神道、もしくは仏教や中国の古代思想における方角の意味について知りたいと思っています。
特に「北」の方角について詳しく知りたいです。
今いろいろ調べてわかったことは、いくつかの考え方(思想)が混在してしまっているとは思いますが、
1.北は、北極星を天の中心にあると考える思想のように、最も大事な方位であるという考え方がある。その意味で、天照大神が北に位置する。
2.神道では、神が北方位に背を向けて、北からの寒風を遮り、信者は南の温かな陽の光を背に受けて礼拝する方位関係がある。
3.天子、皇帝は南面して天下を治める。つまり、北側に位置する。
4.神棚をまつるときは、南向きもしくは東向きになるようにする。つまり、神棚の位置は北、もしくは西になる。
というようなことがわかりました。これらから、日本の神道では神様は北側に存在することになるのかな?と思っているのですが、考え方は正しいのでしょうか?
また、神道以外にも仏教や中国の古代思想などで北という方角に何か特別な意味があるのであれば、教えていただければと思っています。
よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
どれがどの順で思想に取り入れられたかというのは難しい所です。
北を上座としたのはやはり北辰信仰の影響だと思います。
神道も古いものでは北重視と言う考えはありませんでした。
風水も北重視ではなく、あくまでも主要な山からの気の流れを見ます。その証拠に台湾の国づくりは南北が逆転しています。これは某風水師によれば、台湾の龍脈の「穴」が北に向かって流れる気のものだからだそうです。つまり風水では方位より龍脈主体なのです。
そして、この大基は崑崙山とされており、日本では、この流れを主張する者と富士山を太祖山とする者とが居るようです。(日本人の書いた風水の本は殆どデタラメなので参考になりません。アレは単に五行を取り入れただけで風水でもなんでもないです。また台湾が中国の一部で云々という話題は別にします。)
ただ、都市(街)づくりと国づくりでは基準が異なり、街づくりでは北を上座としている歴史が長いようです。
日本で都を作る場合は、龍脈が北から降りてくる場所に北重視の都を作ったと考える方が合理的かもしれません。
平安京などはもちろん、江戸幕府も東に流れる龍脈の本流が群馬県あたりを通っていくという説があり、(富士を太祖山や主山としていないのです。)それが都内に本郷台を抜けてくる(一部は富士を通って西からはいるとの説も)その穴が江戸城にあるという説があります。
そこに北重視の都市造りをしたと言う事になります。これが都と違うのは。都が完全に北中心であるのに対し、幕府は城中心に方位を観ていく事になります。これは戦時を前提にしているからでしょう。
神道も中国の学問の影響を受けていますから、神道そのものの独自の思想とは限りません。
神棚を明るい方に向けるという考えもこれに基づいており、神気は高いところから低いところに流れる、北高南低の思想が元になっています。
方位学では北が最高の場所で、北西は主人の場所ですから、北から北西(南から東南向き)が主、後は便宜的な方向と考えます。
だから場所によって・・・特に山間部では村の方を向いていたり、漁村では港を向いている神社が多いですし、春日大社本宮は平城京のほうを向いているそうです。
それに伊勢の内宮も外宮より南にありますよね。
平安京などは北から南に広げていますが、神宮は宮は南を向いているものの、その位置はむしろ敷地の南にあります。実に不可思議な位置関係です。
更に言えば神国という割にアマテラスは日本の北に祭られていないのです。
国にとって本当に必要なものは指導者ではなく、民であり農ですから、南の農耕に適した土地を人材である農民に与え、自らは山を背にして北に陣取るという考えは実に合理的だったと思います。
ご説明いただきまして、ありがとうございました。
確かに神道も中国・インドの思想の影響を受けているようですね。いろいろ共通する部分があることに気がつきました。
方位学では北が最高の場所であったり、神気は高いところから低いところに流れる北高南低の思想があったり、北辰信仰やその他の思想においても、北を重要視しているのですね。非常に興味深いです。
少し調べてみたのですが、出雲大社や熱田神宮、下鴨神社などの境内を見ると、本殿は一番北に位置していたり、その向きは南向きであったりと、北を重視した配置であるように見えます。古くからある神社がそうですので、きっとこのころから同様の考え方があったのかなと思います。それ以外にもこのような配置をとる神社が多いようですので、やはり北を重要視しているのかもしれませんね。
ご指摘のとおり、伊勢神宮の内宮は確かに若干違う境内配置ですね。何か建築する際に意図があったのかもしれません。ただ、本殿は南向きで、正式な参拝ルートをたどると最後は北に向かって歩いていくことになるようではありますが、少し気になる部分ではあります。
太陽の神様はやはり南にあるのが最も良いのかもしれませんね。推測でしかありませんが、天帝として天照を北に配置する考え方は、江戸時代の天海の影響が強いのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
No.3です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%B8%9D
こちらのページでは道教における天帝と仏教における毘沙門天は同一の神であると説明があります。
と記しましたが、
毘沙門天はご存知のように四天王の一で、
四天王の中では唯一七福神となっている神です。
また奈良では、興福寺や薬師寺など節分の日に鬼を毘沙門天が法力で祓うお寺が多いです。
これらは北を特別視する信仰が仏教にもあったことを示していると思います。
再度ご回答いただきまして、ありがとうございました。
ページを拝見いたしました。
北斗七星を乗り物にしているのですね。なんだか、空想が広がります。
仏教も同様に北を重視しているのですね。
やはり皆同じように感じていたのでしょうか。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
私も方角については興味を持っています。
1.北は、北極星を天の中心にあると考える思想のように、最も大事な方位であるという考え方がある。
そのとおりだと思います。
>その意味で、天照大神が北に位置する。
北=天照大神ではないと思います。
陰陽道では
東・・・太陽の定位置
西・・・月の定位置
中央・・・星
とされているらしいです。
中央にある星とは天の中心にある北極星のことだと思います。
ということは、北は星の定位置といってもいいかもしれません。
この考え方は記紀神話にもあります。
イザナギの左目から天照大神が生まれた。
イザナギの右目から月読命が生まれた。
イザナギの鼻からスサノオが生まれた。
という記述が記紀にあります。
「地図では左が西なので、逆じゃないか」と思うかもしれませんが、
正確には「地図では向かって左が西」なのです。
地図の側にたてば左が東となります。
イザナギの顔が宇宙に喩えられているのでしょう。
すると、イザナギの鼻から生まれたスサノオは、宇宙の中心にある星だということになりますね。
スサノオは漢字では素戔嗚尊と記します。
船場俊昭氏によれば、『輝ける(素)ものを失って(戔う/そこなう)嘆き悲しむ(鳴/ああ)神(尊)』で、もともとは星の神であったのがのちに『海の神』や『根の国の神』に神格を変えられたのではないかとおっしゃっています。
また薬師三尊像は、
中尊の左(東)・・・日光菩薩
中尊・・・・・・・・薬師如来
中尊の右(西)・・・月光菩薩
となっていて、
東・・・太陽の定位置
西・・・月の定位置
中央・・・星(中央にあるというからには北極星のことか?)
の配置になっていると思います。
つまり、薬師如来って星の神なんじゃないでしょうか。
2.神道では、神が北方位に背を向けて、北からの寒風を遮り、信者は南の温かな陽の光を背に受けて礼拝する方位関係がある。
神道の社殿の向きは南向きばかりではなく、東向き・西向き・北向きもあります。
意味があってそうなっているのだと思うのですが、よくわかりません。
ただ、仏教の御仏は南向きが多いと思います。
3.天子、皇帝は南面して天下を治める。つまり、北側に位置する。
中国では天帝(北極星)をまつるのが天子の役割だとされていたようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%B8%9D
それが次第に混同されて、天子=天帝となってしまったのでしょうか?
天皇大帝とは北辰のことです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%9A%87% …
天皇とは北極を意味する言葉だと思われます。
だけど記紀にははっきり天皇は天照大神の子孫である、と書いてあって矛盾が生じています。
4.神棚をまつるときは、南向きもしくは東向きになるようにする。つまり、神棚の位置は北、もしくは西になる。
神棚の祭り方は知りませんでしたので、勉強になりました。
>日本の神道では神様は北側に存在することになるのかな?と思っているのですが、考え方は正しいのでしょうか?
正しいと思います。
ただし、その神様は天照大神ではなく、スサノオだと思います。
スサノオこそが北極星だと思われるので。
怨霊信仰というのがあって、日本では怨霊と神は同義語であったとされます。
陰陽道ではあらぶる怨霊は十分に祀ればご利益を与えてくださる和霊に転じると考えるそうです。
高天原を追放されたスサノオは怨霊だといえます。
>また、神道以外にも仏教や中国の古代思想などで北という方角に何か特別な意味があるのであれば、教えていただければと思っています。
日本では古来より神仏が習合されて信仰されてきました。
たとえば北極星を神格化した神は道教では鎮宅霊符神といい、仏教では妙見大菩薩といいますが同一の神であると下記に説明があります。
http://www.myoken.org/rekishi.html#daibosatu
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%B8%9D
こちらのページでは道教における天帝と仏教における毘沙門天は同一の神であると説明があります。
詳しい説明をしていただき、ありがとうございました。
確かに、北辰信仰などでは北極星を重要視していますね。
その北辰信仰において北極星を神様としたものが、鎮宅霊符神であり、仏教では妙見大菩薩であると理解いたしました。
日本の神社では、境内の一番北に本殿があるところが多いように思っています。
この意味するところは、北が一番重要であり、神様を一番北に配置する(祀る)という意味かなと考えています。恐らく北辰信仰の影響も受けているのかもしれませんね。
そして社殿の向きも南向きが多いような気がしています。
他の方角を向いているところもありますが、その土地にとって重要な神様の方向を向いているとか、何らかの理由があるのかなと考えています。
No.1
- 回答日時:
serine1さん、訪問させていただきました。
私が知っていた大体のことは“朔”のご質問で書いたのですが。
神社のことのご質問についてですが、社殿についてはやはり南向きが多いかと存じます。宮大工の方の知見が欲しいですね。
但し、鳥居はあまり方角はこだわっていないようです。
そして古墳もあまり方角をこだわっていないようですね。
私たちヒンドゥの一つの哲理と精進では、自己性の回復(完成)ということを目指します。
いわゆるラージャ・ヨガが教えるヨガ瞑想ですが。
本源が北という子とで、その部所は人体ではサハスララというところです。
中国や日本では梵の窪です。日本語では百会ともいいます。これは脳天です。
これを脈絡やチャクラ位置では、北に位置する。ここが本源である。とします。
眉間のアージュニャが東。肉体は西の物質界。そして南が子孫や臣民であって、生殖器となっています。
それぞれ一定のチャクラとナディス(脈絡)が数箇所あります。
神社の鳥居はつまりは身体の九穴ですよね。そして社殿(本殿)の位置と構えですね。問題は。
微妙な霊的force(力、原理)はどうしても、丑寅(艮)、巽、乾などと方角の境目や間から差し込んでくると、私は経験しております。
神社のようなものは、そういう構えはしないはずです。
お稲荷さんや道祖神、或いは祠などはあまり神経質には造られていないようです。
お役目からも、きちんと方位を統一したり、守りきれないでしょう。
krya1998さん、こんにちは。
またまたお世話になり、どうもありがとうございます。
ヒンドゥの考え方について、大変興味深く読ませていただきました。
このような考え方を聞いたのは初めてです。
脳天というと人間で言うと一番上にあたりますから、それが対応するのが北。
国は変われども、同様の考え方が根底に流れているのでしょうね。
北辰信仰などという言葉も別の国で発生したということも知ったのですが、そう思うと人というのは、直感的に北という方位を基準というか重要視しているのかもしれないですね。
どうもありがとうございました。
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