真空管プッシュプル・パワー・アンプのプレート間電圧をバイアス調整結果の「0mA」を監視するためのメーターとして0mAセンターの電流メーターを使いたいのですが、出力トランスの1次側に並列に入れた電流計が、デジタル・マルチ・テスターと併用していると正常なのに、テスターを外すと暴走してしまいます。(回路図と写真、後で添付します)
普通は、電流計は並列でなく直列に回路に組み込むのでしょうが、バイアス調整のために、電流テスターはパラにして使う(Lux社のバイアス調整要領解説による)ので、同じように使いたいのですが、この状態に陥り困っています。 この場合、アンプ取付けの監視用メーターは、10KΩくらいを挿入して使うものなのでしょうか?
アドバイスいただきたく、ご相談するしだいです。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
状況は大体分かりました。
#3に書いた推測で正解のはずです。
1.「±100mAの電流計」(以下「電流計」と略)は、実は外部に分流抵抗が必要なタイプである。
2.「電流計」に分流抵抗を繋がないで使用すると、100mAよりも遥かに小さな電流しか測れない(小さな電流で振り切れる)状態になる。
3.僅かな電流で振り切れてしまうため、ウォームアップ時の電流バランスの僅かな変化で、針が振り切れてしまった。
4.テスターの電流測定レンジでは、分流抵抗は不要(テスター内蔵されている)なので、ごく普通にバランス測定が出来る。
5.テスターと電流計を並列に繋ぐと、テスター(の内部の分流抵抗)自体が「電流計」の分流抵抗の役目を果たすので、「電流計」の感度が落ちて、ごく普通にバランス測定が出来る。
解決法は#2に書いたとおり、「分流抵抗を並列に付ける」です。
分流抵抗の値は、#3に書いたとおりに「電流計」の感度測定をして、「電流計」+分流抵抗で±10mA程度に調整するのが良いでしょう。
お気に障ったらすいませんが・・・質問者様は、電流(計)・電圧(計)の特性を再度学習する必要があるように思われます。
> 添付図の(1)(テスタと併用)では、テスターと同じ値を示して、数値が変わっても追従しますから、目盛りどおり動作しているようです
並列で同じ値(正しい値)を測れるのは「電圧」です。
「電流」が同じ値(正しい値)を示しているのを確認するには、テスターと電流計を「直列」に繋がなければなりません。
(実際に直列に繋いでみれば、上記のとおり、100mAより遥かに小さな電流で電流計が振り切れてしまっていることが分かるはずです)
テスターと電流計を並列に繋ぐと、電流(今回の場合はアンバランス電流)がテスターと電流計に分流します。
その分流の比は、それぞれの内部抵抗に反比例します。テスターの電流測定レンジの内部抵抗は、100Ωよりもずっと小さいですから、アンバランス電流の大半はテスター側を流れてしまい、電流計側には殆ど流れません。
両者の値が一致したのは「単なる偶然」で、同じ電流が流れていたということでは決してありません。
> テスターで計測したところ、「100Ω」でした。
え~と、(100mAの)「電流計」の内部抵抗が100Ωということは「あり得ない」んです。
例えば、1.5Vの乾電池の両極間に15Ωの抵抗を繋ぐと・・・100mA流れますよね。この電流を、もし「内部抵抗100Ωの電流計」で測ったらどうなるでしょう?
(答え:ものすごく大きな誤差が出ます。値はご自分で計算してみて下さい)
基本的に、
・電流計:内部抵抗は0に近いのが理想
・電圧計:内部抵抗は∞に近いのが理想
であって、実際そのように作られています。
(そうでないと、上記の例のように測定誤差が非常に大きくなってしまう)
ですので、「(100mAの)電流計の内部抵抗が100Ω」もあったら、その時点で「あれ、おかしいぞ?」と気づいて頂きたいのです。
ありがとうございました、納得いたしました。早速、やってみます。
ps:
ご指摘のとおり、雑誌の回路図を見よう見真似で、何とか形にして一人悦に入っていますが、「電気の基本の基本」が勉強出来ていません、お恥ずかしい限りです。 ですが、丸呑みの猿真似でも、「汗をかいて結果が出る喜び(”冷や汗”かも(笑)」は、まだまだ捨てられそうにありません。今後も、また何か、不可解な難問(私にとっては・・)に直面したら、宜しくご教示ください。 本当に、ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
> ただ、問題の暴走する電流計は、”フルスケール100mA(センターから±50mA)”ですが
とすると、当方が想定していた暴走状態とは違う可能性もあります。
(単純に、電流計の感度が高すぎて指針が左右どちらかに張り付いている状態と思っていました)
というのも、添付画像によれば(ちょっと読みにくいですが)「電流計の直流抵抗100Ω」と読めたので、こんなに高い(内部)抵抗ならば微小電流計だろうと(勝手に)推測していたのです。
もし本当に電流計の内部抵抗が100Ωであれば(私の読み間違い?)、
「目盛どおりの100mAの電流計として使うには、外部にかなり低い値の分流抵抗を並列に繋ぐことが必要」
になるはずです。
そこで再確認したいのですが、
・暴走状態とは、具体的にどういう状態なのでしょうか?
・電流計の内部抵抗は何Ωですか?(100Ω?)
・電流計は、現状でちゃんと目盛どおりの値で動作しますか?(数mA程度で振り切れたりしませんか?)
もし100mAよりも遥かに小さな値で振り切れるならば、電流計の感度を測り直して下さい。
具体的には、乾電池等にVRを付けて可変電圧源を作り、何Vを掛けると電流計がフルスケールを指すのかを測って下さい。
で、仮に「内部抵抗100Ωで、感度500mV」とすると
・単体ではフルスケール5mAの電流計
・100Ωの分流抵抗を付けると、フルスケール10mAの電流計
・33.3Ωの分流抵抗を付けると、フルスケール20mAの電流計
・25Ωの分流抵抗を付けると、フルスケール50mAの電流計
・・・
となります。
この回答への補足
継続したご指導、再確認、ありがとうございます。
まず一点訂正させてください、「フルスケール100mA(センターから±100mA)」の間違いでした(±50ではなく・・)。 資料中央の写真の、黒い大型メーター(メーターパネルには、1.5KV、Class:2.5・・と印字)ですが、見難いですね、スミマセン。
>・暴走状態とは、具体的にどういう状態なのでしょうか?
=>「暴走する」という表現をした現象は、テスターで正常なバイアス調整(電流計も同じ値を示す)をして一旦アンプをOFFした後、テスターのみを外して再度アンプをONすると、約7~10秒後(真空管が温まったころ)、電流計の針が見る見る上昇し、1~2秒で針が振り切れそうになる・・・という状態です(怖いので、3回とも慌てて電源をOFFしたので、どこかで落ち着くか・・は見極めていませんが・・)。
>・電流計の内部抵抗は何Ωですか?(100Ω?)
=>テスターで計測したところ、「100Ω」でした。
>・電流計は、現状でちゃんと目盛どおりの値で動作しますか?(数mA程度で振り切れたりしませんか?)
=>乾電池によるテストは思いつきませんでしたが、添付図の(1)(テスタと併用)では、テスターと同じ値を示して、数値が変わっても追従しますから、目盛りどおり動作しているようです(=添付資料の中央の写真にある状態では「2mA」でテスターと同期している状況を示しています)。
ご指導いただいた下記の「乾電池で・・」は、早速(今晩帰宅後に)、実験してみます。 引き続き、ご指導、よろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
不明確な点がいくつかありますが、とりあえず回答します。
> 真空管プッシュプル・パワー・アンプのプレート間電圧をバイアス調整結果の「0mA」を監視するためのメーターとして0mAセンターの電流メーターを使いたいのですが
「電流計」では「無信号時の一時的な点検」は出来ますが「常時監視」は出来ません。(特に音声出力時は絶対無理。電流計を接続しっぱなしではアンプも正常動作しなくなるし、電流計も壊れる可能性がある)
常時監視が必要であれば「電圧計」または「電流計+抵抗」を入れる必要があります。但しこの場合、指針値がOPTの巻線抵抗値(のアンバランス)の影響を受けるため、正確なバランス調整は出来ません。
電流計を使用する場合
PP用OPTの許容アンバランス電流は通常2~3mA程度で、また固定バイアスの出力管のIpは(バイアス調整で)簡単に10~20mAは増減してしまいますので、フルスケール20mA位(センターから±10mA)の物が良いでしょう。それよりも高感度だとバイアスの大雑把なセンター調整がやり辛くなり、低感度だと±2~3mA以内に合わせる調整がやりにくくなります。
電流計の場合は「一時的な点検」専用になるので、電流計の回路にはSW(押しボタンSW等が適切)を入れて、通常時は切り離せるようにする必要があります。
電圧計(または電流計+抵抗)を使用する場合
OPTの1次巻線抵抗は数百Ω程度なので、上記の電流計と同じ表示範囲にするにはフルスケール2~5V程度(OPTの巻線抵抗値によって変わる)が良いでしょう。
また、この電流計はOPT一時側と並列に繋がり、出力管から見た負荷の一部になるので、高内部抵抗である必要があります。最低でも負荷(OPT1次側)の20倍以上の内部抵抗は欲しいので、小型の電圧計や電流計+抵抗では性能不足になるはずです。
(貴方の今の電流計では多分無理。10kΩを付けても内部抵抗が低すぎ、もっと大きい抵抗ではまるで感度不足になるはず)
メーターのほかにOPアンプ等で回路を組んで「電子電圧計」にした方が無難かも知れません。
更に、OPTのP1~B間とP2~B間の抵抗値が最初から5%程度違っている場合もあるので、この方法は元々「PPのDCバランスチェック用としては全く精度不足」です。あくまで出力管が「極端」にアンバランスになっていないかどうかだけの「監視用」となります。
電流計暴走の理由
・電流計のフルスケールが小さすぎる
→電流計に「並列」に10~100Ω位の抵抗を入れて、電流計の感度をもっと下げる
・音声出力時にも測定測定してしまっている
→元々無理。無信号時しか測定出来ないので、回路を切り離すSWを追加して下さい
懇切丁寧なご指導ありがとうございます、大変助かります。
このアンプが古く安定性に不安があり、高価な球(6RA8)を保護するため、毎回の起動時にはDCバランスをテスターで確認してから使っている状態なので、ご指摘のとおり”あくまで出力管が「極端」にアンバランスになっていないかどうかだけの「監視用」”のつもりです。幸い、RH/LHチャンネルを電流計1機でカバーするために切替トグル・スイッチを設置していましたので、ご指導のとおりの使い方をします。ただ、問題の暴走する電流計は、”フルスケール100mA(センターから±50mA)”ですが、これに”「並列」に10~100Ω位の抵抗を入れて・・”ということでよいのでしょうか? 確かに、「デジタルテスターを併用していると、電流計も正常(同じ値を示す)」という現象のデジタルテスターの抵抗値が10~100Ω(レンジで差がある)なので、同じ回路構成になる」と勝手に納得しています。 早速試してみます、ありがとうございました。
ps:ご貴殿が、別の方へアドバイスしておられるように、「カソードへ2Ω程度の電圧測定用抵抗を入れて、カソード間の電圧バランスを監視」とするのがより健全なのでしょうね。
No.1
- 回答日時:
テスターは電流測定端子間に低抵抗が接続されています、特にデジタルテスターは抵抗値が小さいのです。
この抵抗の両端の電圧を超高感度で測定し電流として表示しています、
ですからメーター単体でスケールアウトしているのならばアンバランス状況と思われます。
できればスケールアウトしない程度の抵抗をメーターに直列に入れてセンターメーター単体で測定してください。
パラに使うのならばデジタルよりもアナログテスターがいいでしょう。
ご指導ありがとうございます。 「なぜ、デジタルテスターの抵抗値が10Ω(100mAレンジ)、OPT抵抗値が400Ωなのに・・」と不思議に思っていましたが、内部抵抗100オームの電流計よりもデジタルテスターに優先して電流が流れるので電流計はスケールアウトしない・・というメカニズムなのですね。 ということは、このデジタルテスターを接続しているときは、OPTにはほとんど電流が流れていない(=無信号時のみの特殊な環境であり、常時モニターは出来ない=JT190さんのご指導)ということなのですね。
実のところ、このアンプが古くて安定性に不安があり、高価な球(6RA8)の寿命を少しでも長く使おう・・・・と、毎回の起動時にはDCバランスをテスターで確認してから使っている状態(そのため、プレート電圧点検用の外部端子を設置している)なので、あくまで出力管が「極端」にアンバランスになっていないかどうかだけの「監視用」のつもりです。
問題の暴走する電流計は、”フルスケール100mA(センターから±50mA)”ですが、上記のメカニズムなら、テスターを取り外した状態では、OPT(400Ω)より、100Ωの電流計へは100mA以上の電流が流れている・・(真空管のプレートにも・・!)。 これでは、本来目的の「高価な球(6RA8)の寿命を少しでも長く使おう・・」とは逆の行為をしていることになりますね。ご指導のとおり「スケールアウトしない程度の抵抗をメーターに直列に入れてセンターメーター単体で測定・・」することで、監視はもとより、起動時に真空管に過大電流が流れ痛めつけるようなことのないようにします。計算では、10KΩ程度を直列に入れれば、真空管にとっては、ほぼOPTの抵抗値(400Ω)に近い抵抗なので、電流暴走も無いのでは・・・?、と思いますので、ボリュームでも入れてメーターの振れ具合を調整しながらやってみます。ご指導、ありがとうございました。
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