その補助記号である片仮名からなる、漢文を読み下した文 と
・漢字一字に一音を配して発達した平仮名からなる、日本語そのままの和文 が
できてきました。
前者は公的な文書用に、後者は物語など私的な文書用に発達していきました。公的な文書は主に男性が使用したので漢字は「おとこもじ」、平仮名は「おんなもじ」とも呼ばれましたが、女子供や無学の人でも読める字という意味ではありません。公と私は対になるものです。当時の平安文学などを読むと、女性も漢字を読むことが求められ、かつ実際読んでいたことが読み取れます。ただ「(公的な場でもないのに)漢字を使うなんて自分の才能を見せつけようとしてるみたいではしたない」という意識が働いて、自分では使わなかった・使う場面がなかったのです。
そんな漢字+片仮名の文と平仮名だけの文は、中世に合体して和漢混交文になりました。その後継が現在の漢字平仮名混じり文です。
物語や手紙などはすでに何百年も漢字平仮名混じり文だったのですが、(江戸時代ごろの物語も作者の性別によらずほぼ漢字平仮名混じり文)法律などの堅~い公式文書にだけは、漢字片仮名混じり文が残っていました。
それが、おそらく前述の「現代かなづかい」あたりから漢字平仮名混じり文に統一されたのでしょう。
2
「せり」は「ます」になってないですよね。質問タイトルにあるとおり「せり」は「した」になったのですね。
「せり」は文語で、「した」は口語です。明治期、書き言葉は文語で書き、話し言葉は口語で話すという「ねじれ」はいかんのじゃないかという運動が起きて、「言文一致」が実現されました。
それで「せり」は「した」になりました。
「せり」の「せ」は、文語のサ変動詞「す」の活用した形です。「した」の「し」も、口語のサ変動詞「する」の活用した形です。「り」は文語の完了の助動詞、「た」は口語の過去・完了の助動詞です。それぞれ後継の形に変わったんですね。
3
「ます」の語源は「申す」だという説がありますが、本当かどうかまだ追求しきれていません。
「です」「ます」の起源が分かったら、かなりすごい論文が書けるでしょうね。
No.5
- 回答日時:
日本の文字の歴史をたどると最初は全て漢字で漢文、次に漢字を音として使用した万葉仮名が使われるようになり次に万葉仮名の一部である片仮名と草書体である平仮名が作られました。
平仮名と片仮名どちらが先かはっきりと確定していませんがどちらも八世紀には出現していたようです。
この内片仮名はお経や漢文などのふりがなとして使われ、平仮名は和語の訓を書くというような使い分けがされていたようです。
しかし仮名交じりではなく漢文が公文書である時代はその後も続きました。
平仮名書きを女手というのはこの頃の言葉です。
時代が下ると公文書は草書・仮名交じりとなり、草書の漢字と親和性の良い(続け書きができる)平仮名が公文書用の文字となりました。
http://www.archives.pref.fukui.jp/fukui/08/2003l …
片仮名はやはり主にサウンドをあらわす文字として使われ続けています。
またカタカナと言うと僧の使うものという面もあり、これはやはり楷書体との親和性、音読みとの関係が理由だと思われます。
そういうわけで江戸時代には僧侶以外は漢字の草書体、平仮名を日常的に使い寺子屋などでも最初から草書体を教えていた(正式な文書は平仮名混じりの漢字草書だったので)のですが明治にはいると一変して国語の教科書で最初に教わるのはカタカナになってしまいました。
理由は活字には楷書体が、楷書体にはカタカナが合っているからでしょう。
なお経文は早くから木版活字及び整版による印刷などを使われています。
http://www.city.kyoto.jp/somu/rekishi/fm/nenpyou …
カタカナは ンとソとリ メとナ シとツ ワとク のように手書きでは特に視認性の悪い物が多く、改良案なども何度か出されましたが結局そのままになっています。
軍隊でカタカナや擬古文、漢文読み下し調が盛んになったのは一種のアナクロニズム的な心理、武士になぞらえようという復古的な趣味が反映している(江戸時代の武士がお役目で候文、偽漢文調の文体を使用したから)のではないかと考えます。
戦後再び平仮名が初等教育で先に教わる字になった理由はいまひとつわかりません。
教育の変化したことの表現だったのかもしれません。

No.4
- 回答日時:
2.明治期に言文一致運動があったからです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%80%E6%96%87% …
二葉亭四迷や坪内逍遥、樋口一葉などによる話し言葉と書き言葉を一致させる運動とその実践を言います。
森鴎外などはその運動にまたをかけて生きていたので、生涯の中で文語で書いた物語と口語で書いた物語を両方残しています。
ちなみに平安時代ごろから出てきたひらがなだけを使った和文も文語であり、それ以降明治の言文一致以前の文はほぼみな文語体で書かれていました。物語であれ日記であれ。ですので文語=平安期の男子の用語から来たという訳ではありません。文語の中の一形態「漢文訓読体」は確かに漢文を読み下すための文体ですが、ことさら男子の用語というわけでもないし、「ワガ艦隊ハ敵機ヲ発見セリ」という一文はただの文語なのか漢文訓読体なのか短いので判別できません。
No.2
- 回答日時:
これは国語史の問題になります。
記者は専科ではありませんので、わかる範囲でお答えします。
(1)
読み難いのでと云うのは、答えになっていません。小児期から片仮名と漢字だけで育てばそれが当然となる筈です。
昔は文字にランクがありました。漢字は真名と云って最上級、片仮名は漢字の一部を取って作られたのでその次、平仮名は最下級でした。因みに、平仮名を女文字と云う言い方をした事がありました。女子供や無学の人でも読めると云う事です。(今ではとんでもない事ですが昔はこう云われていました)従って、昔は正式の文書は漢文かそれを書き下した片仮名交じりの文書となります。
明治期に稗史などは普及が目的ですから、平仮名交じりで書かれていました。日常でも平仮名が主体となって来ました。が、戦争中の数学の本では片仮名交じりの文語文でした。(高木貞治「解析学概論」(初期の版)、伊藤清「確率論」等)
戦後普及を考え、文語文は口語になり、平仮名表記になったのです。
外来語を片仮名で書くと云う習慣も、明治以降です。上記の数学の本や物理の本では、外来語のみ平仮名になっていました。(例、べくとる、にゅーとん。但し「ー」は横書きでも縦棒)
**記者の私見では、小学一年生では先に片仮名を教えた方が、文字の形を取り易いので良いと思います。日常では平仮名が多いと云う事でしょうが、何れにせよ漢字を沢山覚えなければ新聞紙等読めないのですから、その後に平仮名でも良い気がします。寧ろ直線的な片仮名を先ず覚えてから丸みのあり形が子供には取り難い平仮名へ進めば良いと思います。
(2)
「吾敵艦ヲ奇襲セリ」等の文体を文語体といいます。これは、漢文から来ています。初等的には漢文の読み下し文と思って下さい。この文体基本は平安期の男子の用語から来たと云われています。簡潔であるのと漢文を読み下すのに馴染んでいるので今でも書き下し文に残っています。従って相当旧い言い回しが残っています。「セリ--セヨ」も時の経過とともに「する--しろ」と変わっていったのでしょう。
(3)
「です」「ます」体の起源は遺憾ながら記者では確答できません。専科の方の御示教を俟ちます。
御参考にならば幸甚です。
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