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民法96条3項の類推適用と、94条2項類推適用について

質問させていただきます。
民法96条3項の類推適用と、94条2項の類推適用とありますが、第三者を保護したいときに、この2つの制度の使い分けの基準はどこにあるのでしょうか?

錯誤における第三者を保護するときに、96条3項を類推とありましたが、どうして94条2項ではないのかわかりません。

どうかよろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

要件、状況などの似ている方、類推適用をするのに都合がよい方を使うとしか言いようがありません。



理論的には、錯誤無効主張前の第三者を94条2項類推で保護するという考え方はあり得ます。内田先生も「余地がある」と言ってますから。ただ、錯誤に気付く前の本人に94条2項を類推する基礎となる帰責性を認めるのが困難ということも言ってます(騙されたのが悪いという程度では、虚偽の概観を知りつつ放置したというほどの強度の帰責性は認められないということです)。つまり本人の帰責性を要しない96条3項の方が第三者保護のためには都合がよいということです。

結局のところは、本人保護と第三者保護のバランスをどう図るかということに行き着くわけで、詐欺というのが他人の行為によって生じた錯誤であるということを考えると、虚偽表示よりは詐欺の方が錯誤に「状況的」に近い(と言いますか同じ)ですし、「要件的」にも第三者保護に有利(そもそも類推適用を論じるのは第三者保護のためです。一切類推適用しないのが最も本人保護になるのですから)という点からすれば94条2項類推よりは96条3項類推の方が都合がよいということになります。

内田民法のI[総則・物権]にこの解説があります。大した量でもありませんから、本屋、図書館でよいので一読をお勧めします。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

そもそも類推適用は、第三者保護のためにしていること、これを再認識できました。
96条3項が、94条2項よりも都合がいいんですね。

都合のよいものを使う。
このように考えていきます。ありがとうございました。

お礼日時:2010/06/02 11:51

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