こんにちは、いつもお世話になります。
洋書を翻訳文と共に読み比べるのを趣味としておりますが、、、翻訳家の先生がたが、ほぼ例外無しに、、、一冊に付き、一文から数行、無視して翻訳しています。
初めに洋書を翻訳本と読み比べた時は、差別表現など、今の時代にはふさわしくない部分を意識的に、飛ばしているのかな?と思ったのですが、、、(その本は丁度アジア人に対する差別的表現が、翻訳されていなかったので、、)
その後、色々と他の洋書を読み進めていく内に、「単なる読み忘れ???」と思えてきました。
と言いますのも、省略する必要がない箇所を省略しているからです。
別にその箇所が無くてもストーリーを読む上で不便を被る事は無いのですが、、、、。
こういう事は、翻訳者に連絡を取って教えてあげた方が良いのでしょうか?
教えてください、よろしくお願い致します。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
#2欄にいただいたお礼を拝見しました。
「さっさと済ませちゃいたい」という意味合いの部分ですね。これって入れたいですよね。少なくとも、登場人物がそういう心情だったことは読者に知ってほしいところです。ひとつ考えられるのは、全然違う箇所、例えば次のページとか前のページとか、あるいは、一見すると違う文の中に、この意味合いが盛り込まれているということです。例えばそうですねえ、直訳すると「やりたい」と訳せる箇所があるとして、それを「やっちゃいたい」と訳していたら、その「ちゃい」に「It was probably better just to do it and get it over with.」の“気もち”が盛り込まれたことにはなります。変に長ったらしい直訳にするよりも、スマートで、自然な日本語にもなります。
ただですねえ、訳者がうまく訳せずに後回しにした箇所が、つい、そのままになってしまったということは、本を読んでいると結構ありますよ。特に、これなんて、なんだかだと短い箇所ですから、大いにあり得ます。ただ、基本的には、意味を調べつくしてもわからない個所については、訳者なりの意見を添えて編集に判断をゆだねるのがスジではあります。
ちなみに、『フォレスト・ガンプ』の翻訳版は最悪ですよね。あれは、これでもかというほどステレオタイプや差別表現を盛り込むことでこそ、ステレオタイプや差別表現に振り回される現実世界のバカらしさをあぶりだしているブラック・ユーモア小説なので、あんなに当たり障りのない本にしちゃうと、別の作品になっちゃいますよね。
もちろん、すごくストレートな本の中に、ほんの少し盛り込まれた差別表現を消すのは仕方がないにしても、ああいう作品は最初から「こういう意図でやってます」と断り書きを添えて、どぎつい表現を盛り込むものだと思うのですが、なんなんでしょう、映画版にあわせて焦って出版したんでしょうか。あまりに欲求不満で、私は趣味であの小説を勝手に訳しています。でも出版の予定は皆無です。差別表現だらけなので(笑)。「アジア人」なんて、生易しい単語を使ってちゃダメですよ、あれは(笑)。
ついでに言うと、たったの一文だからと思わずに、出版社に連絡するといいですよ。というのは、ちりも積もればで、出版社の担当者は、受けた意見を、いちいち付箋などで印を付けていたりします。その数が多くなれば、再販がかなった時に、まとめて予算を組んで改訂しますので。
あ、そうそう、それから私ももちろんよく訳し忘れますよ。だから、二度三度と照らし合わせて、最後にはパソコンのソフトで訳文を朗読させて確認してから納品しています。それでも、校正段階で編集者とのあいだに連絡ミスがあって、正誤表まるごと一枚分くらい抜けたりして、あとで青くなったりします。だから、再販・改訂の機会を得られるように、本をどんどん買ってもらいたいものですよね。
この回答への補足
超人、再度の御回答ありがとうございます。
まだまだ、翻訳本という補助輪なしでは洋書を自信を持って読めない僕としては、兎に角、翻訳者様様方にはどんどん訳していってもらいたい、迷惑かけたくない、、、しかし、、、どうして??? と欲求不満を募らせていた中、プロの超人から御回答頂けて感謝感謝です。
>「さっさと済ませちゃいたい」という意味合いの部分ですね。これって入れたいですよね。
そうなんですよ、翻訳本だけ読むと周りの圧力に主人公が負けているみたいで、主人公自身の意思も有った事が分からない訳になっているんですよ。 ただ、本当に有っても無くてあんまり変わりばえはしないんですが、、、。
>ひとつ考えられるのは、全然違う箇所
読み直してみました。むむむ、、次のページ(3段落後)に、『やらなくては。』という文が入っている、、、が、そこは、原文にもhad to doとなっているので、、飛んだ訳ではなく、、単なる訳か、、。。 またこの箇所は、周りの圧力でやらなければと思いなおした箇所なので、訳抜け箇所のサポートにはなっておらず、、、。 でも、まああんまり重要ではないんですが、、、。
>ただですねえ、訳者がうまく訳せずに後回しにした箇所が、つい、そのままになってしまったということは、
なるほど!! そんな原因があるのですね!! 訳(英文理解)は兎も角、小説としての文章に悩む、と某翻訳者がブログでつぶやいていました。 リーディングは1日で終れても、翻訳には1日5ページの時もあるとか。 納得です。
>ちなみに、『フォレスト・ガンプ』の翻訳版は最悪ですよね。
ワハハッ。 確かにあれ程、カットが多い翻訳本は後にも先にも見たことがありません。僕的には毒なし処理された翻訳本もそれなりに好きなのですが、確かに全くの別物になっていましたね!!
>あまりに欲求不満で、私は趣味であの小説を勝手に訳しています。でも出版の予定は皆無です。
むむむ!! 残念!! できれば読みたいのですが、確かにあれをそのまま日本で出版するのは不可能か!!!? 生半可ではない差別表現ですからね。
>「アジア人」なんて、生易しい単語を使ってちゃダメですよ、あれは(笑)。
ううん、超人がどんな単語を選んだのかすごい興味があります。しかし、ここはグッと堪えます。
>ついでに言うと、たったの一文だからと思わずに、出版社に連絡するといいですよ。
そうだったのですか! 今の時代出版社のHPに行けば簡単に連絡できますので、これからは連絡する事にします。
>あ、そうそう、それから私ももちろんよく訳し忘れますよ。
これが一番驚いた!! 超人もするという事は、だれでもすると言うことですね! やっぱり、1冊最低でも300ページ前後有りますからね、その中の1文程度、誰でも忘れてしまうのかも知れません。
>だから、再販・改訂の機会を得られるように、本をどんどん買ってもらいたいものですよね。
実は、このカテで、「英語の教材がなんたらかんたら」という質問を読むたびに、本当は「名文の翻訳本と原本を買え!」と言いたくなりつつも、そんな事言っちゃだめ??? 悩む今日この頃です。
名文翻訳本は、芸術的、又学術的観点から見てももうちょっと注目されても良い筈ですよね!
それにしても積年の疑問が氷解して爽やかな気分です。
超人、本当に御回答ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
ノンフィクションでもそうですが、ことフィションの翻訳の場合は、原文通りの順序や区切り目通りにセンテンスを並べるとは限らないので、どこかに、その「抜けていると思われるセンテンス」の存在が隠されていることが多々あります。
そんなに「無視して」いる箇所が多いとお感じになるなら、この可能性が高いです。何か具体的な例を示していただけると、より的確なアドバイスができるのですが。とはいえ、数行を引用していただく程度では判断できない場合も多く、かといって、あまり大量に引用すると著作権に触れるので、つらいところですね。
一方で、「出版するにふさわしくない」と判断して削除される箇所は結構あります。これはノンフィクション、映画、写真集、どんなものでもあり得るのはご承知の通りかと思います。けっこう、せっかく訳したのに、出版社側で丸ごとバッサリ削除することが少なくなく、訳者は泣きます。
いずれにしても「数行」という大きな規模で見落としがあるとは、あまり考えられません。チェック機能はいくつもありますので。
>こういう事は、翻訳者に連絡を取って教えてあげた方が良いのでしょうか?
「翻訳者に教え」るのではなく、「出版社に問い合わせる」ですね。再販時に考慮してくれたりします。翻訳者は案外と出版後にチェックして「っ、やっぱ削られてるよ」と地団太を踏んだりしています(笑)。
超人、御回答ありがとうございます。
>ノンフィクションでもそうですが、ことフィションの翻訳の場合は、
その点に関しては重々承知しています。
>そんなに「無視して」いる箇所が多いとお感じになるなら、この可能性が高いです。
いえ、質問文にも書きましたが、1冊に付き1センテンスが平均です。 殆ど無視している箇所はありません。(多くありません)
>何か具体的な例を示していただけると、
現在読み始めた、Fern MichaelsのLate Bloomerより引用します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Cady could feel her inside start to shake as she looked at her friends. It was probably better just to do it and get it over with. She took a moment to ponder her immediate problem.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大嶌 双恵 訳 二見書房
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
友だちを見回しながら、キャディーは自分の内側が震えてくるのがわかった。ふと、自分の置かれている状況を良く考えてみた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後何処にも、It was probably better just to do it and get it over with. 「きっと、やって、済ましちゃ方が良いんだろうけど。」等の訳文は出て来ません。
>一方で、「出版するにふさわしくない」と判断して削除される箇所は結構あります。
やっぱり、今の時代では許されない差別表現なんかは、バッサリ削除ですか!! そうじゃないかと思っていました。 僕もそういうのは、無しの方が良いなと思いましたし。 それでも折角訳した、翻訳者様は大変ですね!
>いずれにしても「数行」という大きな規模で見落としがあるとは、あまり考えられません。
大きな規模であったのは、差別表現のみです。 なので、やっぱり、そういう事なのだと思います。
>「出版社に問い合わせる」ですね。再販時に考慮してくれたりします。翻訳者は案外と出版後
尊敬する、翻訳者様には絶対に迷惑をかけれまい!! ましてや出版社にチクる等、、、。と今迄考えていました。 逆だったんですね!!(泣) とはいえ、他の翻訳者ならいざ知らず、超人が、訳し忘れをするとは想像できません!!!!
現場報告ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
> 翻訳家の先生がたが、ほぼ例外無しに、、、一冊に付き、一文から数行、無視して翻訳しています。
「例外無しに」というのは言いすぎだと思います。しっかりした翻訳家も大勢います。質問者様がたまたま、そういう本によく当たるのだと思います。
訳が抜けている原因でいちばん多いのが、仰るように「訳し忘れ」です。
原文とパソコンの画面(むかしなら原稿用紙)を交互に見ながら翻訳を進めていきますから、うっかり1文・1段落飛ばしてしまうこともあります。特に同じ単語がよく出てくると、視線が原文にもどったときに、訳している箇所を勘違いしてしまうことがあるのです。
そのほかに訳が抜ける要因は
・どうしても意味がわからないので飛ばした。
・翻訳が出版されたあとで原書の改訂版で文章が加筆された。
などです。また、翻訳は単語をひとつひとつ日本語に置き換えないので、原文が長い文で書いてあるのを日本語でひとことに置き換えてしまう場合もあります。
差別的表現があるから訳さないというのはあまりないと思います。その場合は「差別的表現がありますが、原文を尊重してそのまま訳しました」と断り書きをするのが一般的です。
訳が抜けているのは、基本的には編集者の責任です。良心的な編集者は必ず原文と訳文を対比して、抜けやおかしな訳がないかチェックします。それをしていない怠慢な編集者が、そうした抜けのある翻訳を世の中に出すのです。
訳の抜けを見つけたときの対応ですが、翻訳家や編集者に連絡しても直される可能性はほとんどないと思います。現在は本が重版されることが少なく、重版されるにしても、その1文のためにわざわざコストをかけて改版することはまずないでしょう(よほど売れる本でなければ)。連絡してもお礼すら言ってこないかもしれません。
訳が抜けているのを見つけたことで満足するにとどめておかれたらいかがでしょうか。
達人いつもありがとうございます。
>「例外無しに」というのは言いすぎだと思います。
すいませんでした。 確かに僕が偶然そういう本に当たったのだと思います。
>・どうしても意味がわからないので飛ばした。
翻訳家ほどの専門家の先生でもそういう方はいらっしゃるんですね!
>翻訳が出版されたあとで原書の改訂版で文章が加筆された。
こんな事もあるんですか! そうなると必ずしも翻訳者の責任ではないんですね! 全く素人で、出版業界の事は知らないもので、、、。 なるほど! 納得です!
>また、翻訳は単語をひとつひとつ日本語に置き換えないので、原文が長い文で書いてあるのを日本語でひとことに置き換えてしまう場合もあります。
こういうのは、気にしていません、意味として同じなら、飛ばした事に成りませんから。
>差別的表現があるから訳さないというのはあまりないと思います。
そ、そうだったんですか! フォレスト・ガンプで、「ダウン症がアジア人みたいな顔」という説明部分、、、数行も、、見事にカットされていたので、、、、。 そういう物なのかと思っていました。
全く狭い見識で、僕は考えていたんですね。(汗)
>訳が抜けているのは、基本的には編集者の責任です。
大手の編集者といっても、まだまだ、甘いですね!!!
>訳の抜けを見つけたときの対応ですが、翻訳家や編集者に連絡しても直される可能性はほとんどないと思います。
な、なんとそんなに大変なものなのですね!!! そんなコストが掛かるとは知りませんでした!!
実は、誤訳でも、訳の抜けでも無く、誤植を発見して某出版社に連絡した事があるのですが、
「そういう表現だと責任者がいっておりました。」という返信を頂いた事があります。
その時は何故、そこまで強情に???と思ったのですが、、、そんなコストが掛かるとなると間違いは見つけても見ないフリにする理由が分かりました。
>訳が抜けているのを見つけたことで満足するにとどめておかれたらいかがでしょうか。
特にあっても無くても、ストーリーに影響する文章では無いので、そうする事にします。
改めて、ご親切に御回答いただき御礼申し上げます。
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