
バスレフの共振周波数は、ダクトの開口面積と長さ、そしてエンクロージャーの容積で決まるということまでは、いくつかのサイトで知ることができました。
(なぜ決まるのかという理論のところは完全に理解出ていませんが、そういうものだととりあえず納得しているところであります。)
しかし、共振した音の大きさが、どのパラメーターで決まるのかがよく分かりません。
もちろん、ユニットの音量を上げれば、バスレフの音も大きくなるのは直感でわかります。
ただ、同じ共振周波数でも、ダクトの本数が異なる場合や、開口面積と長さの組合せが違うとき、音量にどのような変化があるのかが、よく分からないのです。
いつかバスレフのスピーカーを自作しようと考えているので、ちょっと困っています。
ご存知の方がおりましたら、ご教授お願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>> これらの問題に関する日本語の書籍やサイト //
大手の書店でもなかなかスピーカークラフト関係の書籍は目にしないので、私もピンと来るものがありません。むしろ、私が教えてもらいたいくらいです。
体系書という意味では、この本がいちばん良いのではないでしょうか。
http://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=5551632
長岡鉄男『長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術(1) こんなスピーカー見たことない』(音楽之友社・1996年)の再版だと思います(タイトルを見比べる限り)。初心者向けに端折って書かれている部分も多いですが、基本的な知識や発想方法は網羅されています。
バスレフのポートに固有の定常波が生じることも少しだけ触れられていますが、「だからどうした」という部分には踏み込んでいません。長岡氏は大量の作例(構想だけのものも含めて)を紹介していますが、細かい部分まで理論化して考えるというよりは「経験と勘」で片付けている印象があります。
ネットワークの設計は、「自作スピーカー設計プログラム」のJava Applet版のほうが厳密な計算をしていて、より正確なので、斜め読みで十分でしょう(コイルやコンデンサの働きが分ければOK)。
ただ、上でも書いた通り、全般に「経験と勘」「職人技」で切り捨てている部分は多いので、世界的に見るとちょっと物足りません。欧米ではT/Sパラメータという数値を元に、かなり細かいシミュレーションが可能です(「自作スピーカー設計プログラム」のJava Applet版は、これに準拠しています)。世界のほとんどのスピーカーユニットのメーカーはこれを公表していますが、日本の代表であるFOSTEXは、英語版カタログでは公表しているのに日本語版では書いていないという状況にあります。
では日本でT/Sパラメータで設計している例はあるのか、と言えば、ない訳ではありません。ブログ等で作例を紹介されています。ただ、「解説」ではないので、パッと読んで分かるものでもありません。
とりあえず、文章が読みやすくて感覚的に理解しやすい(分かった気になれるし分からなくても読み物として面白い?)サイトを1つ紹介しておきます。
http://www.ops.dti.ne.jp/~ds79/audio/
Yorkminsterさん、再々回答をありがとうございます!
>大手の書店でもなかなかスピーカークラフト関係の書籍は目にしない
ああ、やっぱりそうなのですね…。寂しいかぎりです。
ご紹介いただいた本とサイトを読んで、勉強したいとおもいます。
3度にわたる丁寧な回答を、本当にありがとうございました。
また、質問することがあるとおもいますが、そのときもよろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
>> 「ダイヤフラムの面積」というのは、「ユニットの駆動部(コーン)の面積」と同じと考えてよいのでしょうか? //
基本的には同じです。英語圏では "diaphragm" というのが正解で、"cone" と言っても通じません。
「コーン」というのは、工事現場のコーンと一緒で、「円錐形の」という意味です。「コーン型振動板」というのは、まさに円錐を底から覗いた形状をしています(表面積が大きい割に剛性が高くなる形状なので、ウーファーに向いています)。
「ダイヤフラム」は、振動板の全般を指します。ドーム型ツイーターの振動板も、リボン型ツイーターの振動板も、コーン型ウーファーの振動板も、みんな「ダイヤフラム」です。
それから、ちょっと細かい話ですが、計算式を見つけたので紹介しておきます。
http://www.ajdesigner.com/phpsubwoofervented/por …
さらに細かい話ですが、ポートの問題は他にも2点ほどメジャーなものがあります。1つめは、確か「自作スピーカー設計プログラム 」でも計算してくれたと思いますが、ポート固有の共振周波数(定常波)という問題があります。だいたいポートの長さは5cmとか、10cmとか、15cmとかなので、数kHzで共振することになり、ツイーターのクロスオーバー周波数に重なってくる可能性があります。そうすると、フロントポートの場合、周波数特性を乱す原因になり得るので、リアポートのほうが設計が楽になります(フロントポートでも気にしない人も多いと思いますが)。
もう1つが、ポートの風切り音です。能率とも関わりますが、要するに「同時に動く空気の量」が低音の再生能力を決めています。従って、開口面積を小さくすると、同じ量の空気を動かすためにはポートを出入りする空気の移動幅が増えることになります。ポートは狭く、そのすぐ前後は開放されているので、角で気流が乱れ、風切り音が発生します。極端に言えば、暴走族の竹槍マフラーみたいにバスンバスンいう訳です。これを防ぐために、ポートの端をラッパ状に広げたり、細かい凹凸を付けたり(B&Wがいうところの「ゴルフボールテクノロジー」)する場合もあります。
この回答への補足
さっそくの再回答をありがとうございます。
>英語圏では "diaphragm" というのが正解で、"cone" と言っても通じません。
>「ダイヤフラム」は、振動板の全般を指します。
なるほど、それは知りませんでした。
>ポートの問題は他にも2点ほどメジャーなものがあります。
両方とも考えていませんでした。実際に製作するさいは、充分気をつけます。
>それから、ちょっと細かい話ですが、計算式を見つけたので紹介しておきます。
情けないことに私、「英語の出来ない文系」でして…。
「英文説明の計算式」はハードルが高すぎて、たぶん読めません…。
せっかく貼っていただいたのに申し訳ないです。
日本語の説明であれば、ぎりぎり根性で読めるので、もしこれらの問題に関する日本語の書籍やサイトをご存知でしたら、教えていただけるとありがたいです。
再々回答をよろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
>> 共振した音の大きさが、どのパラメーターで決まるのか //
基本的には、ダイヤフラムの面積とポートの開口面積で決まります。
バスレフというのは、言ってみれば、紙やアルミニウムやカーボンファイバーの代わりに空気を振動板にする、という技術です。スピーカーの口径が大きいほど能率が高くなるのと同じで、ポートの開口面積が大きいほうが効率が上がります。ただし、あくまで共振現象を利用しているので、共振しにくくなるような開口面積だと意味がありません。
たとえば、開口面積を小さくすれば短いポートでも低い周波数で共振しますが、能率は良くありません。反対に、同じ共振周波数に設定する場合、開口面積を大きくすればポート長が必要になりますが、効率は上がります。しかし、スピーカー自体が駆動できる空気の量には限りがあるので、例えば10cmウーファーに10cmのポートというのはバランスが悪すぎます。反対に、30cmのウーファーに2.5cmのポートも不適切です。
もっとも、ある程度の範囲に収まっていれば問題はありません。たとえば、ある17cmウーファーだと2.5~3.5cm程度の範囲で使える、といった具合です(もちろん、同じ17cmでも機種が違えば最適範囲は変わります)。
この場合、上述のように2.5cmなら短め、3.5cmなら長めということになりますが、音質は若干変わります。共振の鋭さ(共振周波数を中心に、どの程度の範囲でバスレフの効果が出るか)が変わるからです(他にも音質に影響のある変化が出ます)。同じ理由から、大きなポート1個と、小さなポートを複数というのとでは、共振周波数が同じでも音質が違います。
とりあえず、ポートの口径と長さを自動で計算してくれるサイトを紹介しておきます。
http://www.kbapps.com/audio/speakerdesign/calcul …
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/in …
この回答への補足
Yorkminsterさん、丁寧な回答をありがとうございます。
知らない用語があったのですが、「ダイヤフラムの面積」というのは、「ユニットの駆動部(コーン)の面積」と同じと考えてよいのでしょうか?
よければ再回答をお願いします。
>共振の鋭さ(共振周波数を中心に、どの程度の範囲でバスレフの効果が出るか)が変わるからです
なるほど、そういう違いがあるのですね。はじめて知りました。疑問解決です。
ご紹介のサイトの1つ目は知りませんでしたが、2つ目は私もよく利用しています。
今回の回答で音量の疑問が解決し、ポートの設計に目処がつきそうです。
回答をありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
>同じ共振周波数でも、ダクトの本数が異なる場合や、開口面積と長さの組合せが違うとき、音量にどのような変化があるのか・・・
原理的には同じ (つまり変化はない) と思います。
バス・レフは Bass Reflex (低音再帰・反射) ですので低音用の共鳴管 (正確には共鳴箱ですが) とも言え、大きな共鳴管 1 本と小さな共鳴管 3 本ではどちらが大きな共鳴を得られるかというようなもので、共鳴管に投じる空気圧が同じならば出てくる共鳴音も同じでしょう。
ただし、大きな箱ほど有利かと言えば、グラス・ウールなどの吸音材の量や板厚などに起因する箱自体の共鳴のし易さが異なってきますので、スピーカー・ユニットが作り出す空気波パワーに応じた適切な大きさがベストになるだろうと思います。
この回答への補足
HALTWOさん、回答をありがとうございます。
お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。
>原理的には同じ (つまり変化はない) と思います。
これは、「ダクトの開口面積が同じなら」ということでよいのでしょうか?
というのも、別の方の回答で、ダクトの開口面積が大きいほうが音量も大きくなるとあったからです。
お手数でなければ、再回答をよろしくお願いします。
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