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国際連盟と国際連合の集団的安全保証制度の違いについて質問です。
連盟規約は連合憲章とは違って国際紛争解決のために戦争に訴えることを一般的に禁じたのではなく、少なくとも権利侵害の救済を目的とする自助のための戦争は許されていたそうです。
しかし、自助のための戦争が許されているとは、連盟規約のどこに書かれているのですか?
教えてください。

A 回答 (1件)

国際連盟規約


第一二条〔紛争の平和的解決〕一 聯盟国ハ、聯盟国間ニ国交断絶ニ至ルノ虞アル紛争発生スルトキハ、当該事件ヲ仲裁裁判若ハ司法的解決又ハ聯盟理事会ノ審査ニ付スヘク、
且仲裁裁判官ノ判決若ハ司法裁判ノ判決後又ハ聯盟理事会ノ報告後三月ヲ経過スル迄、如何ナル場合ニ於テモ、戦争ニ訴ヘサルコトヲ約ス。





※古来より戦争は紛争解決の最終手段として用いられてきた。戦争は違法なものではなく、ただ、戦争の方法にルール(戦争法規)があるだけであった。
 近世初頭からグロチウスをはじめとする国際法学者は「正しい事由(justa causa)による戦争ならば正当化される」とする「正戦論」が提唱されるようになった。この「正しい事由(justa causa)」としてグロチウスは防衛・財産の保全・制裁の3つを挙げている。(『戦争と平和の法』)

 しかしその事由の正当性を判断する上位の機関は存在しないため、現実にはそれぞれが自国の主張を繰り返すだけになり、この状況を追認する-正戦と不正戦を区別しない-「無差別戦争観」が定着した。(ヴァッテル『国際法』)

 20世紀に入ると平和的解決を目指さずに戦争に訴えることを禁止する条約が結ばれるようになった。(債務回収のための兵力使用を禁止するポーター条約 1907年 )
 また 1913 - 14 年に合衆国を中心に結ばれたブライアン条約では、一定の紛争を、同条約の設置する常設国際委員会に付託することを義務づけ、審査終了までの期間は戦争行為を禁止するというものであった。この条約は戦争そのものを禁止したわけではないが、国の交戦権の行使を一定期間猶予させるという意味で戦争モラトリアムを最初に取り入れた条約と言える。

 国際連盟規約ではこの流れを受けて、国交断絶のおそれのある紛争について、国際裁判・連盟理事会に付託することなく行う戦争(規約第12条)及び判決・理事会の報告後3か月間のモラトリアム期間に行う戦争(規約第12条)、判決・理事会の勧告(当事国を除く全会一致)に従う国に対する戦争(規約第12条・15条)を禁止した。しかしこれは逆に言えば、判決・理事会の勧告(当事国を除く全会一致)に従わない国に対し、3か月経過後に行う戦争(規約第12条・13条・15条)や全会一致でない場合に3か月経過後に行う戦争(規約第12条・15条)を容認するものでもあった。

 第1次世界大戦における戦争の悲惨さからか、欧州5か国でのロカルノ条約(1925年)を経て、不戦条約(ブリアン・ケロッグ条約;1928年)が締結され、戦争は違法化されるようになった。この条約は人類史上、戦争の禁止を法制化した画期的なものであったが、この条約をもってしても戦争を止めることはできなかった。

 第2次世界大戦後、これらの流れを受けて国連憲章(1945年)が制定された。自衛権の行使(憲章第51条)及び軍事制裁(憲章第42条)の例外を除き、武力の行使による威嚇が禁止された。(憲章第2条)
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