一回も披露したことのない豆知識

NSAIDの抗炎症作用は内因性起炎物質のプロスタグランジンGの生合成に関与する酵素COXを阻害することによって発現される。この系の薬物はインドメタシンをはじめ多数存在する。これらはカルボキシル基などの酸性の官能基を共通して有しており、それが脂肪酸であるプロスタグランジンGとも共通している。したがって、酸性官能基は、その活性に最低限必要な官能基ではあるが、必ずしもNSAIDのファーマコフォアと見なすことができない。なぜなら構造全体から見ると、プロスタグランジンGやその前駆体であるアラキドン酸などとは非常に異なっているので、なぜ作用部位の酵素であるCOXを標的にするのか十分に説明できないからである
インドメタシンはインドール酢酸の基本構造からなっている。このインドール部分を他の芳香族に置き換えた構造、いわゆるアリール酢酸構造を基本とする酸性抗炎症薬が多数存在する。この芳香族と酸性官能基を含めた構造部分がこれらの薬物のファーマコフォアと考えられる。しかしなお、内因性の起炎物質プロスタグランジンGとは、芳香族と脂肪族との歴然とした相違があり、それらの間における構造類似性を探すことが困難なように見える。両者の立体構造を描いてみると意外にも両者には高い構造の類似性が認められる。インドメタシンのCOOH基の炭素を1番とすると16番目の塩素原子までの分子全体の構造が、プロスタグランジンGの脂肪族側鎖部分の構造ときれいに重なる。すなわちインドール酢酸を基本として構造に高い構造類似性があることがわかる。このようにNSAIDのアリール酢酸部分の構造をファーマコフォアと同定することができる

A 回答 (1件)

それで何がお知りになりたいのですか、研究報告なら学会誌へどうぞ。

    • good
    • 1

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!


おすすめ情報