A 回答 (10件)
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No.10
- 回答日時:
まずは、質問者のnigakyuriさん、おもしろい話題を提起していただき、ありがとうございます。
そして、bshipさん。こういう場では、些細なことから感情的な議論に発展しがちなところ、大変冷静に、こちらの投げたボールを正確に投げ返していただき、感謝しております。質問者さんを置き去りにしてしまったのは、むしろ私の方に責任があるようで、大変申し訳ありません。などといいつつも、もう少しだけ書き込みをさせてください。やっぱり何といっても「尿」で、ここまで話が膨らむなんて、ちょっとおもしろいので。
>159条では主観的違法要素として「行使の目的で」とあるので、本件では明らかに私文書偽造の構成要件を欠きます。
刑法のことをよく知らずに書いていたと言うことが分かってきました。以下は蛇足です。自分がたどった自分なりの解釈の道筋です。
ご指摘のように159条第1項には「行使の目的で」と明記されているのですが、同第3項は「全二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し」となっています。162条をみると当然に第1項の「行使の目的」が第2項を包含するというわけではないようですし、自分なりに文理解釈してみた結果、「行使の目的」は要らないのではと思ったんです。
ただ、まあ今わかってきましたが、通常は第1項に「行使の目的で」偽造とあれば、以降の項の「行使の目的」と明示されていない偽造、そして変造にも、たとえ「全二項に規定するもののほか」と書かれていたとしても、当然に「行使の目的」を要すると解釈されているんでしょうね(客観的違法論の立場においても)。
健康診断の結果報告書には、医療機関または医師の記名はあっても、署名や捺印はないケースの方がほとんどだと思います。そういうわけで、この報告書は、#3にも書きましたが第159条第3項の「全二項に規定するもののほか」の「事実証明に関する文書」の偽造に当たるのではと考えました。おそらく、文理解釈によっては私のような考え方も全くありえないとはいえないとは思うのですが、通説・判例とは大きく異なるということでよろしいでしょうか。
勉強させていただきました。
この回答への補足
私も159条第3項を読んだ時、「行使の目的」をten-kai様と同じように解釈しました。難しいですね。
ところで、「他にもこんな法律あるよ」的なご回答はもう出ないようですので、そろそろ締め切らせて頂きたく思います。
ずっと丁寧に書いて頂いてありがとうございました。
この場をお借りして、他の回答者の皆様にもお礼を申し上げます。 皆様にポイントを差し上げたいのですが無理なので、心苦しいのですが今回は「該当なし」とさせて頂きます。 ごめんなさいね。
せめても「尿」で楽しんで頂けていたら嬉しいです。
No.9
- 回答日時:
質問者の方を置いていってしまっては何にもなりませんね。
失礼しました。どこまで法律に通じていらっしゃるのかが全く不明でしたので...法律は時に沢山の解釈があるのはご承知のとおりです。
しかし、それは学説や判例が分かれている場合に言えることであり、本来の条文の解釈を誤っていればそれは「いろんな解釈がある」という次元ではなく、単なる誤りです。
gooにも(私も含めて)沢山の誤りの回答が寄せられます。
中には単なる思い付きで、誤り以前のものもあります。
ただし誤っている意見が無用という意味ではありません。
時には誤った意見も大切な論点になることもあります。
ここが議論の場であれば、意見や誤りの指摘の賛否論や反論が聞けるのですが、そういう場ではなさそうなので
意見にしても反論にしても言ったっきりになってしまうことも多くあります。すると明らかな誤りであっても一般に質問者は「そういう解釈もできるのか」とこれまた誤った納得をしてしまいがちですよね。
まあそういうことを理解した上で質問していれば問題ないのでしょうが....
私は自説への反論でも同意でも大歓迎ですし、いちど述べた意見に対してはなるべく責任を持ちたいのでできるだけフォローしようという姿勢でいます。
って、話が全く関係の無い方へいってしまいました。
すみません。
それで
>検査側の管理が甘かったということは
>ありませんか?
についてです。
これは民事になるので刑事とは別にしなければなりません。管理責任については既出ですので#5を参照いただくとして、要は管理責任があることは疑いないが、どこまでなのかが争われるでしょう。非検査者が不法行為をすることを前提にした管理までは求められないと私は思います。が、その検査場において過去にそのような事件が何度もあったりすれば対策をとるのが当然に求められるかもしれません。結局ケースバイケースなので、一般論としての議論は難しいでしょうね。
ってことで少しはお役に立てたでしょうか。
この回答への補足
おっしゃるとおり、ここで得た回答を全て鵜呑みにして、誤った納得をしてはいけませんよね。 回答をもとに、自分で調べ、考え、判断する。 最終的な責任は質問者自身ですよね。
補足日時:2003/06/13 19:07No.8
- 回答日時:
最初はしょーもないと思いましたが、ten-kaiさんのおかげで議論の価値が出てきた気がします。
再考してみました。例えば、持病が会社に知られる事を避ける意思で、ブレンド尿を提出すれば、ten-kaiさん説でいいと思います。
(ただし確定故意であり未必の故意ではない)
質問のケースでは、「尿意を催さなかった」が、申し出が面倒であった等での作為だと思われます。
159条では主観的違法要素として「行使の目的で」とあるので、本件では明らかに私文書偽造の構成要件を欠きます。
(故意については、未必の故意として故意要件を認容説、認識説から認めてもよいかもしれません)
よって私文書偽造には該当せず(他の罪にも該当しないので)やはり罪には問えないというのが再考の末の私の結論です。
他人の尿を捨てる、混ぜるとなるとまた別ですが、長くなりそうなので今回はこんなとこで。
今回特に勉強になった事は、「尿検査の義務」があるということと、何より他人のブレンド尿を出す人が実際に存在するということでした。
この回答への補足
冷静な議論大好きです。でもお願い。質問者の私を置き去りにしないでね。法律のシロウトさんにもわかるように言ってね。あと、私が「他人の尿を捨てる」ことができると書いたのは、「検査側の管理が甘かったということはありませんか?」という意味です。
補足日時:2003/06/12 16:57No.7
- 回答日時:
私は法学部で専門教育を受けたというわけではないので、もし間違っていたらご指摘ください。
確かに、尿と私文書は「全く異なる」客体であるというのは理解できます。
ただ、健康診断のために医療機関に提出する尿と、医療従事者によって虚偽の尿検査結果が記載された健康診断報告書とは、たとえば、虚偽の申請書と、官公署職員によって虚偽の記載がされた公文書の関係と同視し得るほどの不可分密接な関係にあるのではないかと考えた次第です。
この回答への補足
今までの皆さんの回答をちょっと整理させてくださいね。
他人の尿を自分の尿として提出した人については刑法の「窃盗罪」「偽計業務妨害」「私文書偽造」に問われる可能性が指摘されました。また、会社の経費を無駄にしたことを民事上で問題にされる可能性が指摘されました。
検査側(医療機関)は、善管義務を果たしていないことで誰かに(誰に?)民事で訴えられる可能性が指摘されました。
まとめ方が間違っていたら教えてくださいね。
No.6
- 回答日時:
*未必の故意
混ぜることと結果記載の因果関係はあるでしょうが、行為対象の客体が、尿と私文書と全く異なるので構成要件を満たさないのではないでしょうかね....殺意は無いながらも、これで殴ったら死ぬかもしれないと思いつつ相手を殴って死に至らしめたという具合に客体が同一でないと..と思うのですが。
*善管注意義務
これはそれ相当の管理義務と解されているので、尿を取られないように管理するとまでは求めることはできないと思いますね...他人の尿と取り違えないようにするという管理が出来ていれば十分で、尿をブレンドするなんてのは予測の範囲外と思います...(なんか書きながら吹きだしてます)
確かにブレンドは予測外ですね。でも今思いついたのですが、他人の尿を「捨てる」「何か混ぜる」等はできますね。よかったらまたご意見ください。ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
尿の管理責任についてです。
当該医療機関は、会社から、尿検査をも含めた健康診断の準委任を受けていると考えられるのですが、その場合医療機関は、民法第644条によって善良な管理者の注意義務を負っています。
善良な管理者の注意義務というのは、行為者の属する職業や社会的地位に応じて通常期待されている態度の抽象的・一般的な注意義務のことです。
よってポイントは、通常、医療機関に対し、健康診断の受診者が他の受診者の尿に手を触れられないようにするような注意義務が期待されているか否かというところにあるのではないかと思いますが、この結論については、にわかに判断しがたいなという印象をもちます。
それから、私文書偽造の故意について。
このケースでは、例えば「自分の尿を使ったら潜血反応が出るだろうから、人のを使ってしまえ」といった明確な故意はありませんが、他人の尿を自分の尿と偽って検査をさせた場合、その検査結果が本来の自分の検査結果と異なるであろうことは極めて容易に推認できるのであって、そういう結果が発生してもやむを得ないという、いわゆる未必の故意にあたるのではないか、と考えて回答しました。
No.3
- 回答日時:
定期健康診断には「尿検査」が義務づけられています(労働安全衛生規則第44条9号)。
そして、同規則第51条に定める「健康診断結果の記録の作成」のため、医療機関から会社へは、健康診断の結果を表した書面が送られます。また、受診した従業員個人の手にも同様の書面が渡りますよね。
さて、このケースは、医師・看護師といった医療従事者を道具として用いることによって、他人の尿を自分の尿であると誤認させ、事実とは異なる健康診断の結果を表した書面(私文書)を作成させることになり、刑法第159条第3項私文書偽造の間接正犯ということにもなるのではないかと思われます。
そういうのもありますか! 私文書偽造は一年以下の懲役または十万円以下の罰金ですね。 ten-kai様は「自信あり」の方なのでお聞きしてしまいますが「そこに他人の尿があったから」発生した事件(?)ということで、検査側が民事その他で管理責任を問われることもあると思われますか? もしお嫌でなかったらお返事ください。 ご回答どうもありがとうございました。
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