今、関係代名詞を子供に教えているのですが、例文(2文を1文にまとめる)という形で理解してもらおうと思っています。
ただ、「これは歌です」「私はそれがとても好きです」という2文を「これは私の大好きな歌です」という形にする際、
This is a song. I like it very much.
→ This is a song which I like very much.
となるのが自然な流れだと思いますが、「私が大好きな」という限定要素があるため、a song は the song に変えるのかという疑問が出てきます。
特に現在分詞・過去分詞・関係代名詞で言葉を説明するときは、先行詞の冠詞の扱いは、とてもややこしいと思うのですが・・・。何度参考書などを見たりしても、身につけられません。
何か、the と a(n) を決定する、いい方法(考え方)はないでしょうか。
私は一応英語を専門に勉強してきたのですが、どんどん忘れてしまっていて、感覚がなかなか取り戻せません・・・。
できれば、中高生に質問されたときにも使える説明のしかたもアドバイスいただけたらと思います。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
関係節とは、2つの文を1つに結合する操作だと考えるのは、関係節の作り方を教える際の一つの便法であっても、関係節の本質の理解には有害だと思います。
参考までに、最後に、1つだけ、この考えでは解けない謎(あるいは、そう考えた結果、生じる謎?) を挙げておきます。(1) This is the song I like very much.
このtheは、従来、後方照応(cataphoric)で説明されてきました(学校英語でいう「限定」です)。この分析では、関係節の情報があって初めて、songの指示対象が「唯一的に決まる」と理解します。この分析の重要な点は、関係節は、形式上、songを修飾する形容詞節ですが、意味については、theが決定的な役割を果たしていることを指摘したことです。
しかし、今では(といっても、どの程度、幅を利かせているのかということになると定かではありませんが)、theが、後に来る関係節の情報の質を決めると考えます(この背後には、従来、名詞句と考えられていた表現が、実は、決定詞句であり、アクセサリー扱いされていたaやtheの方が、主要な役割を果たしているという理解があります。ついでに言うと、一部の言語学では、句や節といった概念すら、解体されつつあります。言語学と英語教育が復縁し、文法に関して、どのような橋渡しが可能なのか、実践的な研究が望まれるところです)。
不定冠詞との違いで言えば、(2)のようにまとめることができます。
(2) a. …a(n) 名詞+関係節(assertionを表す)
b. …the 名詞+関係節(assumptionを表す)
assertionというのは、聞き手の知らない新しい情報を提示することを表します(ただし、事実かどうかは分かりません)。これに対して、assumptionというのは、「前提」と訳されますが、これは、shared knowledge、つまり、聞き手との「共有情報」を表すという点で、既知の情報を表します(これは、事実であることが確認されている情報です)。従って、基本的には、先行するコンテクストの中で述べられた情報を表します(が、時には、具体的に言語化されないでも、話し手が、勝手に、聞き手は知っているだろうと考えていたり、あるいは、状況から正しく推論すれば、聞き手も獲得できると話し手が考える情報もまた、「共有情報」に含まれます)。
(3) This is a song I like very much.
こう考えると、(3)の意味は、(Iを母親と考えると)「この歌はね、どんな歌かというと、お母さんのとっても好きな歌なの」ということで、子供は、初めて、この歌の持つ特質を知ることになるわけです。
(4) This is the song I like very much.[=(1)]
これに対して、(4)は、「この歌なのよ。お母さんが、大好きだって言っていた歌は」という意味で、本来ならば、This is the song!(これが、「例の」歌なのよ)と言っただけでも、どの歌のことについて述べているのか、察しのよい相手であれば、分かるところを、聞き手に対するサービスとして、「例の」が表すshared knowledgeの中身が、いったい何なのか、述べることで聞き手の理解を助けているのです。
もう少し、遊んでみることにすると、主張と前提は、否定文や疑問文の焦点(簡単に言えば、「対象領域」)になるかどうかで違いが生じます。ここでは、否定文の例だけを取り上げると、主張は、否定の対象になりますが、前提は、事実を扱うので、否定されません。
(5) a. This is not a song I like very much.
b. This is not the song I like very much.
(5a)は、notの影響は、関係節の内部に及び、「この歌は、私はそれほど好きではない(<=この歌は、私の大好きなタイプの歌ではない)」と解釈できるのに対して、(5b)は、「この歌は、私が大好きだと言った歌とは違う」という訳で、notの作用は、関係節内部には及ばないのです。ちなみに、(3)や(5a)のa songは、「一つの歌」ではありません。an Nは、it/she/heで受ける系統と、oneで受ける系統がありますが、ここでの、a songは、後者です。英語学の初歩では、前者をtoken、後者をtypeと区別することを学びますが、まさに、ここのa songは、「グループ/範疇」に関わる意味を表しています。
最後に、(6b)のHeは、Johnを指すと考えるのが自然なのにもかかわらず、Heをwhoにした時には、doctorの後に入るのはなぜだと思いますか?
(6) a. John is a doctor who is liked by everybody.
b. John is a doctor. He is liked by everybody.
実は、be動詞は、A=Bのように=を表すという言い方で、お茶を濁すのが通例ですが、扱いがかなり厄介です。関係節を指導するのであれば、(7)のようにbe動詞を避けた表現を考えるほうが適切です。
(7) Sing me [a/the] song I like very much.
回答ありがとうございました。
正直、私には難しい言葉がいろいろあったのですが、例文をたくさん用いていただいていたので、よく理解できました。
私自身、2文を1文に という伝統的(?)ともいえる問題の形式には、特に(6)a b の例文のようなbe動詞つきの場合、疑問を感じていました。
先行詞はa doctor なのに、関係詞節の主語はJohn になる。関係詞節の主語は先行詞じゃないの?
という疑問が出てきます。
ところで、授業で他の先生が用いた問題集の文法解説に、「Jane has an uncle and he lives in Tokyo.を関係代名詞を使った文にすると、Jane has an uncle who lives in Tokyo.となります」という内容がありました。
私の知識では、and he というつながりの場合は、継続用法となり、関係代名詞の前にカンマがいるはずなのですが…。これは、限定・継続用法を学ばない中学生用の問題集ならではの現象なのでしょうか。
もしよろしかったら、こちらへのご意見もいただければと思います。(新しい質問として投稿すべきでしょうか…。)
No.6
- 回答日時:
No.1です。
yackyさんの言うとおり、問題集などであいまいになっていることが多いですね。
時代の流れなんでしょうか・・・教科書自体が簡素化されて、口語的な文が多く細かい文法はあまり厳しくしていないような気がします。
私は例文にある
This is a song(which)I like very much.
が英作の問題でしたらa→theの部分で減点すると思います。
でも2文を1文にする問題でしたらaのままで正解とします。
生徒に「なんで?」と聞かれたら、
「正しいのはtheでsongがどんな歌か限定されてるから
でも1文にする問題は、関係代名詞の使い方を問うている問題だから、正しくつないでいれば正解だよ」
といいますね。
再度の回答ありがとうございました。
そうですね、授業で扱う際は、何ができて、何が理解できていないか というところを見るために、ある程度、譲歩する部分が出てきた方がいいですよね。
まだまだ経験が浅いので、「この問題ではこれでよくて、あの問題だったらこれで減点される」というところが矛盾というか、教員サイドの都合に思えるのですが・・・。
問題が何ができればよしとするものなのかを読み取るのは、子供には難しい気がします。
実際は、私も、「ここは自由英作文だから…。ここはつづりが書けるかが問題だから△はナシで…。」と、問題の種類(狙い)によって採点基準を変えています。
なかなか生徒・教員双方が分かりやすく、納得できるものというのは、作りにくいですね。
問題作りのプロの方達にも、細かい文法を大事にした、自然な日本語訳を用いた問題集を作っていっていただきたいものです。
教科書も口語を重視するばかりで授業の流れが見えません。なかなか難しい時代になりましたね。
No.5
- 回答日時:
aをtheにしちゃうと 私がとても好きな歌が 一つしかないことになります。
冠詞は語源的には 不定冠詞はoneから派生し、定冠詞はthatやthisから派生しました。
そうですね、今の段階では冠詞と関係代名詞は別々に教えてあげたらどうでしょうか?関係代名詞なら
yackyさんが引用した文のように 関係代名詞の構文の作り方とか言う風に。一度に両方教えると 教えられる方も困惑すると思います。
回答ありがとうございました。
a は one of - 、the は限定する必要のあるものにつけるという所は理解しているつもりなのですが、語源までは知りませんでした・・・。
不自然な例文を作ったり、聞かれて答えるときに、曖昧にしてしまうのが怖いです。
もっとこわいのは、子供達を困惑させて、「わけが分からない!」となってしまうことですね。
関係代名詞のところは、関係代名詞に集中して、あまり冠詞へのこだわりをこちらから押し付けないように気をつけます。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
No.3 の方と同意見です。
ちょっと具体的にいうと、好きな歌の話をしたあとに、ちょうどその歌が流れてきて、「これこれ! これが私の好きな歌」というニュアンスなら 「the」
単に、「これは、私の好きな歌のひとつ」というニュアンスなら 「a」
という感じでしょうか。
(限定要素があっても、the になるとは限らないです)
回答ありがとうございました。
問題集などの練習問題だと、こういった限定すべきかどうか判断できるような日本語訳というのはあてがわれていないものがほとんどですよね。
冠詞などの細かいところをどうしたら良いか分からなくて英語をイヤになるという子供も多いものです。
せめて授業の中では、こういう所に気を配って、例文・解説などを提供していきたいと思います。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
私もだいぶこの辺を忘れてしまっているのでお恥ずかしいのですが……。
This is the song ~
ですと「これが私の大好きな歌」、一方、
This is a song ~
ですと「これは私の大好きな歌」
というニュアンスになる気がします。要は、“a”はそこで初めて話題に出すもの、“the”はそれ以前に話題に挙がっているものに使うということです。
回答ありがとうございました。
これが と これは という日本語の使い分け、いいですね♪「が」の限定してる感、「は」の漠然感がしっかり伝わると思います。
この使い分けはしたことがなかったので、今度質問を受けたときに使ってみたいと思います。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
日本文から考えて、`知ってるもの→the’じゃダメでしょうか?
・`これは歌です’→「歌」を知ってるか分からないから「歌」の前(知ってるか分からないものの前)にaをつける。
・`大好きな歌です’→文脈から「歌」は知ってると分かるから「歌」の前(知ってるものの前)にtheをつける。
様は、日本語訳から考えるという事を言いたいです。
なんか分かりにくい説明かも…(-_-;)
参考になれば幸いです(-_-;)
回答ありがとうございました。
Lcuky0220さんの説明、「日本語から考える」というの、私も同感です。
なかなかシチュエーションを想像してa the を使い分けるのは中高生には難しいですね。でも、説明のときに、「こういうニュアンスだったら・・・」と言うのは効果的な気がします。頭の回転のいい子は、この状況説明をするだけで納得してくれるのですが・・・。
例文を考えるのに、とても気を使います(*_*)
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
内容的に中学生英語でしょうか。
私は、theとa(n)の違いはこのように教えています。
目の前にあったり、それと特定できるもの、訳すときに「その」をつけても意味がおかしくない場合はtheを使う。
漠然としたものや、それと特定できないもの、訳すときは「あるひとつの」という意味合いになるものにはaを使う。
ご質問にある例文では、「aはtheにしなくても正解になるよ」といってますが、「これをtheに置き換えることができれば冠詞について理解できてるな」と言っています。
回答ありがとうございました。
なかなか例文を作るのが難しくて・・・。
問題集をやらせると、a のときと the の時の区別がつかないと質問されるんです。
This is a dog which...という文が答えとなるもの、This is the dog which ...が答えとなるもの。
問題によって振り回されてる感があるんです。
限定できたらthe と説明するのですが、問題集の問題がそのへんをあいまいにしている気がしてるんですが、どうでしょう。
やはり、中学生への説明は、tenpaiさんの回答のような形が分かりやすいですね。ありがとうございました。
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