これ何て呼びますか Part2

名詞の複数形に付ける文字と三単現の動詞に付ける文字が両方とも「s」なのは偶然ですか?必然ですか?
何故片方が「s」ならもう片方は「t」や「u」等の別の文字にはならなかったのか?
そもそも何故語尾に付ける文字にアルファベット26文字の中で「s」という文字が選ばれたのか?
等と考えてしまいました。
幾ら中学高校と英語を習って来ていても、所詮は生粋の日本人である私には「主語によって動詞の形を使い分ける」というのがどうしても感覚的に理解しかねます。
御存知の方は御回答を宜しく御願い致します。

A 回答 (4件)

>そもそも名詞に性別が存在する意味は何でしょうか?



これは分かりません。無生物に性別があるのは一説にはアニミズムの影響だとか言われることもありますが、何分古すぎて証拠がないため単なる憶測に過ぎません。
ともかく古典語と言われる言語の一番古い文献にもすでに名詞の性別が認められているのですから、延々と区別し続けていることは事実です。
ところで、英語は名詞の性別を失いました。また、男性・女性・中性という3つの区別はなくなったものの2つになってしまった言語や今でも3つの区別を持つ言語もあります。
区別を伝えていくためには「違い」を持つことが重要で、ただ性別を暗記だけで覚えなければならないなら、また文字や口から出た言葉に違いが見て取れないなら区別は早晩廃れていきます。
3性の区別を持つ言語、例えばドイツ語では冠詞が性別によって違うことがもっとも重要です。冠詞は常に名詞とともにあるため、否が応でも名詞の性別を、その意味はともかく、覚えることになります。

das Buch(本:中性), der Tisch(机:男性), die Hand(手:女性)

これらを「本は中性だな」と覚えるのではなく冠詞とともに覚えていきます。冠詞以外にも名詞につく形容詞もちょっとずつ形が違いますがそれも「der があるときはこういう形、die があるときはこういう形」とパターンが刷り込まれていきます。
冠詞でなくても、名詞の語尾の形が性別によって決まっている言語もありますが同じことです。「こういう語尾の名詞にはこういう形容詞がつく」ということが経験的に刷り込まれていきます。
性別が3より少ない言語は、その区別する部分が同じになったためです。
例えばオランダ語では今でも辞書には名詞が3つの性別のどれに属するか記されていますが、中性の冠詞は het ですが男性と女性の冠詞は同じになってしまって de です。また、形容詞の形も中性だけが違います。こうなってくると3つの性別など有名無実に等しいもので、生物以外で de のつく名詞の区別はないに等しいものです。
英語は冠詞も形容詞も違いが全くなくなったため、名詞の「文法的な性別」は意味をなくしたのです。

名詞の性別のある言語を話す人でも、名詞に姓がある理由を答えられるというか考える人はまれでしょう。区別する手だてがある限りは細かいことは抜きにして「何かグループ分けのようなものがあるな」という意識だけでも伝えられていくものです。

>動詞を人称や単複によって活用する意味は何でしょうか

これも分かりませんね。同様に古すぎる問題故に証拠がないのです。動詞の活用で人称を区別しない言語もあるわけですから人間にとって絶対必要というものもないでしょう。

>どうしても必要なものなら、時代を経て消滅したものが出て来たりはしなかったのではないでしょうか

英語のように三単現しか区別がなかったり、北欧諸語のようにそれすらない言語では主語を付けることによって人称が区別できます。ロマン系やスラブ系のように今でも各人称、単数複数で動詞の語尾が違う言語では誤解が生じぬ限り主語を省くことがよく行われます。

英語にとって人称語尾を増やすことにメリットはないわけです。またロマン系やスラブ系で人称語尾を(わざわざ)なくすことに意味があるとも思えません。
もしかすると、楽な発音が広まって人称語尾が消えることがあるかもしれませんが、それがスタンダードになるには今まで以上に長い時間がかかりそうです。

言葉はほったらかしておくと変化するものです。しかし現代から未来にかけては言語はほったらかしておけるものではなくなっています。
教育やメディアによって「正しい」とされるものが国民に行き渡ります。こうして一旦正しい基準のようなものができると、おいそれとは変えられない、話し言葉や方言は認めつつもやはり基準は「標準語」にあるという意識ができ、言語全体が、特に根幹に関わる文法的なところはなかなか変化しにくくなります。
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どちらも s であることは偶然ですが名詞と動詞それぞれにおいては偶然以外の要素もあります。



・複数の s
現代語でも s 複数以外に少数の不規則なものがありますが古英語では規則的なものとして以下の分類があります。

1. stan - stanas (stone - stones)
2. scip - scipu (ship - ships)
3. hus - hus (house - houses)
4. giefu - giefe (gift - gifts)
5. wund - wunda (wound - wounds)
6. oxa - oxan (ox - oxen)

foot - feet のようなものは「ウムラウト型」で古英語でも少数の不規則なものとして扱われます。また少数の中性名詞には lamb - lambru (lamb), cild - cildru (child) のような r 型もありました。

古英語には名詞に文法的な性別があり、1は主に男性名詞、2・3は中性名詞、4・5は女性名詞、6は主に男性名詞と女性名詞でした。
2~5は語尾が母音で、古英語の後期になり語尾がはっきり発音されなくなると(語尾は曖昧な e に統一が進み後に発音されなくなる)、区別が困難になるため1型が他の型にも応用され始め、6型も多くは1型に変わりました。さらに中英語期以降大量に流入してきたフランス系の名詞が軒並み s 複数だったため(これは偶然)さらに s 複数が支配的になりました。

・3単現の s
動詞の人称語尾は古英語では4種類あります。これは中英語期まで引き継がれました。

I worke
thou workst
he worketh/workes
we/ye/they worken/worketh

三人称単数と複数に2種類ありますが、これはもとは方言的差異でまず複数人称が -en に、次にかなり遅れて近代英語の頃に三単現が -es が主流となります。
語尾の弱化はさらに進み e を含むところは e が(無理がなければ)発音されなくなります。

I work, thou workst, he works, we/ye/they worken

ここで -en 語尾について触れておくと、-en は落ちやすい、呑み込まれやすい音ということが言えます。過去分詞で一部 -en 語尾を持つものがありますが、元来強変化動詞(不規則動詞のうち母音が変化するもの)の過去分詞は全て -en に終わるものです。現代でも got - gotten のように両形があるものがあったり、bound のように -en がないもの、writ のように古くは -en のない形が使われたものなど混沌としているのは -en が消えやすい音だったからと考えられます。
これと同じことが動詞の複数語尾にも考えられ、we worken > worke > work と脱落するにいたりました。

結局残った thou workst は thou 自体が古文体専用になったため日常的な使用からは消え、語尾らしいものは三単現しか残っていません。

以上から、音声的な理由・淘汰・人称代名詞の使い方の変化の結果、三単現の s だけが残ったのです。

>「主語によって動詞の形を使い分ける」というのがどうしても感覚的に理解しかねます

敬語の使い分けやものの数え方の複雑さも外国人からすれば奇怪なものです。習慣に根付くものなので当たり前なことです。
英語は三単現だけ別の形をしているというかなり珍しい例で、印欧語を調べてみると、単複全人称違う言語や、全て同じ言語、一部同じところがあるものなどさまざまです。

この回答への補足

御回答有り難う御座います。

>古英語には名詞に文法的な性別があり、1は主に男性名詞、2・3は中性名詞、4・5は女性名詞、6は主に男性名詞と女性名詞でした。

当方、外国語は英語と中国語しか齧ったことがない者です。
生き物なら兎も角、そもそも名詞に性別が存在する意味は何でしょうか?

>動詞の人称語尾は古英語では4種類あります。
>三単現の s だけが残ったのです。

そもそも「三単現のs」以前の問題として、動詞を人称や単複によって活用する意味は何でしょうか?
もしどうしても必要なものなら、時代を経て消滅したものが出て来たりはしなかったのではないでしょうか?

補足日時:2010/02/20 22:15
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あえてザックリと言えば、名詞の複数形で使うsはフランス語由来のものです。

でも中にはfoot-feetやtooth-teethのように語尾以外の部分で複数を表すものがあり、日常の基本語に多いこれらの言葉はゲルマン語や古英語由来のものだったはずです。

一方、動詞の活用については中世にはもっと多様な活用が存在しました。代表的なのはhave-hastのように-stや-tがつくもの(Thou hast, shalt等)ですが、時間が経つにつれてsやesに統一されてきた経緯があります。

なので、どうして両方sなのかと問われれば「偶然」でしょう。日本から来た若い旅行者とヨーロッパから来た年老いた旅人がたまたまインドで出会っただけのことです。変な例えですが。

でも日本語も主語によって「てにをは」を使い分けるので、私にはそれほど違和感はありません。だって、もし私は全ては助詞は「は」は統一したら、とてもおかしい文章はなってしまいます。(←もし私が全ての助詞を「は」で統一したら、です)

言葉は面白いですね。

この回答への補足

御回答有り難う御座います。

>名詞の複数形で使うsはフランス語由来のものです。

フランス語の習慣が英語に入って来たのは何故ですか?

>どうして両方sなのかと問われれば「偶然」でしょう。

こんなスレを見付けましたが、以下のレスの内容は事実ではないのでしょうか?

●●●なぜ三人称単数のsは必要なのか?●●●
http://www.mentai.2ch.net/english/kako/1017/1017 …
『80 名前: 名無しさん@1周年 投稿日: 02/04/02 14:51
「複数」形のsと三人称「単数」のs、実は関係ある。』

補足日時:2010/02/20 22:05
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1。

 三単現は th だったりして違う音でした。

2。 複数は s とは限りません。去勢牛の ox のように en の時、fish のようにゼロの時、seraph のように im の時、tomato のように es の時、といろいろです。

 今(18世紀以降)同じになったのは単なる偶然でしょう。
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