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立憲主義と法治主義の違いとは何でしょうか?

学校では先日、

法治主義→ 統治が法によって行われるもの(権力の行使が法に基づいている)

立憲主義→ 権力自体が法に規定されているもの(権力の行使が法に拘束されている)

と習いました。
しかしこの違いがよく理解できません。

権力の行使が法に基づいているとはつまり、権力は法によって縛られている(拘束されている)と私には取れるのですが違うのでしょうか?

基づいている、つまりそれを基本に成り立っているとは、
それに縛られていると自分では考えています。
(なんか2回同じことを言っているような)

結局のところ違いとは何でしょうか?

A 回答 (3件)

 法治主義とは,簡単に言えばお役人の取り締まりが,役人の恣意ではなく法を根拠として行われているということです。

その法が民主的に選ばれた議会によって制定されている必要はなく,単に国王が独断で定めた法に基づいて行われている場合でも,「法治主義」であることに変わりはありません。
 これに対し,立憲主義とは,簡単に言えば国王といえども好き勝手に法を定めることはできない,法は民主的に選ばれた議会によって定められなければならない,また議会であっても,近代法の諸原則として確立された国民の人権を踏みにじるような法を定めることはできないという,法治主義よりはかなり踏み込んだ内容の考え方を指すのが一般的です。
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>法治主義→ 統治が法によって行われるもの(権力の行使が法に基づいている)


>立憲主義→ 権力自体が法に規定されているもの(権力の行使が法に拘束されている)


基本的には「不適切さはない」という見解ですが、若干、精度を上げた定義にする必要性があるでしょう

法治主義:公私に渡る権力の恣意性を排除し、公開された法に依拠し統治が行われることを重視する思想

立憲主義:憲法典に基づき統治が行われることを重視する思想


>権力の行使が法に基づいているとはつまり、権力は法によって縛られている(拘束されている)と私には取れるのですが違うのでしょうか?

『法の支配』という概念があります
これは、立憲主義との密接な親和関係にある用語ですので、是非覚えてください
法治主義という概念は、権力を法で拘束する視点が希薄・・と理解されるのが望ましいでしょう

法治主義という概念の原初は、中国戦国時代に遡ります。法家と呼ばれる人々達が提唱した概念と極論しても良いでしょう
法家の法では、皇帝・国王などは超然とした存在で、法の拘束を受けない法律が大半です
一方、立憲主義・法の支配は、13世紀の英国マグナカルタを原初とします。これは、時の皇帝・国王ですら”法で拘束できる”としています。

つまり、より権力を縛る範囲が広いのが立憲主義・法の支配の重要部分・・・と理解するのが良いでしょう
または、法治主義は、一般人を拘束するが、立憲主義は、権力者とそれに近い権力全体を拘束する、との理解でも良いでしょう


実は、質問文の記述は立憲主義は「法の支配」に置換するのが望ましいでしょう

是非、学校で、立憲主義と『法の支配』の違いについて質問されると良いでしょう

なお、本件は、弁護士さんも大概が意味不明な回答をしますが、

もっとも表彰性があるのは、
・ドイツ(統一前の西ドイツ)のドイツ基本法が法治主義
・英米諸国の近代憲法の多くが、立憲主義・法の支配 

と理解されても大過ないでしょう

ドイツ基本法は、その法律が権力だけではなく、一般人まで拘束する、ということでの相違性があります
一方、英米諸国の憲法は、専ら権力を縛る・牽制・統制するのが首座・・とも言えます

少し難しいかもしれませんが、適切な憲法理解のためには重要な知識と言えるでしょう

日本国憲法が、立憲主義・法の支配と言える論拠になりえる条文を最後に提示しておきましょう

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

99条は憲法を守るべき主体を規定します
これには一般国民は含まれません。実は、一般国民は憲法の拘束性を受けているわけではないのですが、それについては補足要請があれば回答しましょう

・・・・・・・・・・
なお、本件は極論であることについては、一定の法哲学・法思想・法制史の知識のある人は理解・寛恕の上で理解されたし

この回答への補足

できればもっと深く知りたいため補足をお願いしたいです。
一般国民は憲法の拘束を受けているわけではないのに、
現在のわれわれはきちんと憲法を順守していますよね?
順守と拘束を私が、あるいは根本的に理解していないだけかもしれませんが・・・。

御迷惑でなければお願いします。

補足日時:2012/06/10 22:02
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この回答へのお礼

補足も含めてありがとうございました。
内容を完璧に・・・とまでは行きませんでしたが、
とても興味深く、また分かりやすい内容でした。

こんな数行程度で申し訳ないですが感謝です。
ありがとうございます。

お礼日時:2012/07/01 01:14

補足を受けて回答




>一般国民は憲法の拘束を受けているわけではないのに、
現在のわれわれはきちんと憲法を順守していますよね?
順守と拘束を私が、あるいは根本的に理解していないだけかもしれませんが・・・。
御迷惑でなければお願いします。

根本的には、憲法を守るべきは、公権力者(99条規定される存在)だけです
実際に、憲法違反と法廷で問われるのは、99条規定の国・地方公共団体など、だけです

実は、憲法が権力を首座にした規範という話は、憲法の基礎中の基礎です
しかし、その基礎を学校教育ではほとんど教えません

理由は様々な部分にありますが、ここでは割愛しましょう

さて、憲法は一般人を拘束するものではない・・と表現していますが、判然としないと思います
例えば、勤労の義務・教育の義務・納税の義務などは国民・住民に課せられた憲法規定 と学びますし、そう思われるでしょう

しかし、立憲主義的には以下のような解釈が妥当でしょう

『勤労の義務』は、主に政府・地方自治体などの公権力 が国民に対して勤労の場を確保することができるよう義務付けている、と解することが無難でしょう
同じように、納税・教育の義務も、政府・地方自治体などが国民に対して確保する義務を負う・・・と解するのが妥当でしょう

さて、一般人が憲法の拘束を受けない、という話は、『私人間(しじんかん)効力』という憲法訴訟の有名な論争で一番簡単に示唆できるでしょう
内容は極めて高度かもしれませんが、是非、下記URLを参照してください

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/1503/ …

ちなみに、法の支配については

http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/1503/ …

でも参照してください

無難かつ平易な説明だと思われますので・・
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