No.2ベストアンサー
- 回答日時:
No.1回答者さんが書かれている通りなのですが、簡単に項目別に書きますと、
1# ガソリンエンジンの燃焼室形状はロータリーエンジンを始め様々な種類がありますが、ディ―ゼルは単純な形状になります。
2# これは燃焼形状が、ガソリン混合気は圧縮した時点で点火して爆発させる為、一点の発火から如何に均一に爆発力を駆動に利用するかと言う課題があるので、様々な工夫が行われて来た訳です。
一方ディ―ゼルは軽油混合気をガソリンの数倍で圧縮し、圧縮による軽油の自然発火により点火するので、元々全体が一気に爆発してくれてそこの工夫は要らない事があります。
3# ノッキングはガソリンエンジンの燃焼室内で、点火する前にガソリンが圧縮によって自然発火してしまう事を言います。したがってノッキングしにくい性質の高さであるオクタン価が高い事が求められ、圧縮比が高い高出力エンジンに関しては「ハイ・オク」ガソリンが指定されます。
ディゼルエンジンでは、自然発火のし易さが逆に求められるので、軽油にはセタン価と言うオクタン価とは逆の意味の数字が高い事が求められます。
No.1
- 回答日時:
1から3までの事柄はそれぞれが密接に関係しているので別々に書くのは私の文章力では難しいので一まとめで書く事をお断りしておきます。
また燃焼形状とはたぶんん燃焼時の圧力変移のことであると思われるため、P/V曲線のグラフが一番理解しやすいかと思われますので、P/V曲線で検索されるか講談社刊のブルーバックスシリーズの「エンジンのABC」を読まれることを薦めします。(ISBN4-06-257129-3(科))燃焼室形状の違いは、ガソリンエンジンでは予混合方式であるため、燃焼室の面積/容積の比率はできるだけ小さなほうが、熱の逃げが少なく熱効率がいいので一般に半球形やペンとルーフ型などの形状が使われることが多く、燃焼室の直径もノッキングなどの異常燃焼を抑えるため極端に大きなものは作れません。ガソリンエンジンでは点火プラグからの点火による火炎伝播により燃焼が進んでいくことが基本ですが、極端に直径の大きな燃焼室では中央から燃焼が始まり圧力が高まると、圧力の伝播は音速または場合によっては音速を超える速度で伝播するため、シリンダー周辺部に火炎が円滑に広がる前に、シリンダー周辺部の圧力が急速に高まり、圧縮による温度上昇による自己着火(ノッキングの一種です)がおこり必要以上に急激な圧力の上昇が起こり、場合によってはエンジンを破壊します。これらの現象は圧縮圧力が高いほど、燃焼室の直径が大きいほど、また吸気温度が高いほど起こりやすくなりますので、ガソリンエンジンでは圧縮比(ターボなどによる過給をする場合は実圧縮比)をむやみに高くする事はできませんし、燃焼室の直径をむやみに大きくする事もできません。ターボなどによる過給をするときにインタークーラーなどで吸気温度を下げるのは、充填効率の上昇もありますが、アンチノック性を高める意味も有ります。
一方でディーゼルでは吸入するのは空気のみで、空気のみを圧縮し高温高圧になったところに霧状にした燃料を噴射して燃料自体の自己着火を利用するため、機械的な強度が十分であれば圧縮圧力の上限は事実上ありませんし、燃焼室の直径にも機械的な問題以外の制限は事実上ありません。実際に大型タンカーなどで用いられるユニフロースカベンジング型の2ストロークディーゼルエンジンでは直径が1000mmを超えるものも珍しくありません。ただし、燃料が吸入されて空気と混合すると同時に燃焼が始まるため、この時点で燃料は気化しておらず霧状の状態です。従ってそのままでは燃料の霧の中心部まで燃焼が進むのに時間が掛かりすぎ、とくに自動車用などに用いられる高速ディーゼルでは未燃部分が発生してしまうことや、微視的に見ると空気との混合が不完全になり不完全燃焼を起こし、黒煙をもうもう吐き出し未燃の部分が多く発生するため熱効率も低くなってしまいます。そこでディーゼルエンジンでは副室式のようにシリンダーヘッド内に小さな部屋を作りそこに燃料を噴射して燃焼を開始させ、小さな穴からピストンとシリンダーヘッドで形成される主燃焼室に高速で燃焼ガスと未燃の燃料を噴出させ、強力な渦の中で半ば強制的に空気と混合気化させながら燃焼をさせる方式が存在します。現在では小型高速ディーゼルでは少ない方式ですが、中型以上の中速がたディーゼルでは今でも多用されています。先にあげた副室を使う方式では速い燃焼を必要とする高速型エンジンでは不都合がある(2段階で燃焼が行われるため燃焼時間が長く掛かる)ため、最近の小型高速ディーゼルでは副室を用いず、燃焼室自体の形状を意図的にいびつな形状として圧縮時に起こるシリンダー内部での気流で強い渦を作ったり、吸気バルブを複数持つものでは複数ある吸気バルブのタイミング調整して吸気時に強い渦を発生さえるなどの方法がとられています。また、このような直噴型ディーゼルでは燃料噴射圧力を高く取り可能な限り燃料の霧を微細化することも必須です。ディーゼルでのノックはガソリンエンジンとは異なり圧縮が不住な場合や、燃料の霧化が不十分で大きな粒子が存在する場合に起こります。圧縮圧力が不十分である場合燃料が噴射されても速やかに燃焼が始まらないため未燃のまま排出される(大量の白煙が出る)か、燃料の温度が上昇するのに時間がかかるため噴射と同時に速やかに燃えていかなければならない燃料が、大量に燃焼室に滞留したところで一気に着火し非常に急激な圧力上昇を生じる現象や、燃料の粒子が大きいため燃料周囲の酸素を使った状態で燃焼がとまり、その後燃料が高温により気化して一気に燃焼が進み異常な高圧状態を作ることによって生じます。
冒頭で紹介した「エンジンのABC」は専門的な知識がなくても十分理解できる内容で、現用されているエンジンについて幅広く解説されてますのでぜひ読まれることをお勧めします。
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