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この場合、脱税になりますか?

お世話になります。
伊丹監督作品の「マルサの女」の冒頭にこんなシーンがあります。

惣菜屋(個人商店から株式会社化済)を営業している家に税務調査が入ります。
調査の結果、自営業の惣菜店の商品を自家消費していながら売り上げから除外していることが発覚しました。
社長婦人「なんで自分の店のものを自分で食べるのに、売り上げに加算しなければならないのさ」
調査官「でもこのお店は株式会社ですから、店のものは会社の物です。社長個人の物ではありません」
    こちらのお店は株式会社化して間もないから”うっかりしていた”ということしますから、自家消費した分を売り上げに追加して修正申告してください」
老社長「わかったよ。つまり俺は会社の品物をツケで買ってたことにすればいいんだろ」
社長婦人「売り上げを修正申告するってことは売り上げが増えるってことだろ」
調査官「そうなりますね」
社長婦人「ってことは税金が増えるってことじゃないか!!」
調査官「ええ、そうなります」
社長婦人「”そうなります”じゃないよ! こんな小さな店をいじめるなら他に脱税している奴らたくさん居るだろ!! そっちから取れよ!!」
調査官「ええ、取りますよ!! じゃその”他に脱税している奴ら”の住所氏名を教えてください!」


ここまでは理解できるのですが、では以下のような場合はどうなるのでしょうか?

1) この惣菜屋が株式会社化せずに、個人商店のままであったら自家消費した分は売り上げから除外しても問題ないのでしょうか?

2) 今回、この惣菜屋は株式会社であるにも関わらず、店の商品を自家消費した分を売り上げから除外していました。つまり、店の商品は毎日、忽然と姿を消したことになります。
 では、もしこの株式会社が、毎日一定量を閉店後に”無料で廃棄した”ことにして、それを社長一家が食べていたら、社長一家は問題なく会社の商品を無料で手に入れることができるのでしょうか?

3) いくらなんでも”無料で廃棄したもの”を毎日社長一家が食べていたら社長一家はごみ漁りをして生活していることになります。それではナンですから、では閉店後の売れ残りを社長一家に対してごみとして引き取ってもらい、代わりに廃棄物処分費として”1円”の引き取り料金を払ってもらった、ことにしたら大丈夫でしょうか? 

4) 上記でもいくらなんでもあからさまに自家消費していることがばればれだと思います。では、閉店間際の半額セールしたことにしてそれを毎日社長一家が買っていることにしたらどうでしょうか?

5) 半額セールということにしたところで、毎日毎日社長一家だけが買っていたら、明らかに社長一家を優遇して値付けしていたことは明らかだと思います。ではどのぐらい割引すれば疑われずにすむでしょうか? 3割引? 2割引? 1割引?

どのあたりでこの惣菜屋社長は毎日の自家消費分を問題なく手にすることができるでしょうか?

6) こういう問題は他にもあると思います。ワンマン社長が高級社有車を買い換える際に中古車として市場処分するせずに、中古市場価格とかけ離れた安さで自家引取りして娘や奥方の車として与えたりとか。あまりの安値だったら会社に対する背任行為ですよね。他の取締役も異見しなければおかしいと思いますが。(ま、ワンマン社長にモノ申す馬鹿役員も居ませんが)
税務署はどのぐらいまでなら「会社の物は社長個人の物」として見逃すのでしょうか?


脱税、もとい、節税にお詳しい方、回答をお願いします。

A 回答 (4件)

あくまで法律論として回答します。

実際の税務署の調査ではさほど厳格ではないようです。

「脱税」というのは犯罪であり、法人税法第159条や所得税法第238条などに規定されている「偽りその他不正の行為」により、課税を逃れる行為のことです。
税金の計算というのはややこしく、単純な計算ミスもありますし、帳簿の記載もれや書き間違いなどで税金が本来の税額よりも少なく申告してしまうこともあります、というか、実際には税金の計算は日々の膨大な取引を記帳したものの積み上げなので、ちょっとしたミスなどはあって当たり前というところがあります。また、税法は条文が膨大で、法律特有の解釈の困難さもあり、専門家であるはずの税理士でも間違えるほどです。そのような経理ミスや解釈の誤りなどによる税金の申告漏れは、単なる過少申告であって、「偽りその他不正の行為」という積極的な隠蔽工作を犯罪の構成要件とする「脱税」とは大きく異なります。


ご質問のうち、映画での場面については、上記の経理ミスの範疇であり、犯罪である脱税とは言えないでしょう。後半の会話は「他の脱税をしている奴を捕まえろ」という話であって、総菜屋が脱税しているということではありません。

1)映画の中の話は、会社の資産を経営者という会社とは別人格の者が消費した「取引」に関するものです。取引ですから税法以前に(簿記会計上のルールとして)必ず記帳をしなければなりませんが、それを記帳していなかったことが問題なのです。
これに対し、個人事業では、自家消費はあくまで自分の資産を自分で消費する行為であり、取引にはならないと考えられます。そのため、所得税法において、自家消費については「売上とみなす」(本来は売上ではないことを、税法上は売上として取り扱うこと)との規定を設けています(所得税法第39条)。したがって、個人事業では、そもそも売上ではないので「売上から除外する」という考え方にはなりませんが、売上に加算しないことは税法の規定に反することであり、問題はあります。

2)この設問では、経営者は「嘘」をついていますから、「偽りその他不正の行為」に該当し、脱税になります。

3)法人税法上、物の譲渡は無償又は時価よりも安く売った場合には時価で売ったものとみなされます(法人税法第22条)。設問では1円が時価として妥当か否かが問題となりますが、1円よりも高い価値のものを1円で売ったのであれば、法人税の計算ではその差額を寄付金(相手が役員や従業員の場合には給与)と考えます。本来5,000円のものを社長に1円で売ったとすると、会社としてはひとまず5,000円の売り上げが立ち、その代金として1円しか受領しないので、差額の4,999円については、会社が社長一家に対して現物給与として支給したということになり、所得税の源泉徴収が必要になります。

4)明確ではありませんが、これも「嘘」があるようなので脱税でしょう。

5)あくまで「時価」(格別のしがらみのない第三者に売る際の価額)が基準です。ただし、役員従業員共通の基準で、福利厚生の一環としてある程度の割引で売ることは構わないでしょう。ただ、その値引き率は同業他社が福利厚生として行っているのと同程度でなければならず、「何割ならいい」と一概に決めつけることはできません。

6)金額にかかわりなく、会社の背任になるようなことを税務署が許すということは考えられません。ただし警察の犯罪捜査と同じで、証拠がなければ取り締まりようがないでしょうから、明らかに会社と関係のないものということが確認・立証できれば、会社の経費が否認されることになるでしょう。
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この回答へのお礼

大変詳しい説明をありがとうございました。

お礼日時:2010/07/23 08:25

>どのあたりでこの惣菜屋社長は毎日の家事消費分を問題なく手にすることができるでしょうか?



自社生産品を従業員の食糧として支給している会社はいくらでもありますからそんな難しい
話ではありません。
・商品にならないキズもの。成形不良品や包装不良品は生産ロスですから価値ゼロ。
・過剰生産分。注文や生産予定より作りすぎてしまった分や売れ残り。これも価値ゼロ。
・商品の社内販売。通常商品であっても合理的な価格(例えば製造原価や棚卸資産評価額)
 であれば値引販売は許される。
映画のディテールは承知していませんが、店を閉めた後で売れ残りを食べるという形なら
問題になることはないと思います。たぶん、販売時間中に抜いたのでしょうね。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2010/07/23 08:34

>1) この惣菜屋が株式会社化せずに、個人商店のままであったら…



その映画は見ていませんが、ドラマはあくまでもフィクションであり 100パーセント真実ではないということです。

>こちらのお店は株式会社化して間もないから”うっかりしていた”ということしますから、自家消費した分を売り上げに追加して修正申告してください…

それではたしかに個人なら良いと受け取れますが、そんなことはありません。
その証拠に「青色申告決算書」2ページの月別売上欄に引き続き「家事消費等」を記すようになっています。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/ …

>調査官「でもこのお店は株式会社ですから、店のものは会社の物です。社長個人の物ではありません」…

そんな理由ではありません。
自家消費分も「仕入」に計上してあるからです。
最初から自家消費分を見込んで「仕入」に計上しなければ、「売上」にも計上する必要はありませんが、普通はそんなことをだれもしません。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2200.htm

>では、もしこの株式会社が、毎日一定量を閉店後に”無料で廃棄した”ことにして…

それは自家消費を廃棄と偽っています。
自分で食べられるものを廃棄などといってはいけません。
税法以前の問題です。

>3) いくらなんでも”無料で廃棄したもの”を毎日社長一家が…

以下いずれも脱税指南を求めているようなご質問ですので回答を控えます。

税金について詳しくは、国税庁の『タックスアンサー』をどうぞ。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
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この回答へのお礼

こんなところで脱税指導を仰ぐバカも居ないと思いますが。

お礼日時:2010/07/23 08:21

1)yes


個人事業なら個人の財産を使って売買しているので
その中の一部を自分のために利用しても問題ありません。

ただ、年間売り上げが1000万円を超えていると消費税支払い義務がありますから、
その場合だと消費税の脱税(申告漏れ)ということにもなり得ますね。


2)社長だけが無料で会社の物を得ていたら報酬の一部とみなされるでしょう。
そうすると今度は役員報酬に対する申告漏れが発生します。
そうじゃないとしたら法人所有の物を不当に入手しているので業務上横領罪です。


3)価値のある物を勝手に1円換算にすることは出来ません。
相場より遙かに安い金額で入手していれば背任罪です。


4)実際に半額で販売した事実があれば問題ありません。
半額セールをしていなかったのなら3)と同じです。


5)1割引であっても「社長だけの特権」だと相場とは言えませんからダメです。
社員全員が割り引きなら半額でも問題ありません。


6)相場から離れた金額なら背任罪です。
ワンマン社長だったら役員報酬を上げてその金で買えばいいんですから、
そういった脱税目的の行為は厳しく取り締まられます。
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この回答へのお礼

よくわかりました
ありがとうございました

お礼日時:2010/07/23 08:18

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