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「ビニールハウス、ガラスハウスを建てるときに、太陽の向きにあわせて作るのでハウスには向きがある。」と、聞いた事があります。これは本当のことでしょうか?東西南北を気にして立てるものなのでしょうか?

A 回答 (2件)

こんばんは!


むかし勉強した蔵書と知識を元に、回答を試みます。

>『ビニール、ガラスハウスについて教えてください』
>「ビニールハウス、ガラスハウスを建てるときに、
>太陽の向きにあわせて作るのでハウスには向きがある。」と、聞いた事があります。
>これは本当のことでしょうか?東西南北を気にして立てるものなのでしょうか?

結論を述べると、
「当然その事は温室の性能に左右しますから設置以前に考慮すべき絶対条件」です。
温室を利用する人によって栽培条件に好みがあり、その人の要望する棟の設置方向を決めます

『南北に建てる』と、朝夕の太陽光が室内に届き易い立地構造になります。
言い替えると、一日中、均一な陽光が温室内に一日中届きます。
さらに、太陽高度の最も高くなる南中時に、急激な気温上昇を防ぐ効果もあります。

『東西に建てる』と、温室全体に朝夕の日差しが入りにくく、
更に南中時の前後に受光率が最高に上昇するが、それと並行して室温の上昇が、
南中時に最大になると言う、基本的な差があります。

この様に建築後の温室内の植物栽培に大きく左右しますので、
これら条件を、利用者の栽培する植物の条件に合わせて判断します。

ご理解いただくために温室設置の意味から理解してください。
温室やハウス類は、太陽の光と熱を利用し植物の生育に適した温度に調節しながら、
植物を栽培しようとする設備です。
そのために栽培目的の植物に合わせた下記に示す形状の温室があります。

【温室の形態】
(1)両屋根型。
一般に最も普及されている温室です。
普通は、“南北に長く建て”、東西の両側から太陽の光と熱を好く取り入れます。
切花・鉢物・観葉植物・きゅうり・トマトなどの果菜類の栽培に適しています。

(2)スリークオーター型。
ふつう“東西に長く建て”、北側の屋根幅を短くし、
北側のサイド(側面)から光を多く入れる温室です。
マスクメロンや草丈の低い花卉栽培に用いています。
注釈:両屋根は屋根部の中央部が屋根の最高位置になっていますが、
この型の場合、その位置が左右いずれかにずらされて設計されている温室です。

(3)片屋根型。
“たいてい東西に長く建て”、北側に屋根が無い温室で、他の建物に続けて造ります。
寒い時期に太陽の光と熱を好く受け入れ、室内の温度を保ちやすい。
建設費は割安になるが、換気が悪く、夏には高温になりやすい。

(4)ドーム(丸屋根)型。
“屋根を丸くし南北に長い温室”で太陽の光と熱を最も好く利用できて、
植物がそろってよく育ちます。設置場所は植物園などに多いです。
しかし、建築費が最も高く屋根の設計や工事の善し悪しで保温が違ってきやすい。
各種の植物栽培に適しています。

これ等の温室にも、地上型と半地下型に分かれます。

【地上型温室】
温室の床面を地上面にあわせ建設しますので、長所としての採光量はありますが、
外気との接触面が大きい為、外気温に温室内の温度が左右されやすい短所があります。

【半地下型温室】
温室の床を掘り下げ、その地域の年間の平均気温に近い地温を利用して、
年間を通じ室内気温と湿度を安定的に保ちやすくなります。
反面、半地下床部の採光は非常に悪くなります。
ただし、棚下などでは、シダ植物など光量を多く必用としない植物栽培に適します。

【連棟型温室】
温室には、一棟建ての単棟式と、二棟以上の連棟式があります。

連棟式温室は、多くの場合で営利目的の温室に採用されています。
温室内容積が大きくなる為、気温の保持能力も高くなりますが、
設計段階で充分に注意すべき点があります。
部分的に日当たりや換気が悪くなり易く、暑い時期に中央部が蒸れ易くなるし、
温室連接部の谷の部分へのコモがけや降雪地帯では除雪作業が非常に難しくなります。

【温室形状による室内条件の変化その説明】
温室の棟の方位は、基本的に東西棟と南北棟に分けられています。

≪東西棟≫は、
室内の温度が、夏は低く冬が高くなります。しかし、常に北側の光量が不足するので、
室内各位置の条件を均一に保ちにくくなります。さらに、温室内の影部分が多くなります。

≪南北棟≫は、
室内の温度が割合低いが、年間を通じ室内の受光量が高く均一である為に、
農家や家庭での一般的な温室に向いています。

≪重要≫【保温・加温】
温室設計段階で、絶対的に注意・考慮すべき点があります。
ビニール温室やガラス温室では、冬季の厳寒期には、
加温しなければ室温は外気温とほぼ等しくなります。
栽培する植物によっては、日中~夜間の温度差をできるだけ少なくする配慮が必要になります。

つまり、日中の太陽光からだけの保温だけでは、
日中と夜間の温度差が大きくなり、結果として植物が枯死する可能性が高くなります。
熱帯性の植物栽培では特に重要な温室の最低条件として夜間の加温設備は考慮すべきです。
熱帯植物は日中~夜間の温度差が拡大すると、植物生理が付いてゆけず最悪枯死します。
そのために日の出前早朝の最低気温を維持する為に、最低の加温設備が無いと、
上手く育てる事は不可能と考えていなければいけません。

ビニールと比較して特に熱伝導率の高い『ガラス張り』の温室は、
昼に陽光で蓄熱された室内の熱は、日没と同時に急激に外部に放熱され続け、
深夜には間違いなく外気温と同一の気温まで低下します。
『加温設備の無いガラス温室』は、実は『ガラス室と言う最悪の栽培条件』になります。

なお余談ですが、
わたしばかりでなくガラス温室の保温と加湿に配慮して、温室内に注水した水カメを置いて、
水の貯熱性を夜間保温に応用したり、さらに空中湿度確保の目的で設置している場合もあります。
つまり、日中の陽光の熱の一部を水カメの中の水に熱を貯めておき、
外気温が下がり温室内の気温まで下がる夜間に、水の貯熱を温室内に放熱させ保温する工夫です。

温室の基本的な説明を試みましたが、ご理解いただけたでしょうか。
この回答が、ご質問者様の問題解消につながり、
尚且つ知識の一端に納められ、後日必要な時にご質問者さまのお役に立てば幸いです。

最後に『お願い』です。
貴重な時間を割いて回答をしています。
この回答でご質問に対する問題が解消できましたら、
速やかにここのルールに従って、
「回答への補足」「回答へのお礼」などと共にポイントを付けて、
次回の質問でも多くの回答をいただけるように、
回答いただいた方々にも感謝を配慮して対処してください。
できれば読後のご意見など感想をいただけるとありがたいですね。

冗長な回答になりました。
誤字脱字などある場合は、機知にてご判断いただきご笑納ください。

なお、回答後の「お礼」「補足」での再質問には、お答えいたしておりません。
その場合は『再度の新規質問』でおねがいします。
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この回答へのお礼

解答ありがとうごさいます。
助かりました。

お礼日時:2012/02/21 15:29

気にするのが普通です。



一般には棟を南北にとります。

特に連棟の場合に、受光量を均一にする意味で、屋根の谷間や柱の影が特定の場所に集中することを避け、南北に長いハウスを横につなげるような設計をすることが多いです。
受光が不均一だと、栽培管理が非常に難しくなってしまいますのでね。

ただし、静岡の温室メロンのガラス室は、棟を東西にとり、北側を高めのコンクリートとしているなど、
作物の種類、栽培の方法、土地の条件などによって、実際のハウスの向きは、様々です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
助かります。

お礼日時:2012/02/21 15:27

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