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黒体輻射におけるプランクの分布則に関する質問です。

プランクの分布則で、(υ,T)を変数として表した式から、(λ,T)を変数とする式へと変換したいのですが、
なぜか求めたい式とは-1倍違ってきてしまいます。

ちなみに導出では(υ,T)の式に対して、υ=c/λ,dυ=-c/λ^2を代入しました。

物理化学初学者です。
分かる方がいらっしゃいましたら、何が間違っているのか教えていただけないでしょうか?

A 回答 (1件)

(1) 振動数がνとν+dνの間にある電磁波の放射エネルギー密度をρ(ν,T)dνとする。


(2) これより、波長がc/νとc/(ν+dν)の間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(ν,T)dνとなる。
(3) |dν/ν|≪1より、波長がc/νと(c/ν)・(1-dν/ν)の間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(ν,T)dν。
(4) ν=c/λ, dν=-(c/λ^2)dλを代入すれば、波長がλとλ・(1+dλ/λ)の間にある電磁波の放射エネルギー密度は-ρ(c/λ,T)・(c/λ^2)dλになる。
(5) つまり、波長がλとλ+dλの間にある電磁波の放射エネルギー密度は-ρ(c/λ,T)・(c/λ^2)dλ。

たしかに、負号がつきますね。

どうしてこういうことが起こるかというと、(1)では、dν>0 であることが暗に仮定されているからです。つまり、ρ(ν,T)>0のもとでρ(ν,T)dν>0であるためには、dν>0でなければならない。dν>0であるならば、(5)のdλは、dλ<0になるので、波長がλとλ+dλの間にある電磁波の放射エネルギー密度は正の値になります。一方、ふつうは、波長がλとλ+dλの間にある電磁波の放射エネルギー密度は、関数f(λ,T)>0 をつかって、f(λ,T)dλのような形に書きます。このような形で書いたときには、dλ>0が暗に仮定されていますので、上の(1)~(5)の手続きから求めた放射エネルギー密度とは、-1倍違ってきてしまいます。

この問題を回避するには、はじめにdν<0 を仮定してから変換していけばいいです。dν<0ならば、振動数がνとν+dνの間にある電磁波の放射エネルギー密度は(-1)×ρ(ν,T)dνになります。ここから始めれば、波長がλとλ+dλの間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(c/λ,T)・(c/λ^2)dλ,かつ dλ>0 となります。

あるいは絶対値を使ってもいいです。
(1') 振動数がνとν+dνの間にある電磁波の放射エネルギー密度をρ(ν,T)|dν|とする。
(2') これより、波長がc/νとc/(ν+dν)の間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(ν,T)|dν|となる。
(3') |dν/ν|≪1より、波長がc/νと(c/ν)・(1-dν/ν)の間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(ν,T)|dν|。
(4') ν=c/λ, dν=-(c/λ^2)dλを代入すれば、波長がλとλ・(1+dλ/λ)の間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(c/λ,T)・(c/λ^2)|dλ|になる。
(5') つまり、波長がλとλ+dλの間にある電磁波の放射エネルギー密度はρ(c/λ,T)・(c/λ^2)|dλ|。

ところで、波長を表すギリシャ文字にはυ(ウプシロン)ではなくν(ニュー)を使うのがふつうです。似ていますが違う文字ですので、気をつけてください。
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