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地番図は二次的著作物?

以前にも同じような質問をしていますが、近い内容を再度質問させていただきます。

ある自治体が整備した電子データとしての地番図は二次的著作物なのでしょうか?

この電子データ化された地番図というのは、法務局が持つ公図(土地の紙の図面)をもとに、CADソフトで線を描き、図面の座標や土地の地番を記録したファイルです(シェープファイル形式)。

例えば、四角い土地があった場合は、四隅の世界共通の座標、地番、地番を表示する座標などをファイルに記録していて、GISなどのソフトでこのファイルを読み込むと、CADで描いた図面が見ることができます。

【質問1】
この自治体はもちろん委託で地番図の電子データを作りましたが、このファイルは著作物、あるいは著作権法2条1項11号の二次的著作物に該当するのでしょうか?

著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう(2条1項11号)

【質問2】
該当する場合に、電子化したことそのものが「創作性」と解釈されるのでしょうか?

【質問3】
著作物、あるいは二次的著作物に該当する場合は、著作権があると思いますが、この自治体が電子化した地番図に「商用利用してはいけない」と制限をもうけた場合は、従わなければもちろん著作権の侵害になるという認識でよろしいでしょうか?

以上、著作権に詳しい方がご覧になっていましたらどうか教えてください。

A 回答 (5件)

No3です



> 私は、自治体を含め官公庁が持つ行政情報には基本的には著作権がないと思っていました。

この考え方は誤りです

著作権法には「権利の目的とならない著作物」の規定がありますが条文をそのまま掲載すれば

「第十三条 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
  一 憲法その他の法令
  二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法<平成十一年法律第百三号>第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの」

したがって、それ以外のものたとえば「○○白書」等は著作権法上でも保護されます。

>
> では、自治体が地番図を作る資料に使った法務局の公図は法務省(?)の著作物になるのですね。

公図の著作者はその公図を作成した者あるいは団体となります。
ただし、著作権については譲渡ができますので、必ずしも著作者=著作権者とならない場合があります。
公図の著作権者が誰なのかについては私も調べていないのでお答えできませんが、法務省にあるかどうかは確認する必要はあると思います。

> 不思議なことに公図は隣接した土地なのに接合しない部分が多々あるんですが、
> 地番図では、この境界をうまく接合するように修正してあります。
> (公図はパズルのピースのようにバラバラですが、地番図はシームレス)
>
> 忠実ではありませんが、この程度であれば
> 「原著作物にはない新たな付加」と考えなくてよいでしょうか?

これについては参考にできる判例があります。ご確認ください。
http://park2.wakwak.com/~willway-legal/kls-c.cas …


> No.1のpoolisherへの回答にも補足させていただいた「属性」という器に、
> 登記情報(土地の所有者、地目、面積)や自治体が独自に調査して得た情報が
> 付加されていると「創作性」の可能性が出てきてしまうということなのですね。

その通りだと思います。

> もちろん、GISソフトを使うとこれらの新たに付加した属性で検索できるので、
> 他の地図では得られない利便性が生じてきます。

はい、その通りです。
ただし、それが「新たな創作」と見とれられるにはオリジナリティがあるかどうかをどう判断するかによります。
編集著作物あるいはデータベースの著作物の場合、単に年代順とかアイウエオ順とかでは「新たな創作」と見とれられません。


>四隅の世界共通の座標、地番、地番を表示する座標などをファイルに記録していて、GISなどのソフトでこのファイルを読み込むと、CADで描いた図面が見ることができます。
これが「新たな創作性」と認められるかどうかは判例がありませんので今は判断できません。

> 申し訳ありません、私の勉強不足でこの2点の違いがわかりません。
> ライセンス契約というと、有償ということでしょうか??

確かにわかりにくいですね。
「ライセンス契約」とは言い換えれば、それを利用するための契約と考えられます。
有償、無償にかかわらず、目的物を使用するための条件等を定めた契約ということです。

例えて言うならば、ソフトウェアのライセンス契約(使用規定)でよくあるもので「本人所有のパソコン1台にのみインストールすることができます」等という条項でですが、ソフトウェアをインストールすると言うことは、そのソフトウェアのコピーをパソコンに複製するということですが、著作権法上は私的利用のための複製は認められていますが複製の個数についての定めはありません。
従って著作権法上は何台にコピーしたとしても個人で利用するためであれば、私的利用のための複製ということで何台にコピーしても著作権法違反とはなりません。
他方、「一台にのみインストールする」という条件で購入した以上複数台にインストールすることは民法上の契約違反であるという考え方もあります。

> 以下のような著作物に対するライセンスを見つけましたが、
> これもライセンス契約に含まれるのでしょうか?
>
> クリエイティブコモンズライセンス
> http://creativecommons.jp/licenses/

はい、そうで
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この回答へのお礼

> 著作権については譲渡ができますので、必ずしも著作者=著作権者とならない場合があります。

了解しました。
公図の著作者が譲渡した可能性もあるわけですね。

> これについては参考にできる判例があります。ご確認ください。
> http://park2.wakwak.com/~willway-legal/kls-c.cas …

非常に興味深い記事を紹介していただきありがとうございます。

条件がそろった場合、この自治体が整備した地番図も
「本件土地宝典を公図の二次的著作物として保護すべき」ものとされることがわかりました。

> 有償、無償にかかわらず、目的物を使用するための条件等を定めた契約ということです。

具体例を挙げて、大変わかりやすいご説明をありがとうございます。
二次的著作物としての可能性が高いということと、その根拠や考え方を知ることができ、
大変有益な回答を頂戴できたと思っています。

またわからないことがあったら質問をさせていただくかもしれませんが、
その際もまたご指導いただけましたら幸いです。

ありがとうございました。

お礼日時:2010/08/24 22:08

著作権は譲渡自由です。



質問者に、著作権があったとしても、
著作権が自治体に帰属する契約なので、
質問者はなんの権利もないことになるると思いますが、
なんの権利があると言うのか不思議です。

著作権が誰にあるかは問題でなく、契約条項により、契約が優先して、質問者には著作権がないことは確定している。

著作権の帰属を定めていないときは、他の回答者の回答により処理することになる。

この回答への補足

再度のご回答ありがとうございます。
また、私の文章が不十分で考えを伝えきれなくて申し訳ありません。

私は、この自治体が持つ地番図を利用したいのですが、
その地番図には著作権が発生しうるか否かを知りたかったのです。

契約の条項で、著作権が自治体へ帰属する旨が定められているので、
著作権が発生していればもちろん自治体に帰属するのでしょうが、
そもそも著作権が発生する(著作物として認められる)のか、が質問の趣旨でした。

よろしくお願いします。

補足日時:2010/08/15 20:48
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なかなか難しい法解釈になると思います。



前提として、
電子データ化する元となった地図(以下原著作物という)は著作権法10条1項6号により図形の著作物として扱われます。

【回答1】
電子データ化した地番図(以下単に地番図という)が原著作物を忠実に再現したものだとすれば、原著作物の複製物とされます。
また、原著作物にはない新たな付加があった場合、その程度にもよると思いますが二次的著作物とされる可能性はあります。
さらに、GISで利用とのことなので、データベースの著作物とされる可能性もあります。

【回答2】
電子化したこと自体には「創作性」があるとはいえないと思います。
何らかの付加されたものがある場合、そのことについて新たな「創作性」(地図ですので新たな利便性と言い換えてもいいかもしれません)が認められる場合には二次的著作物とされる可能性は残ります。
また、その電子データの引き出し方法(検索方法)に創作性が認められれば、データベースの著作物とされる可能性もあります。

【質問3】
地番図が原著作物の単なる複製物である場合は、その利用については、原著作物の著作権者に許諾を得る必要があります。
地番図が二次的著作物とされる場合、その利用については地番図の著作権者および原著作物の著作権者両方の許諾を得る必要があります。
地番図がデータベースの著作物とされる場合、ここの地番図データを扱う場合には原著作物の著作権者の、データベースの体系を利用する場合には、データベースの著作物の著作権者の許諾を得る必要があります。

また、利用規程のうち「商用利用してはいけない」という条項については、いろいろな解釈があります。
その条項を持って著作物の利用を許諾しているいう考え方をする場合、その条項に違反した場合は著作権侵害と考えられます。
ライセンス契約として考える場合は、民法上の不法行為(契約違反)と考えられます。

この回答への補足

BrueBreezeさん

ご回答どうもありがとうございます。

私のつたない法解釈に誤りがありましたら、どうかご指摘ください。

私は、自治体を含め官公庁が持つ行政情報には基本的には著作権がないと思っていました。
その延長で電子データ化された地番図にも著作権がないのではないかと疑問を持っています。

> 電子データ化する元となった地図(以下原著作物という)は著作権法10条1項6号により
> 図形の著作物として扱われます。

では、自治体が地番図を作る資料に使った法務局の公図は法務省(?)の著作物になるのですね。

>【回答1】
> 電子データ化した地番図(以下単に地番図という)が原著作物を忠実に再現したもの
> だとすれば、原著作物の複製物とされます。
> また、原著作物にはない新たな付加があった場合、その程度にもよると思いますが
> 二次的著作物とされる可能性はあります。

不思議なことに公図は隣接した土地なのに接合しない部分が多々あるんですが、
地番図では、この境界をうまく接合するように修正してあります。
(公図はパズルのピースのようにバラバラですが、地番図はシームレス)

忠実ではありませんが、この程度であれば
「原著作物にはない新たな付加」と考えなくてよいでしょうか?

>【回答2】
> 何らかの付加されたものがある場合、そのことについて新たな「創作性」
> (地図ですので新たな利便性と言い換えてもいいかもしれません)
> が認められる場合には二次的著作物とされる可能性は残ります。

No.1のpoolisherへの回答にも補足させていただいた「属性」という器に、
登記情報(土地の所有者、地目、面積)や自治体が独自に調査して得た情報が
付加されていると「創作性」の可能性が出てきてしまうということなのですね。

もちろん、GISソフトを使うとこれらの新たに付加した属性で検索できるので、
他の地図では得られない利便性が生じてきます。

> 著作物の利用を許諾しているいう考え方をする場合
> ライセンス契約として考える場合

申し訳ありません、私の勉強不足でこの2点の違いがわかりません。
ライセンス契約というと、有償ということでしょうか??

以下のような著作物に対するライセンスを見つけましたが、
これもライセンス契約に含まれるのでしょうか?

クリエイティブコモンズライセンス
http://creativecommons.jp/licenses/

補足日時:2010/08/15 01:41
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著作権は譲渡自由なので契約が優先します。


コンピュータのプログラムなどは、下請け会社に発注するときは、発注者に帰属する契約がおおい
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この回答へのお礼

akak71さん

ご回答どうもありがとうございます。

どうやらこの自治体では、委託契約の中で著作権を帰属する旨の条項を入れているようです。

お礼日時:2010/08/15 00:56

著作性ということであれば、元データファイルは標準形式で内容も


法的に一意に定められる情報でしょうから、データそのものには
著作性は存在しないと考えていいと思います。

元データを集計、編集、描画その他加工したものについては、その
加工手段(プログラム)、加工結果共に著作物にあたります。

ですから、kovayashi さんが独自の方法で元データファイルを作成
できたとすれば、そのことを著作権侵害で訴えられることはないと
思います。

しかし、ご質問の問題は著作権の問題というより所有権の問題として
考えるべきだと思います。

自治体の所有しているデータファイルをkovayashi さんに(コピー
という形で)貸与や使用許諾する場合、その利用範囲について制限を
設けることは私的契約として認められている事です。

「商用利用してはいけない」ということが正当か不当かは争点もあり
そうですから、議会請願や行政訴訟等を通じて争うことは可能かと思い
ますが、現時点で制限事項とされていることは守る必要があります。

この回答への補足

poolisherさん

前質問に続いてご回答いただきましてありがとうございます。

> 著作性ということであれば、元データファイルは標準形式で内容も
> 法的に一意に定められる情報でしょうから、データそのものには
> 著作性は存在しないと考えていいと思います。

自治体が作成し保有している地番図のシェープファイルには
著作性はないということなのですね。

調べてみると、このシェープファイルは仕様が公開されている
業界標準のファイル形式のようです。

ただ、「属性」と呼ばれる「情報を格納する器」(何種類でも自由に追加できるようです)
にその自治体が独自に情報を付加していても著作性はないのでしょうか?

例えば、「接道形態」という属性を作って、すべての土地(数十万筆)に
以下のようなルールで情報を追加していた場合です。

・土地の前面にだけ接道していたら「接道形態」に「A」を格納する
・土地の前面と側面に接道していたら「接道形態」に「B」を格納する


(本当にこんな情報が格納されているかどうかわかりませんが、
「その自治体でしか把握していない情報」という例を示したかった、とご理解ください)

補足日時:2010/08/15 00:55
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