
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
教科書的には1の方が書かれたのに加えて、疼痛閾値の上昇(痛みを感じにくくする)を目的として麻薬もしくは麻薬拮抗制鎮痛薬が用いられている、と書かれているはずです。
で、実は現在は、比較的モダンな考え方の病院では、ほとんどの場合麻酔前投薬は使用されておりません。
理由としては、
(1)麻酔前投薬は、
・麻酔の効果発現に時間がかかり、
・麻酔導入中によだれがどんどん出て、
・ベニューラのようにカット針が附属するような切れの悪い血管内留置針しかなかった、
そんな時代の名残です。今の麻酔薬を使用した麻酔では、必要時(導入時)にアトロピンや鎮痛薬を使用すれば、あえて全ての患者さんに前投薬を使用する必要がありません。
(2)昔はパルスオキシメータが無かったので、前投薬のせいで呼吸が抑制されていたことが判りませんでした。パルスオキシメータが出てから、手術室到着時に実はヘモグロビン酸素飽和度が90%未満だったという症例が散見され、「深すぎる前投薬は危険」という事があらためて確認されました。
(3)いくら麻酔薬が改良されて、覚醒が早くなっても、前投薬の効果が術後まで続いていたら患者さんがなかなか覚めません。実際、昔の麻酔回復室では、セボフルラン麻酔にも関わらず術後爆睡していた患者さんが結構居られました。
(4)何より、筋肉注射は痛いです。特に、アタラックスPは、痛いです。
(5)横浜市立大学での患者取り違え事件をきっかけに、手術室入室時の患者確認が重視されました。その際、意識のはっきりした状態で患者さんに自分で名前を名乗ってもらう方が確認効果が高いので、意識に影響を及ぼすような前投薬の使用は少なくなりました。
(6)アトロピンで有害反射を抑えるためには、前投薬としての量と使い方(入室30分前と60分前に、1/2Aを筋肉注射)では効果がありません(口腔内の分泌物を減らす効果はある)。
(7)歩ける患者さんに歩いて手術室まで来ていただく(歩行入室)と、付き添いの看護職員が一人で済みます。しかし、ストレッチャー(移動用の細身のベッド)での移動だと、職員が二人必要です。忙しい病棟では、この一人の差が大きいです。ですので、歩行が出来なくなるような前投薬の使用が少なくなりました。
等などがあげられます。
で、ご質問の
> これが用いられている一番の理由
とすると、
「その施設では、種々の理由によって昔からの習慣を変えることができないから」
という事になるかと思います。
以上、先ずはご参考まで。
No.3
- 回答日時:
追記。
心臓血管外科の手術や、脳神経外科の手術のように、術前の患者の不安や興奮が危険な場合や、それ以外にも患者さんの不安が特に大きい場合などには、今でも鎮静や抗不安目的での前投薬が用いられております。
ようは、ケースバイケースで使い分けている、ということで。
No.1
- 回答日時:
ひとくちに麻酔前投薬といっても、いろいろな薬があり、
それは、どのような手術に対しておこなうのかによっても、その薬と目的は変わります。
一般に麻酔前投薬の目的で考えうるものには下記のようなものがあります。
鎮静剤:術前の不安をとりのぞいたり、またそれによって落ち着いて手術や、その麻酔に臨めるようにするため。
抗コリン剤(アトロピン):手術に有害な反射を抑えたりするため。
制酸剤(ガスターなど):胃酸の分泌を抑え、術後胃炎などを予防する。
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