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ローマ法と日本法との関係。
こんばんは、日本民法の危険負担という制度はローマ法からきていると知りました。
面白いですね。
それ以外で、ローマ法が日本法に使われている、改良されている、精神が残っている、その他、ご存知のこと有りましたら教えてください。
アメリカ、イギリスなど他の国で使われている例でも結構です。
ありがとうございました。

A 回答 (1件)

世界の法体系は、「大陸法」と「英米法」の2つに大きく分かれます。



大陸法とは、ローマ法を源とする法体系です。
ギリシャ文明を受け継いだといわれるローマの文化ですが、ローマ人が独創性を発揮したのが行政能力です。
都市国家であったギリシャと世界帝国を築いたローマで大きく異なったのが法律です。
ローマ人は、広大な帝国を統治するために法律を作りました。
それも、法典という文書の形にしたものを作ったのです。
そのため「成文法」という言い方もあります。
これによって、ローマ帝国の中ではどこでも同じ権利義務が公平に認められることになりました。

ローマ法はフランス・ドイツなどヨーロッパ大陸の国々にも受け継がれます。
明治になって近代化を進める政府は、フランス・ドイツに法制度を学ぶことになります。
JR中央線「市ヶ谷」で一番目立つ法政大学のビル「ボワソナード・タワー」があります。
すごい名前だなあ・・・と思ったのですが、旧民法の草案を作ったフランス人法学者の名前なのです。
すなわち、日本民法の特に「財産法」と言われる権利義務の部分についてはローマ法が基本になっています。
それに対して、親子・夫婦・相続といった「身分法」については、日本の慣習を取り入れたハイブリッド型の法律が日本民法なのです。
ただ、財産法にも江戸時代からの慣習である「手付」の制度、すなわち「手付け流し」「手付け倍返し」による契約解除は法典に取り入れるという日本的な部分もあり、全くヨーロッパ大陸の法丸呑みではありません。

アメリカ・イギリスは、大陸法の「成文法」に対して「判例法」と呼ばれます。
英米法には、「民法典」がないのです。
裁判の判例の積み重ねによって判断するもので「不文法」とも言われます。
大陸法は、売買とか賃貸という契約関係についての法的な性質が法典により定められています。
よって、契約書がないときでも危険負担だとか瑕疵担保などは法律で決まっているとおりに判断されます。
一方、英米法の国の契約書はとんでもなく分厚い契約書になっていて、契約書に書いていない合意は存在しないとダメ押しする文章が最後に入ります。

ところで、金融の世界では圧倒的にアメリカ・イギリスがスタンダードとなっています。
日本の証券取引法を抜本的に大改正した「金融商品取引法」は、「英米法の精神を日本法の用語で表現した」というハイブリッドとも混血とも言われる法律になっています。
日本法における新たな展開と考えると面白いですね。
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この回答へのお礼

こんばんは。ご連絡が大変遅くなって申し訳ありません。
大変面白いお話をありがとうございます。
大陸系と、英米系の違いは歴史も関係しているんでしょうね。
ありがとうございました!

お礼日時:2010/08/13 00:56

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