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OPアンプの使い方に関してアドバイス下さい


http://focus.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/opa627. …

例えば、このページの9ページ目を見て頂きたいのですが、
1番ピンと5番ピンのoffset trim端子に可変抵抗を100kΩを繋ぎ、
両端に電圧を印可する図が描かれてあります。
ここで質問なのですが、


・この図では電源電圧を可変抵抗で分圧してオフセットを調整するための図が描かれていますが、
直接、1番ピンに10V, 5番ピンに-10Vみたいな電圧を印可した場合どうなるのでしょうか?
要は、オフセット調整端子が2つある必要性がありません。一つだけあって、
そこに印可する電圧によって出力電圧にオフセットがかかるという仕組みの方がシンプルなのに
なぜ2つも端子が必要となるのでしょうか?


・それとこの図では100kΩの可変抵抗がつかわれていますが、
10kΩや1MΩでも良いと書かれています。
ここの可変抵抗を変えた場合、何に影響するのでしょうか?
ダイナミックレンジおよび精度に影響があるのでしょうか?
例えば、100kΩ、10kΩ、1MΩ、それぞれの場合で、ダイナミックレンジはいくらなのでしょうか?

A 回答 (2件)

1ページ目に等価回路が載っていますから見てみましょう。


オペアンプ入力段は図で
カレントミラー回路(赤) + カスケード回路(青) + JFET作動回路(緑)
で構成されています。

オフセット電圧は主に、Q1,Q2を流れる電流I1,I2と、JFETのVtの偏差で決まります。
このオペアンプはQ1とQ2のエミッタ抵抗の値を変えてオフセットを調整するようになっています。
このとき電流I1,I2の絶対値の差ではなくて、電流の比を一定に保つことが回路を安定に動作させます。

>そこに印可する電圧によって出力電圧にオフセットがかかるという仕組みの方がシンプルなのに
>なぜ2つも端子が必要となるのでしょうか?

DUOUIS さんのおっしゃる通り、Q1,Q2のどちらかのエミッタ抵抗だけを変えてもオフセットは調整できます。しかし、そこには大きな落とし穴があるのです。カレントミラーの片方だけを外付け抵抗で変えると

温度ドリフトが大きくなってしまう

という事態が発生します。
抵抗には全て温度特性がありますが
■ オペアンプ内部と外付け抵抗では抵抗の種類が異なるため、温度特性が一致しない
■ オペアンプ内部と外部では温度が異なる
という理由により、オフセットを調整しても温度変化により、バランスが崩れてまたオフセットが大きくなるのです。

それで仕様書のようにオフセットを調整すると、トリマで分圧しているために温度ドリフトが小さくなるのです。トリマというのは、一つの抵抗体を分割して使用しています。従って、

温度により抵抗値が変化しても、Q1,Q2に流れこむ電流の比はかわらない

ということになります。そのため温度ドリフトが小さく抑えられるのです。

>ここの可変抵抗を変えた場合、何に影響するのでしょうか?

可変抵抗を大きくすると
■ 微調整ができる
■ ノイズがやや増える(ダイナミックレンジの低下)
というこということになります。抵抗値が大きいほど熱雑音が大きいので。また電磁波のノイズに関してセンシティブになります。温度ドリフトに関する議論は複雑なので、やってみないと判りません(トリマの性能も影響するから)

とにかくトリマをオペアンプに最短で接続することです。ガードを入れるとちょっぴり性能がUPします。

あ、東海大相模が負けちゃった (;´Д`)
「OPアンプの使い方に関してアドバイス下さ」の回答画像1
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(1) オフセット調整端子が2つある理由


ANo.1さんの回答のように、どちらか一方の抵抗を外部抵抗で変えると、抵抗の温度係数がアンバランスになるのも理由の1つだと思います。

それ以外にも、オフセット電圧が+だったり-だったりするので、一方の抵抗を小さくする方法だけでは調整できないからだと思います(±両方調整するには、2つの端子が必要)。添付図は、オフセット調整端子が2つある場合と、1つの場合のオフセット調整方法を示したものです(余分な回路は省略しています)。

オフセット調整というのは、電源(Vcc)とエミッタ間の抵抗を変えることで、トランジスタに流れる電流( I1 と I2 )の比を調整するものです。他の素子のバラツキもあるので、この電流比を等しくしてもオフセット電圧が0になるわけではありませんが、この電流比を小さくすればいいのか大きくすればいいのかは、素子のバラツキによって(部品によって)異なります。図の上側の調整回路のように、2つの調整端子の間に可変抵抗を入れて可動端子を電源につなげれば、電流比を小さくすることも大きくすることもできます。

図の真ん中の回路では左側のトランジスタに流れる電流( I1 )を大きくできますが、I2 は変えられません。したがってこの回路では、 I1 < I2 には調整できません。その場合には図の下のように回路を組みかえる必要があります。したがって調整端子が1つだけだと、オフセット電圧の正負によって調整回路を組み替える必要があります(ただし端子が1つだと組み替えができません)。

(2) オフセット調整抵抗
オフセット調整で可変抵抗を入れると、電源(Vcc)とエミッタ間にもともと入っている抵抗と並列に抵抗がつながることになるので、合成されたエミッタ抵抗は必ず小さくなります(大きくはならない)。可変抵抗が小さすぎると(もともと回路内にあるエミッタ抵抗よりも低抵抗だと)、合成されたエミッタ抵抗は元のエミッタ抵抗よりもかなり小さくなってしまうので、回路の動作点や特性が変わってしまいます(これによってどの特性が変わるかは回路構成によって変わる)。このほか、内部のエミッタ抵抗よりも可変抵抗が小さいと内部のエミッタ抵抗に流れる電流よりも、可変抵抗に流れる電流が大きくなりますが、このような場合は、オフセット調整回路の影響(抵抗の温度係数の違いなど)を受けやすくなる欠点があります。

逆に、内部のエミッタ抵抗に比べて可変抵抗が十分大きい場合は、可変抵抗の可動端子が中点付近にあるときは合成抵抗はほとんど変わらないので、回路の動作点はほとんど影響を受けません。しかし、オフセット調整のために可動端子を多少動かしても電流比が大きく変わらないので、オフセット調整するときに、可動端子を大きく動かす必要があります。その場合、可動端子を動かしていくと、抵抗値が低くなる側の合成抵抗が急激に小さくなるのでオフセット調整が非常にやりにくくなると思います。さらに、可変抵抗の可動端子が中点から大きくはずれることになるので、やはり外部回路の影響を受けやすくなります。

オペアンプのデータシートにはオフセット調整用の可変抵抗の推奨値が書かれていますから通常はその値のものを使うのがいいのですが、ちょうどその値がない場合は、小さいほうは半分、大きいほうは10倍くらいが限度ではないでしょうか。
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