
酵母菌のグリセロールストックの作り方を教えて下さい。
現在食品加工の工業的な製品に使用していたサッカロマイセスセレビシエ属の酵母菌が
メーカー廃盤になってしまい手持ちの在庫のみとなってしまいました。
素人ながら色々調べてみたのですが、混合種菌であることと、設備が最小限しかないので
グリセロールストックしか残された道が無いと思っております。
そこでお聞きしたいのですが酵母をストックする場合はどのようにすれば良いのでしょうか?
はっきり言って仕事で工業的に取り扱った以外は細菌に対してずぶの素人です。
一応-80℃フリーザーとオートクレーブ・液体窒素はこの度買って頂きました。
種菌保存を急務で解決しないといけないので何卒お願い致します。
保存可能期間やグリセロールのパーセンテージ等も教えて頂けると幸いです。
No.2
- 回答日時:
補足の回答です。
今まで使われていた種菌というのはどのような性状になっていたのでしょうか。もしかしたらドライイーストか、あるいは生菌のペーストみたいなものでないでしょうか。もしそうなら、グリセロールストックをそのまま 1g 仕込むというのでは足りないと思います。グリセロールストック中の生存菌数は他の形体の場合よりずっと少ないと思います。グリセロールストックを使うならば、一度固体培地上である程度増やしてから菌をかきとり植え込むことになると思います(そうすれば培地そのものの食品への添加もさけられます)。
混合菌の培養というのは確かに悩ましいところです。増殖速度の違う菌を液体中で増やすと、バランスが大きく変わってしまうのは確かです。ストックを作る際、固体培地上で増やし、でてきた多数のコロニーを一気にまとめてかきとってストックにする、とした方がまだ安全かもしれません。経代数は必要最小限の方がよいはずです。
いずれにしても、元の製造メーカーに、どのように種菌を経代培養していたかお尋ねになった方がよいのでは、という気がいたしました。
この回答への補足
何度もすみません。 大変参考になります
種菌はフリーズドライの顆粒状のものです。 製造元はアメリカのクリスチャン・ハンセンなのですが、
輸入代理店に ただ終売では困るので何か策がないかと色々と聞いて頂いたのですが、
報告ではライセンスは切れているので自己責任で好きにして良いという回答のみでそれ以上のことは残念ながら教えて頂けませんでした。
とりあえず教えて頂いた通り 寒天培地で増殖させてからコロニーのみをかき集めて-80℃で保管の実験をしてみます。
この場合は
80%グリセリン(グリセリン80:蒸留水20)を滅菌して
寒天培地で増殖させたコロニーをかき集め て その中に入れるという工程だとイメージしているのですがあってますか?
またコロニー1gあたり何gの量の80%グリセリンが適当ですか?(割合です)
何度もすみません よろしくお願いします。
※ 継代は3回までにしようと思っております。(今回のストック1回 ⇒ 今まで通り製品で2回)
No.1
- 回答日時:
実験用の出芽酵母に対して用いる方法を書きます。
まず液体の富栄養培地が必要です(YPD 等)。Yeast Medium YPD で検索すれば組成はわかると思います。必要な粉が混ぜてあり、あとは水を加えてオートクレーブするだけという製品も売られています。別に 80% グリセロール液も必要です。培地とともにオートクレーブ処理してください。保管は cryotube という -80Cに耐える 1-2 ml 程度の容量のプラスチックチューブにすることが多いです。買い求め、必要ならオートクレーブ処理してください。準備ができたら酵母の培養液を作ります。YPD 培地に接種して震盪培養します。濁ってきたら顕微鏡で細菌等のコンタミがないことを確認します。この培養液 800 ul に 80%グリセロール 200ul を加え、よく混ぜたあと cryotube にいれ、-80Cフリーザーで保管するだけです。液体窒素は必要ありません。
ひとたび凍ったあとは、融けない限り酵母は生き続けています(融けると生存率がぐっと下がります)。実験用酵母株での経験では10年は大丈夫です。そちらの株でも大丈夫か、できたあと一部をおこして生えてくるか確認してみるとより安全と思います。おこし方は凍ったストックの一部を滅菌した何か(爪楊枝やチップ)でかきとり、培地(プレートにまいた固体培地が適当)に塗り広げ、培養器で培養するだけです。
基本的な酵母の使い方、滅菌操作等については詳しく書きませんでしたが、もし不案内でしたら成書をご覧になるのが早いと思います(バイオ実験イラストレイテッド、秀潤社とか)。
yeast glycerol stock などで検索すると、web上にも情報があると思います。
参考URL:http://humgen.wustl.edu/hdk_lab_manual/yeast/yea …
この回答への補足
早速のご連絡ありがとうございました。
イメージも判りました。
ちなみに複合菌の場合 種菌から何回コピーが出来ますか? (コピーを繰り返すことによる菌同士の優劣バランスのことです)
種菌 ⇒ YPD培地で培養 ⇒ 滅菌済みの80%グリセロール液にコロニーを接種(グリセロール8:蒸留水2) ⇒ -80℃保管 ⇒ 解凍は滅菌した物で削り出し(これが種菌) ということですよね?
今の製品は 製品用に作った液状のミックス材料1kg程度に 1g程度の種菌酵母を植え付け、
その翌日にそれをスターターにして10倍の量を仕込んでおります。
2代の植え替えになるのでしょうか?
培地の代わりにこのベース液を利用したらまずいですか? (食品ということの安全性の意味で培地より良いのかと思いまして…)
又はニッスイから出ているポテト培地は万一食べても大丈夫らしいのですが、これはどうでしょうか?
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 食べ物・食材 アルコール除菌スプレーにかんして、 すみません、教えてください。 蜂蜜を入れる瓶を消毒しようと思って 5 2022/05/29 12:13
- その他(料理・グルメ) 大至急です! 酵母菌、その他発酵材料を使わない古代?からあるパンの作り方知ってる方ご教授願います! 1 2022/04/12 22:21
- 生物学 大腸菌とプラスミド 1 2022/07/04 01:40
- 生物学 シャトルベクターの大腸菌への形質転換 1 2022/07/02 23:19
- メディア・マスコミ 「素手でシロップかき混ぜ」物議のホテル謝罪 に違和感がある 5 2023/04/26 19:05
- 生物学 【 生基 DNAの複製 】 問題 窒素の同位体15N(窒素14Nより重い)のみを窒素源として含む培地 2 2022/10/08 16:33
- その他(自然科学) 正のフィードバックと負のフィードバックの身近な簡単な例を教えて下さい。 (正のフィードバック:酵母菌 4 2022/04/24 14:50
- 調理師・管理栄養士・パティシエ 次の問題で合っているのはどれだと思いますか? 食品の保存法に関する記述について、誤っているものを一つ 1 2022/07/10 19:21
- 生物学 窒素源、脂肪酸についてです。今週の土曜日までに回答お願いします。 1 2022/08/26 01:05
- 食べ物・食材 水キムチを食べると下痢になるのはなぜ?対策はあるの? 3 2023/06/27 17:30
このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています
おすすめ情報
このQ&Aを見た人がよく見るQ&A
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
アンピシリンの失活温度について
-
トランスフェクションでの培地...
-
微生物のコロニーについて
-
DMSOで阻害剤を希釈する際の濃...
-
振とう培養と静置培養の違い
-
振とう機における回転振とうと...
-
大腸菌群の基準について
-
DMEM培地について。
-
納豆菌を顕微鏡で見るには
-
共局在化とは
-
細胞の培養と二酸化炭素
-
酵母菌のグリセロールストック...
-
ミドリムシの発生と培養について
-
液体培地への試料の接種方法に...
-
寒天培地の写真の撮り方のコツ...
-
細胞培養におけるカビのコンタ...
-
初歩的なことかもしれませんが
-
大腸菌の培養について
-
96wellプレートかたの細胞のは...
-
大腸菌の大量培養(ラージプレ...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
斜面培地について
-
アンピシリンの失活温度について
-
トランスフェクションでの培地...
-
共局在化とは
-
酵母菌のグリセロールストック...
-
遠心分離の条件について
-
微生物のコロニーについて
-
振とう機における回転振とうと...
-
tween 80 solutionの作り方
-
培地の作り方
-
液体培地で培養すると大腸菌が...
-
食品細菌検査での希釈水につい...
-
振とう培養と静置培養の違い
-
嫌気培養におけるレサズリンの役割
-
最小培地か最少培地か?
-
寒天培地の写真の撮り方のコツ...
-
大腸菌群の基準について
-
オートクレーブかけるとpHが上...
-
微生物の培養方法について
-
DMSOで阻害剤を希釈する際の濃...
おすすめ情報